コーヒー派? それとも、紅茶派?
昨日は缶コーヒーをさんざんけなしてしまった(参照)が、私は別に缶コーヒーに恨みがあるわけじゃない。ただ、自分で金出して買う気がしないというだけのことである。
で、その記事のコメント欄に、「紅茶が好き」という書き込みがあった。実は私の妻も、かなり紅茶が好きらしい。
私は個人的には断然コーヒー派である。紅茶は決して嫌いというわけじゃないのだが、取り立てて好きというほどでもない。それにお茶は日本式の飲み方が一番うまいと思っているので、発酵なんて余計な手間をかけることに、少しだけ心理的な抵抗感があったりする。
そういえば私は、この 20年ぐらい、紅茶というものを飲んでいないと思う。コーヒーか紅茶かのチョイスでは、「別に嫌いじゃない紅茶」よりは、いつも「好きなコーヒー」の方を選択するし、お茶を飲むなら緑茶を飲んでしまうので、紅茶の入り込む余地がないのだ。
国際線の飛行機で、フライトアテンダントのお姉さん、あるいはおばさんが、飲み物をサーブしに廻ってきてくれると、私はほぼ自動的に "coffee, please" と頼む。何しろ、私は こちらの記事 で告白しているように、飲んだり食べたりするものを選択するという行為が、ものすごく苦手なのだ。だから、いつも決まり切ったものしか注文しない。
ただ、帰りの機内での最後のサービスだと里心がついてしまっている頃なので、つい "Japanese tea, please" と頼んじゃったりしてしまう。まあ、私の選択のバリエーションなんて、この程度のものなのだ。
ちょっとネット上で調べてみたら、昨年 4~5月にアメーバニュースがネット上で行った「コーヒーと紅茶、どちらが好き?」という投票企画の結果が発表してあって、それによると、51%対49%という僅差で、コーヒー派が上回ったそうだ。
その投票企画の結果記事には、コーヒー、紅茶、それぞれを好きな理由というのが紹介されていて、これがちょっと面白いので、以下に引用しておこう。
「コーヒー」と答えた人の理由として、「軽い麻薬」「日常すぎてこれしか考えられない」「香りが良い」「眠気覚ましに一杯」「甘くないから!!!!」「にがみがいい!」「むくみがとれる気がするから」「中毒だから」「黒いから」「紅茶入れるのめんどくさい。茶殻の始末もイヤ」「うんちがすぐ出るから」「男は黙ってコーヒーだ」という声があった。
一方「紅茶」と答えた人は(中略)「お茶が好きだから」「崇高な紅茶様をドブ水と比較するんじゃない!」「コーヒーは息がくさくなる」「コーヒー飲めないので」「あややがCMしてるから」「コーヒー苦い」「コーヒー飲むと夜眠れなくなるから」「おしゃれ」「コーヒーは胃がもたれます」「男は黙ってアッサムのストレート」と理由を挙げている。
「紅茶入れるのめんどくさい。茶殻の始末もイヤ」という回答は、「こいつ、インスタントか缶コーヒーしか飲んでないな」というのがばれる。レギュラーで飲んだら、コーヒーだって出しがらが出る。
ただ全体的なトーンとして、コーヒー派は「コーヒー飲むのが日常」と「苦みがいい」というややハードボイルドな理由に集約され、一方、紅茶派は「コーヒー苦手だから」と「紅茶の方がおしゃれ」という、ちょっとソフトな理由に大別されるように思われる。
こうしたコーヒーと紅茶のイメージについて、私は 3年半前に「英国人の紅茶離れ」というエントリーに、「紅茶は上品でコーヒーは庶民派みたいな感覚があるが、もとはと言えば、それは英国の負け惜しみだったという説がある」と書いている。
詳細は面倒だから、元記事に飛んで読んで頂きたいが、要するに、英国は 18世紀のコーヒー利権争いでオランダに負けたので、仕方なく、ここ、敢えてもう一度繰り返すが、仕方なく、インドから大量に入ってくる紅茶に乗り換えたということである。
で、この説について私なんぞは「さもありなん、そりゃ、コーヒーの方が美味しいもの」と、あっさり納得してしまっているわけなのだ。紅茶派には申し訳ないけど。
