「やる気のスイッチ」というものがあるらしい
日経ビジネスのメルマガにあった "「やる気のスイッチ」を入れるには" というタイトルに興味を覚えてしまって、ついクリックしたら、漆紫穂子さんという人のコラムに遭遇した。
この方、品川女子学院という学校の校長さんで、この学校、近年やたらと評価が上がっているんだそうだ。
品川女子学院という学校に興味を覚えてしまった方は、学校のウェブサイト と Wikipedia の紹介 をご覧になればいいし、漆紫穂子さんの考え方に興味を持ってしまったなら、日経ビジネス Online の、彼女のコラムを全部お読みになればいい。インデックスは、こちら だ。
私は別に、学校教育を語ろうとしているわけではない。品川女子学院という学校も、漆紫穂子さんという人の名も、上述のウェブサイトで初めて知っただけで、それ以上の予備知識があるわけじゃない。ここではあくまで 「やる気のスイッチ」 を入れるための方法として挙げられている 3つのポイントについて、私なりに考察してみようと思う。
漆さんの挙げておられる 3つのポイントとは、
1) できないと思っていたことができた時
2) これはみんなのためになると思えた時
3) 自分のやりたいこと、目標ができた時
というものである。より手っ取り早く言えば、"成功体験、「誰かのために」、自分の目標" の 3つなのだそうだ。
まず、成功体験というのは本当に大切である。私はちょっと前に、"成功体験を重視する「グッピー理論」" というコラムを書いていて、そこで 「勝ち癖をつけること」の重要性について触れている。私の言う 「勝ち癖」 とは、別に相手を打ち負かすことではなく、達成感の喜びを知ることだ。
一度達成感という喜びを知ると、大抵のことはできるという気になる。心理学的にいっても、物事を成し遂げるコツというのは、「いい意味で "なめてかかる" こと」なんだそうだ。初めから「これは難しそうだ」とか「できるかなあ」なんてことは思わずに、「これくらい、できるさ」と、軽い気持ちで取りかかる方がいい。
しかし、そうした気持ちで取りかかれるようになるには、やっぱり何度かの成功体験を持っているということが強みになる。「やった!」とか「できた!」とかいう経験を何度か積むと、自信がついてしまって、「できない」なんて発想がなくなる。
それから、「自分以外の誰かのために」というのも、かなり重要ポイントである。こんなことを言うと、もしかしたら偽善ぽく聞こえるかもしれないが、人間、自分だけのために働くよりは、「誰かのため」に働く方がずっと力を出せるものである。利己的な動機だけで動くと、そのうちきっと空しくなる。
とりわけ「愛する誰か」のためというのが、最もがんばれる条件である。恋人のためとか、妻のためとか、子どものためとかとなると、火事場の馬鹿力みたいな力が出る。だったら、世界を愛してしまえばいい。世界のために働ける。
最後に、「自分の目標」というのも、案外大きい。考えてみると、私がここ何年もブログの毎日更新を続けていられるのは、「毎日更新する」ことを自分に課しているからだ。
そりゃもちろん、書くことが楽しいからでもあり、大上段に振りかぶって「目標」などと突き詰めているわけでもないが、年が変わるごとに「今年もずっと更新を続けよう」と思っているのは、「目標」と言ってもいいのかもしれない。
そして、この「目標」は、ある日急に思いついたわけではない。「ほぼ毎日更新」という状態を 1~2年続けているうちに、「いっそ、掛け値なしの毎日更新をしてみよう」と思い立ち、自然にそうなったのである。
つまり目標というのは、他から課せられた「ノルマ」だったり、自分を縛り付けるためのものだったりしてはならない。楽しんでやっているうちに、自然に湧いてくるものこそ、「励み」になる。そうでないものは「苦行」でしかない。
つまり、「やる気」のスイッチを入れるには、「やったぜ!」という喜びの延長線上にあり、それが自分だけではなく他の人たちの喜びにもつながり、それゆえに自然に「もっとやったる!」という気持ちになっていくというプロセスが理想的だと思う。
首根っこに縄附けて無理矢理に引っ張るみたいなことでは、「やる気のスイッチ」なんて、決して入らない。逆に嫌になるだけである。
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