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2009年1月27日

Amazon ユーザーになった理由

私はインターネットに関しては、どっちかといえば(あるいは、いわなくても)ヘビーユーザーだと思っているのだが、Amazon で本を買ったのは、昨年の秋が初めてである。

その後、立て続けに何冊か買うことになって、遅ればせながら立派な Amazon カスタマーになってしまった。

私が Amazon を使う気になれなかったのは、本屋が好きだからである。私は外を歩いていて大きな本屋を見つけると、つい入ってしまうタイプの男である。そして、特定の本を探すでもなく、書棚を端から眺める。そして気になるタイトルを見つけるとちょっとだけ開いて中身を確かめ、気に入ればその場で買う。

買ってしまえば速攻で読む。電車の中で集中して読んで、帰宅する頃には読み終えていたりもする。いや、実はそれは過去形で語らなければならない。というのは、近頃は目が疲れて、長時間集中して字を読むことができなくなってしまったのだ。悲しいことである。だから、一冊の本を読むのに時間がかかってしまう。

そのため、常に順番待ちの本がある。以前はそんなことがなかったから、次から次に読むべき本を買う必要があったし、買った本はすぐに読みたかった。この「買ってすぐに読みたい」というのが、私をネット書店から遠ざけていた最大の理由である。

ところが最近は、買ってもすぐに読めない。今読んでいる本を読み終わらないと、次に行けない。以前は数冊平行して読むなんていう芸当も平気だったが、近頃は、そもそも目が疲れて読むスピードが遅くなったので、平行読書はしにくい。時間が経つと前に読んだ内容がゴチャゴチャになってしまったりするのだ。

それに、忙しくてあまり本屋に立ち寄ることができなくなった。いつも本屋に寄っていれば見逃さないはずの新刊書も、後になってレビューを読んだり人に薦められたりして、読んでみたくなることがある。ところが近頃は書店に並ぶ本も案外回転が速いようで、タイミングを逃すと見つからないこともある。

ネット書店は、そんな本を探すのに便利である。Amazon に行けば欲しい本は大抵見つかるし、ワンクリックで注文できるというのが、かなり心地よい。そして、買った本をすぐに読み始められなくていい。その本が届くまでに、今読んでいる本を読み終わればいいのである。

つまり、生活サイクルがネット書店向けに変わってきてしまったのだ。最近は書店で買うのは雑誌ばかりという状態になってしまっている。

ただ、いちいち店に行かなくても済むというのは、快適といえば快適なのだが、足を運んでアナログ的に探すという作業もしないと、頭の中身が妙に怠惰になってしまいそうだ。以前に比べると頻度は大幅に下がっているのだが、書店に入る習慣を捨て去ろうとは、決して思わない。

生活がデジタルに傾斜すればするほど、アナログの重要さも痛感される今日この頃である。私は、手帳と日記は手書きにこだわっていて、とくに日記は縦書きにしている。縦書きの手書きは頭の中身のねじれを矯正する効果があるような気がする。きっと、ボケ防止にもなるだろう。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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パソコン・インターネット」カテゴリの記事

コメント

 なんだか、読みながらうんうんと頷いてしまいました。

 私も本屋が大好きだったタイプで、大きい本屋の棚を眺めて歩くのは、これはamazonで本を買う行為とは明らかに違いますよね。目的地に向かって乗る電車と、ぶらり旅での途中下車との違いぐらいに。
 amazonは便利でとてもいいのですが、本屋での思いがけない本との出会いみたいなワクワクドキドキ感までは体験出来ないですからね。

投稿: きんめ | 2009年1月27日 13:54

きんめ さん:

>大きい本屋の棚を眺めて歩くのは、これはamazonで本を買う行為とは明らかに違いますよね。目的地に向かって乗る電車と、ぶらり旅での途中下車との違いぐらいに。

うまいたとえですねぇ。
座布団三枚!

投稿: tak | 2009年1月27日 14:48

私もAmazonユーザーです。もう10年以上になりますが。
以前仕事の都合で、山間の町に引っ越したことがありまして、規模の大きい書店がない
状況になってしまったのでそれ以来のAmazonユーザーです。

でも、やっぱり本屋さんは良いですよね。
私も普段あまり本屋さんに行く機会がないのですが、行くと何かしら見つけて買って
しまいます。

特に旅行の時なんて、列車の待ち時間の間に駅ビルの本屋さんによってしまって、
旅行から帰ると本が増えている、というパターンが多いです。(特に鬼平犯科帳の
ような短編文庫本は旅行の時買ってしまいます。)
ということで、自分の書棚の本には、「そういえばこの本はどこそこで買ったな
あ。」という本が多かったりします。