世の中には、いろいろなものを幅広く楽しまなければ損だと思っている人がいる。しかし私は、余計なことに手を出して一番好きなものを楽しむ機会の減る方が損だと思うタイプのようなのである。
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コメント
私は「どっちも」だなぁ。
朝食で紅茶を飲み、会社に来てコーヒーを飲んでいます。外ではコーヒーを飲むことの方が多いかな。
緑茶は恥ずかしながらペットボトル飲料を飲むことが多いです。ということは、私が一番思い入れが低いのは緑茶なのかも。
投稿: 山辺響 | 2008年10月31日 09:20
コーヒーor紅茶といわれると、やっぱ、コーヒーになってしまう。コーヒーといってもインスタントです。理由は、紅茶は面倒臭い気がする。もっとも、最近はウーロン茶一辺倒ですが。
前のエントリーの缶コーヒーについては、タバコをやめてからほとんど買わなくなった。喫煙時代は、朝の通勤途中に店の前に設置してあるタバコ自販機で1箱買って、その横に設置してある飲料水の自販機で缶コーヒーを必ず買う。タバコを吹かして缶コーヒーを飲む。加齢臭にタバコと缶コーヒーの変な匂いをミックスさせて出社。これじゃ、やっぱり臭いおやじと呼ばれてもしょうがない。タバコを吸うとコーヒーが呑みたくなって、コーヒーを飲むとタバコが吸いたくなるという、ニコチン、カフェイン中毒者って結構存在するんじゃないでしょうかね。
究極の缶コーヒーは、茨城あたりが販売主流地域のMAXコーヒーだと思います。飲んだ瞬間、ビックリしました。キャラメル飲料?かと思いました。冠についてるMAXというのは伊達じゃないです。まさしく、MAXでした。
投稿: やっ | 2008年10月31日 09:41
やっ さん:
>缶コーヒーについては、タバコをやめてからほとんど買わなくなった。喫煙時代は、朝の通勤途中に店の前に設置してあるタバコ自販機で1箱買って、その横に設置してある飲料水の自販機で缶コーヒーを必ず買う。
食堂カレーと福神漬けの関係にも似た、煙草と缶コーヒーの無限ループ (^o^)
>究極の缶コーヒーは、茨城あたりが販売主流地域のMAXコーヒーだと思います。
知ってます、知ってます。茨城在住ですので、自販機なんかでもよく見ます。
飲んだことないけど。
(恐ろしくて ^^;)
投稿: tak | 2008年10月31日 10:08
山辺響 さん:
>私は「どっちも」だなぁ。
その方が多いと思います。
私は、紅茶は砂糖を加えて完成する味なんだと思っていて、飲み物に砂糖を入れる発想のない私は、自動的に選択の範囲から落ちてしまうんですよね。
妻はどうやら、砂糖を入れずに飲んでるみたいですが。
>緑茶は恥ずかしながらペットボトル飲料を飲むことが多いです。
私も、「お~い お茶」 のファンです。
ペットボトルの緑茶はいろいろ出てますが、結局これに尽きます。
とくに車で長距離運転するときは、必携です。
投稿: tak | 2008年10月31日 10:18
コーヒー、紅茶、緑茶、烏龍茶、その他(ギャバロン茶とかトンギュンチャ茶とか…)のお茶であれば、一番飲んでいるのは緑茶です。
TPO(←最近聞かないなぁ)で、ペットのクソ甘い紅茶が飲みたいとか、アメリカンをがぶがぶ飲みたいとか、あっついし~ぶい緑茶が怖いとか、ころころかわりますね。
コーヒーは、エスプレッソ苦手のアメリカン好きです。渋いのコクのはわかりますが、豆の種類を言い当てる技量はありません。
紅茶は、飲み比べれば違うということはわかりますが、やっぱり産地を言い当てる技量はありません。
緑茶は、『伊勢茶』が一番おいしいと思っていますが、産地はどこでも構いません。どこ産のお茶もおいしいと思っています。…当然産地を当てることはできません!
