« ビキニのおねえさんの広告 | トップページ | 小便臭いプールで、誰が泳ぐものか »

2008年12月25日

今後のブログは「小ネタ」の勝負

ブログの世界がちょっとつまらなくなってきたと言われて久しい。私のブログも、一時の右肩上がりが続いていれば、今頃は 1日に3,000ヒットぐらいしていてもいいのだが、勢いが止まってしまっている。

この原因に近頃気がついた。これは、「大ネタ」 が語り尽くされてしまったからである。

ブログ勃興期は「大ネタ」がほとんど手つかずのまま残されていたから、多くのブロガーがそれについて熱く語ることができた。大ネタには多くのコメントがつき、それがさらに発展して、それぞれの新たなブログ記事になるという拡大再生産が行われた。

ところが今や、大ネタは語り尽くされたのである。政治問題、経済問題、社会問題などなど、いろいろな大ネタが既にいろいろなブロガーに取り上げられ、それぞれの視点から語られた。今さら何を言っても、それらの二番煎じになるだけである。

新しいニュースにしても、それに類したことは既に何度も報じられているから、個別のニュースついて論じてもいつものパターンになってしまう。二番煎じに変わりはない。あるニュースに個々のブロガーがどんな反応をするかは、読む前から大体想像がついたりしてしまう。

二番煎じだから、コメントも盛り上がらない。そうなると拡大再生産も行われない。縮小に向かうのみである。アクセスも減る。ブロガーは、ただでさえネタに困っているのにアクセスも減ってしまうのだから、書き甲斐がなくなってしまう。自然に更新頻度が減る。そしてますますアクセスが減る。

ちょっと話は変わるが、今、文学博士になるのはとても難しい。文学博士に比べれば、理学博士や工学博士は比較的容易だと言われる。それは、理工学の分野は日進月歩なので、画期的なテーマの博士論文がいくらでも書けるからである。一方、文学の世界は大ネタは論じ尽くされていて、新しいテーマがなかなか出てこないので、書きにくいのだ。

そうなると文学博士になるためには、これまであまり論じられなかったニッチなテーマを、ちまちまと掘り下げて論文を書くしかない。しかし文学を志すような人のこととて、そんなつまらないことはあまりしたくない。もっとおもしろい仕事がいくらでもある。自然、文学博士になるための論文なんて書く人が減るのである。

ブログの世界は今、文学博士論文と似たような状況になりつつあるんじゃあるまいか。論じておもしろそうな大ネタが、決定的に不足しちゃってるのである。そうなると、これからもブログを書き続けようという人は、エッジの立った洗練された小ネタを「ウリ」にする方がいいかもしれない。

それに気付かず、手垢の付きすぎた大ネタばかり繰り返していると、ブロゴスフィアは停滞してしまうだろう。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

|

« ビキニのおねえさんの広告 | トップページ | 小便臭いプールで、誰が泳ぐものか »

ウェブログ・ココログ関連」カテゴリの記事

コメント

典拠がないので口からデマカセかもしれませんが(汗)、私が文学部の学生だった頃(20年くらい前)、文学博士というのはきわめて希有な存在だったように記憶しています。

理系と違って、院に行って修士までは取って博士課程に進んでも、たいていは中退(というか単位取得修了)という形で、博士号という学位は取らないままどこぞの大学に職を見つけるというのが定番コースだったと思います。

Wikipediaによれば、1991年に文学部方面の博士号の与え方が変わったみたいですね。

投稿: 山辺響 | 2008年12月25日 11:47

山辺響 さん:

私も文学修士止まりです ^^;)
文学博士になるためには、とんでもない重箱の隅つつきを長年やらないといけないみたいでした。
ある意味、人生の時間の無駄遣いですね。

>Wikipediaによれば、1991年に文学部方面の博士号の与え方が変わったみたいですね。

文学博士に限らず、ほかの分野でも細分化されたと見えて、従来からのわけのわからん称号を統合したともいえるし、なんだか、よくわかりませんね。

投稿: tak | 2008年12月25日 12:33

>文学博士になるためには、とんでもない重箱の隅つつきを長年やらないといけないみたいでした。
>ある意味、人生の時間の無駄遣いですね。

う~ん、私は当時、「文学博士」についてはそれほど悪いイメージは持っていませんでした。

というか、修士号を取っていれば、とりあえずこの世界で研究者としてやっていくための最低限の資格があるってことで、博士号はなんというか、そのなかで名を揚げた人が「じゃ、博士論文でも書いてみるか」といった、いわば勲章的な資格(?)なのかな、という……。

