やっぱり「既にぶっ壊れてた」 自民党
今年の 4月 29日に、「既にぶっこわれている自民党」 という記事を書き、さらに 9月 3日に 「挫折したのは福田さんじゃなく、自民党」 という記事を書いた。
10月 12日には「麻生さん、案外長持ちしちゃったりして」なんてことも書いちゃったが、それももうそろそろおかしくなってきたようだ。
私は基本的には、今の自民党はもうダメだと思っている。既に歴史的使命を終えたということに関しては、加藤紘一氏のいうことに珍しく賛成だ (参照)。
ただ加藤さんは「ねじれ国会」で、次の衆院選では自民党が 3分の 2 以上の議席を得ることが絶望的だとして、「超党派による協議が必要」とコメントしているが、部外者としてノー天気なことを言える私は、「超党派による協議」なんて生ぬるいことではなく、政界再編成につながればいいなあなんて思っている。
今、既に従来の「保守王国」と呼ばれた自民党の地方基盤はガタガタになっている。繰り返しの繰り返しになるが、"近頃「いい目」を見てなかった保守王国" という昨年 7月 30日の自分の記事から引用しよう。
田舎は最近、全然いい目を見ていないのである。大都会との格差は広がるばかりで、さっぱりいいことがない。自民党が天下を取っているうちは安心だとばかり思っていたが、どうやら、この頃の自民党は「改革」なんてきれい事を言い出して、都会志向ばかりしているように思われる。
(中略) 「改革」を推進しないことには、日本が危ない。しかし、それをやりすぎると、自民党が危ない。ある状況でうまくできすぎていたシステムは、その状況が変わると、とてつもなくしんどいことになる。
安倍、福田と続いた内閣は、ある意味、小泉政権が壊しすぎた自民党の屋台骨を修復しようとしていたように見える。しかし、小泉さんの壊し方が半端じゃなかったようで、なかなか思うようにいかなかった。とくに、手垢まみれの手法でなんとかなると思っていた福田さんなんて、まったくお呼びじゃなかったのである。
そこで、麻生さんである。新しそうで古そうで、またその間を自由自在に行き来してくれそうで、何とかなるなんてことも思わせ、事実、すぐにでも行なわれるはずだった総選挙を、とぼけにとぼけ、延ばしに延ばしてここまでやってきた麻生さんだが、「もはやこれまで的」 な状況になってきた。
おじいさん譲りのプラグマティック手法で、揺れ動きつつなんとか持って行ければなんてことも少しは期待されたが、その「揺れ動き方」が、野党の民主党のみならず、身内からの批判の種となってしまうのは、まことにもってお気の毒である。
党内掌握が全然できていない。毎晩ホテルのバーで飲んでも、全然無駄のようなのだ。一体誰と飲んでどんな話をしているのやら。
こんな風に、内部が自分の都合だけでバラバラに勝手なことを言い始めるのは、つぶれかけた会社とか、大規模リストラを目前に控えて疑心暗鬼に陥った会社とか、まあ、要するに終わりかけた組織が共通してみせる現象である。私はそんな例をくさるほど見てきた。
小泉改革で従来の自民党支持基盤がぶっ壊れ、それではあんまりだとばかりに、振り子の揺り戻しをしようとすると、今度は小泉さんの獲得した新たな支持層から見放される。どっちに振れてもマイナスにしかならないのは、やはり自民党は既にぶっ壊れているからなんだろう。
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コメント
小泉改革ってなんだったのだろう?
郵政改革って、やってよかったの?
全然わかりません
投稿: alex99 | 2008年12月 6日 20:56
alex さん:
>小泉改革ってなんだったのだろう?
>郵政改革って、やってよかったの?
>全然わかりません
私も、同じ気持ちです。
何らかの意味があるとしたら、
「これまでの自民党政治とは違うスタイルの政権を作ったことで、自民党の内部崩壊を促した」 ということでしょう。
郵政改革というのは、まあ、そのシンボルという以上の意味はないんじゃないかと思います。
私としては、「やらないよりはよかった」 とは思っていますが、「やってよかった」 とまでは思えません。
で、本当のところは、よくわからないです。
投稿: tak | 2008年12月 6日 21:27
郵政の民営化は、少なくともやろうと思えば利権にまみれた行政のあり方を民営化しちゃうことも出来るという見本にはなったような気はしますけれどもね。
自民党が壊れて、小沢さんがニコニコしながら民主党も壊して、両方からお気に入りの新保守政権を作るようなことになっていけば、やっぱり名前が変わっただけの自民党が出来ちゃうのかなぁとか想像してしまいますね。
投稿: きんめ | 2008年12月 7日 21:30
きんめ さん:
>やっぱり名前が変わっただけの自民党が出来ちゃうのかなぁとか想像してしまいますね。
名前が変わるだけでも、大したモンだと、言ってあげないことには仕方なかったりするのも、ちょっと悲しいものがあったりして…… ^^;)
ああ、政治ってぐちゃぐちゃしすぎてて、本当によくわかりません。
投稿: tak | 2008年12月 7日 23:52
民主党もそうですが、自民党も本来幅広い主義主張の派閥の集合体ですからね。
そこに権力闘争ですから。
本来、大平内閣の時一度壊れてもおかしくなかったわけで。
あのときは財界からの圧力や大平さんの死去で収斂したわけですが。
しかも、細川内閣で中小政党でも政権が取れる(むしろその方が主義主張が通りやすい
かも)前例もできましたので、おそらく一回主義主張ごとの、中小政党の乱立状態になる
のではないでしょうか。
そして、政権基盤の弱い緩い連立政権ができる。
その後、中核となる人や政党ができ再度収斂していく、というプロセスになるのではない
か、という気がしています。
全く根拠はありませんが。
投稿: 雪山男 | 2008年12月 8日 01:00
雪山男 さん:
まったく根拠はないとおっしゃいますが、かなり説得力はありますね。
問題は、自民党の議員たちに、本当に党を割るほどの根性があるかどうかということで。
でも、自民党の末期症状がますますひどくなれば、沈みかけた船から逃げ出すように、新党結成が続出するかもしれませんね。
投稿: tak | 2008年12月 8日 11:55