「自民党の看板」と「麻生の暖簾」
自民党は今度の総選挙を「麻生ブランド」で戦おうとしているようだ。「麻生が~」というメッセージを前面に押し出している (参照)。
これは トヨタがラグジュアリーカー市場で 「トヨタ」 ブランドを隠し、「レクサス」 の名前でマーケティングしているようなものだが、そのレクサスだって、いい加減苦戦しているしね。
トヨタが敢えて歴史(そんなに長くもない歴史だが)と信頼に裏付けられた「トヨタ」というブランドを隠して「レクサス・ブランド」でマーケティングしようとしているのは、基本的には、トヨタが自信を持っていないからである。
大衆車から「上の下」に到るまでの市場では、トヨタは圧倒的な強みを発揮している。しかしラグジュアリーカー、つまり「上の中」以上の市場 (フェラーリなんかは 「特」 としておこう)では、メルセデスや BMW へのコンプレックスを払拭できない。だから、自ら素性をちょっとだけ隠して、目新しいブランドに頼ろうとしているのだ。
今回の自民党の戦略も、根底ではそれと似ている。この何十年もの間、選挙における「自民党」の名は、スーパーウェポンだった。とくに保守王国といわれる選挙区では、「唯一無二」ともいえる超強力なブランドだったのである。
ところが、そのブランド価値が近頃急速に色褪せてきた。もはや「自民党」の名で戦ったのでは、民主党に負けることがほぼ確実という情勢にまでなっている。そこで、「自民党」の看板を「麻生」の暖簾で隠そうという、姑息な手法を取っているのである。とっても広告代理店的な発想だ。
そういえば、ちょっと前にもこれと似たことがあった。「小泉チルドレン」がバカバカ当選してしまった、3年前の総選挙である。あの時も、自民党は小泉さんのイメージに頼って戦った。
しかし当時は「自民党」を隠す必要まではなかったのである。たまたま、「自民党」のブランドよりも「小泉」というブランドの方がずっと強いタイミングだったので、それを利用しただけだ。だから、従来の自民党の実力プラス小泉人気で圧倒的な勝利を収めた。
あれから、たった 3年で自民党の看板の威力はここまで力を失った。力を失わせたのは、ある意味では小泉さんご本人である。自民党の看板の力の落ちた分を、麻生の暖簾の力でいかにごまかせるかというのが、今度の選挙の焦点になる。
よっぽどうまくやらないとごまかしきれるものではないと、私個人は見ているけれど。
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コメント
今回の選挙?に大きく期待すること!
『モノを解っている風』の世襲議員の廃絶!
あ、現首相からしてその筋か!
メディアに登場するのは、takさんおっしゃるところの『脇が甘い』ヤツらばかりで…。
小泉チルドレンの功罪を議論する時勢なれど、若手自民党議員にも”いきのいいヤツ”は存在します。(選挙区違うから直接応援できませんが…。あ、オッチャンはいわゆる無党派層どす)
人口の視点ではなく、有権者数の視点でしか語れない政治屋は、御免。
わかったか!世襲議員!
「いまさら言っても…」
という気持ちが、”世間を変えない”のだから、恐れながらこの場を拝借致しまして、大声にて!
投稿: オッチャン | 2008年10月 6日 19:48
オッチャン:
政治というのは、近頃、ほとんど 「家業」 と化したような気がします。
ほかの商売でもよくあるように、三代目ぐらいで潰れてくれればいいのですがね。
投稿: tak | 2008年10月 6日 21:46