むろん今は違うと思いますが。

投稿: 山辺響 | 2008年12月25日 18:32

山辺響 さん:

失礼しました。ちょっと言い方がまずかったようです。

「時間の無駄」といったのは、自分にとってのことで、既存の文学博士にはそれなりの尊敬の念を抱いていました。

確かに 「勲章」 です。

自分が勲章を得るためにこつこつやるのは、時間の無駄に思えたのでした。
限られた一生ですから、他にやることがあるように思えたわけです。
(実際問題として、やれたのかどうかは、わかりませんが)

投稿: tak | 2008年12月25日 20:12


博士号の方は、関心がありませんが (笑)

>これからもブログを書き続けようという人は、エッジの立った洗練された小ネタを 「ウリ」 にする方がいいかもしれない。

大ネタが出尽くしたからブログがもりあがっていないとの意見には、なるほどと納得したのですが
私個人はもともと受けを狙っていると言うより、自分が楽しむためや発散するために書いている、マイ・ウェイ型なので、それほど気にはなりません
だから、まだ大ネタを一生懸命書くことも多い (笑)

アクセスは少なくてもコメントをいただいた方がうれしい
対話ができますから
私のブログは対話型かも知れません

それにしても確かに、ブログは低調です
燃え尽きた人が多いようです (笑)

楽天のアクセス数上位50のブログを読んでみても、毎日読んでみたいというものは、ほとんどありません
株の解説をしてくれるあるブログぐらいかな
自動プログラムでアクセスをかせいでいるものや、自分の本の宣伝ブログや、アニメ関係のものだったりでは、読む気がしません

むしろ、個性的な女性のブログの方が面白い
(内輪話ですが、例えば朱鷺子さんやひよこさんのブログなど 小ネタかもしれませんが、女性のおしゃべりには敵いません)

tak-shonai さんのこのブログだけは毎日、何回ものぞいています (笑)

投稿: alex99 | 2008年12月26日 01:52

Alex さん:

>私個人はもともと受けを狙っていると言うより、自分が楽しむためや発散するために書いている、マイ・ウェイ型なので、それほど気にはなりません
>だから、まだ大ネタを一生懸命書くことも多い (笑)

「自分自身が楽しむためや発散するために」「マイウェイ型」 なのに、「大ネタを一生懸命書くことも多い」 というのが、alex さんの真骨頂だと思います (^o^)

「自分自身の楽しみのため」 というわけで、今日ナニを食ったとか、どこそこに行ってこんなの見かけたとか、はっきり言ってつまらんことを書いている人が多い中で、出色だと思います。

>それにしても確かに、ブログは低調です
>燃え尽きた人が多いようです (笑)

引き出しの中の材料が少なかったんでしょうかね。
日々の発見がないと、すぐに燃え尽きますね。

>むしろ、個性的な女性のブログの方が面白い
>(内輪話ですが、例えば朱鷺子さんやひよこさんのブログなど 小ネタかもしれませんが、女性のおしゃべりには敵いません)

本当にかないません。
女性は引き出しの構造が違うのかもしれませんね。

投稿: tak | 2008年12月26日 10:17

ところで、私がtakさんのブログの記事で一番好きなのは、「庄内」ネタと「繊維業界」ネタです。「関東に来て冬の気候があまりに違うのに驚いた」というのは、何度書かれても新鮮に読めます(笑)

投稿: 山辺響 | 2008年12月26日 17:05

山辺響 さん:

>「関東に来て冬の気候があまりに違うのに驚いた」というのは、何度書かれても新鮮に読めます(笑)

私自身、何度書いても新鮮ですから ^^;)

投稿: tak | 2008年12月26日 23:16

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 今後のブログは「小ネタ」の勝負:

« ビキニのおねえさんの広告 | トップページ | 小便臭いプールで、誰が泳ぐものか »