なるほど。嗜好品とはよく言ったもので。
投稿: 乙痴庵 | 2008年10月31日 12:41
乙痴庵 さん:
私も、コーヒーの風味の違いはわかりますが、豆の種類まで言い当てることはできません。
だって、ストレートコーヒーはあんまり飲まないから、味覚データベースに蓄積できないし。
紅茶の産地なんて、20年以上飲んでないので、さっぱりわかりません。
緑茶も、いろんなのをテキトーに飲んでるので、それぞれおいしいと思うのみです。
思えばいいかげんなものです。
ただ、ミネラルウォーターの、エビアン、ボルヴィック、クリスタルガイザーの違いはわかります。
ブレンドされてなければ、蕎麦の北海道、信州、会津の違いも、なんとなくわかります。
常陸産はまんべんなくいい感じなので、わかりにくいかも。
投稿: tak | 2008年10月31日 13:31
私が日常的に飲んでいるのは、スーパーが提供している海洋深層水と純粋をミックスした水です
食事の時や、薬を服用するときや、のどが渇いた時
レストランなどで洋食を食した後はコーヒーです
日本料理屋で食事の後は日本茶です
中華調理の後は中国茶です(鉄観音が一番うまい)
外出中やゴルフでのどが渇いた時は、日本茶かスポーツ飲料です
甘い缶コーヒーは飲みません
喫茶店に入って何か飲まなければならない時は、ふつうはブレンドコーヒー(濃いめ)(味には結構こだわりがあるかな)
暑い季節はコーラかアイスコーヒー
自宅でときどき、ミルクティーを自分で入れて飲みます
商社員時代、インドやインドネシアで給仕が出してくれたチャイというミルクを煮出した濃い紅茶で、本当はすごく甘ったるいのですが、私は砂糖無しにします
要するに私は「○○党」と言うような飲み手?ではありません
日常的には水を飲んでいると言うことになります
あえて、金を払ってまで中毒的に(笑)コーヒーを飲むことはしません
ロンドン支店にいた頃は秘書が一日何回かのティータイムにミルクティーを入れてくれました
ミルクティーは私のチョイス
ただし現代の英国人はコーヒー党の方が多い(私の知見)
客先では秘書が「コーヒーかティーか」「ミルクまたはクリーム入りか否か」を尋ねてくれます
砂糖はポットで出してきます
米国では大きなコーヒーメーカーに入っているアメリカンを大型マグで自分で飲むことになっていました
米国人で紅茶党はほとんどいない
第一、オフィスに紅茶メーカーは置いていない
中東で客先を訪問すると、ミントのお茶をおちょこのようなカップで出してくれました
おかわりはいくらでも入れてくれるので、お変わりを断る場合は、カップの上に人差し指を渡して「もう結構です」と言う意思表示をします
投稿: alex99 | 2008年10月31日 13:42
訂正
海洋深層水と純粋をミックスした水です
・・・はまちがいで
海洋深層水と純水をミックスした水です
・・・が正しい
失礼しました
投稿: alex99 | 2008年10月31日 13:45
このテーマ、盗用させていただきました
確信犯より (笑)
投稿: alex99 | 2008年10月31日 13:54
実は、私は学生時代は紅茶派でした。(その頃使っていたポットも残っているのですが)
ところが、結婚してからは、嫁がコーヒー派というのもあって、コーヒー派に転向しました。嫁は
仕事柄夜勤が多いので、どうしても紅茶よりは、コーヒーになるということでした。
確かに、眠気覚ましには、コーヒーが一番だなと思います。
あとこれは嫁の話なのですが、どうしてもお茶というときは、紅茶より濃く入れた緑茶、伊藤園
でいうところの「おーいお茶濃い味」の方が眠気覚ましになるそうです。
投稿: 雪山男 | 2008年10月31日 14:40
alex さん:
alex さんは、TPO の人ですね。
それぞれにこだわりをお持ちでいらっしゃる。
海洋深層水と純水のミックスなんて、フツーの人はやりませんよ。
(めんどうで ^^;)
>米国人で紅茶党はほとんどいない
そのくせ、米国のオフィスを訪問すると、"Do you care for coffee or tea?" なんて聞いてきますね。
紅茶を所望されたら、面倒で、内心舌打ちしちゃってるんだろうな。
投稿: tak | 2008年10月31日 16:08
雪山男 さん:
食い物、飲み物の嗜好には、配偶者の影響がかなり強いですね。
>確かに、眠気覚ましには、コーヒーが一番だなと思います。
私、どんなにコーヒーを飲んでも、バタンギュー (古い言い回し ^^;) で眠れます。
飲み過ぎて、もうカフェインも効かなくなってるみたいです。
>あとこれは嫁の話なのですが、どうしてもお茶というときは、紅茶より濃く入れた緑茶、伊藤園でいうところの「おーいお茶濃い味」の方が眠気覚ましになるそうです。
えぇとですね、ここからはウンチクです。
日本茶を入れるときは、高級なお茶ほど低めの温度で入れるといいようです。上品な甘みとやわらかみが出ます。
熱いお茶は、タンニンとカフェインがどっさり抽出されて、渋みと苦みが出すぎちゃうんですが、眠気覚ましにはなります。
投稿: tak | 2008年10月31日 16:18
またしても盛り上がってますね。
コーヒーを商売にしているので、こういう記事は目がはなせません。
皆さんに、私のこの記事をご覧いただければ、どのようなご感想をお持ちになるか、ちよっと興味があります。
「コーヒー好きは、おこげ好き」http://pub.ne.jp/IIDE/?daily_id=20070502
投稿: Mikio | 2008年10月31日 16:48
Mikio さん:
>「コーヒー好きは、おこげ好き」
思い当たりますねえ。
かっちんかっちんの黒こげは、いくら何でも困りますが、ご飯のおこげ、一種の風味として好きです。
焼き魚の皮のちりちりに焦げているところもいいですね。
塩鮭の皮なんか、大好きです。残すなんて考えられない。
もちろん、薫製も大好きです。
ただ、お茶は、以前はほうじ茶が大好きでしたが、今は煎茶にシフトしてます。
でも、言われてみると、おいしいほうじ茶が飲みたくなりました。
投稿: tak | 2008年10月31日 17:31