投稿: 雪山男 | 2009年1月27日 16:18

こないだマンガの「釣りキチ三平」と「ワイルドセブン」全巻セットをアマゾンで買ってしまいました。ネットがなければそんなことはできなかったし、しなかったと思います。

検索広告みたいなものに乗せられるのはいやなのですが、不覚にも「この本を探した人はこんな本も見ています」みたいな推薦にはしょっちゅう釣り上げられてます。これは「大きな本屋で平積みにしてある本をつい手にとってしまった」のと同じ扱いにするということで自分を納得させています。

投稿: きっしー | 2009年1月27日 18:40

縦書きの日記とは、おもしろいですね。
たまに縦書きをする事があると、この国の言葉は、
縦書きに適した作りになっているんだなぁと感じます。
英語を縦書きする程には、日本語の横書きには違和感も感じませんが、
縦に記していくとひらがなが特に書きやすく感じます。

デジタルに親しみやすい国民性は、
実は対極のアナログなゆったりとした時間が心の底に流れていて、
バランスを取っているからなのかも知れないなぁと、ふと思いました。

投稿: 夜の指揮者 | 2009年1月27日 20:20

雪山男 さん:

>でも、やっぱり本屋さんは良いですよね。

本屋さんにはいわく言い難い吸引力がありますね ^^;)

>特に旅行の時なんて、列車の待ち時間の間に駅ビルの本屋さんによってしまって、旅行から帰ると本が増えている、というパターンが多いです。(特に鬼平犯科帳のような短編文庫本は旅行の時買ってしまいます。)

あはは (^o^)
わかる気がします。
駅ビルの本屋さんもまた、魔物ですね。

旅行の時はちゃんと本を持っていかないと、必ず途中で増えます。

投稿: tak | 2009年1月27日 21:41

きっしー さん:

>こないだマンガの「釣りキチ三平」と「ワイルドセブン」全巻セットをアマゾンで買ってしまいました。ネットがなければそんなことはできなかったし、しなかったと思います。

思い切りましたね。

>不覚にも「この本を探した人はこんな本も見ています」みたいな推薦にはしょっちゅう釣り上げられてます。

アマゾンのオススメは、なかなかツボを心得ていて上手ですよね。システムの勝利といえば言えるんでしょうが。
用心しないと散財しちゃいます。

投稿: tak | 2009年1月27日 21:51

夜の指揮者 さん:

>縦書きの日記とは、おもしろいですね。
>たまに縦書きをする事があると、この国の言葉は、縦書きに適した作りになっているんだなぁと感じます。

とくに歴史仮名遣いで縦書きにすると、タイムトリップしちゃいそうです ^^;)

巻紙に筆で書けたらいいなあなんて思いますが、それはちょっと無理です。

>デジタルに親しみやすい国民性は、
>実は対極のアナログなゆったりとした時間が心の底に流れていて、
>バランスを取っているからなのかも知れないなぁと、ふと思いました。

王貞治氏が、ゴルフの時は右打ちなんだそうです。それで体のバランスを取ってるんだそうで。

ふと思い出しました。

投稿: tak | 2009年1月27日 21:56


○ 眼が悪くなって読書能力が低下して残念なところは同じです いや、もっとひどい (笑)

○ もちろん本屋派でしたが、そのうちに古本屋派になり、いまはアマゾンのヘヴィーユーザーです

○ 本屋・古本屋では「出会い」ですね 意外な出会いもあるが、その本屋・古本屋の在庫以上のものは無い

○ アマゾンでは、的確なキーワードをインプットして、まだその存在を知らなくても存在するという、しかるべき書物をピンポイントに近い感じで探し出すことが出来るようになりました
これは本屋では出来ない業です
ただ、これは恐ろしく金食い虫の業です(涙)

○ 私が自慢できる唯一の能力は、買った本に駄本?が無いことです
買ったけれど全くダメな本だった・・・という事はほとんど無い
ブック・ハンティングの嗅覚はあるようです

投稿: alex99 | 2009年1月27日 22:19


恐縮ですが無許可で (笑) 私のブログに引用させていただきました

投稿: alex99 | 2009年1月28日 00:07

alex さん:

Amazon が黒字転換したのは、世界中に金食い虫を蔓延させたからだとわかりました。

下手すると、リアルの本屋に 5回立ち寄ったぐらいの買い物を、わずか数分でしちゃいそうですね。

しかも、本というのは 「無駄遣いしてしまった」 という反省をしにくい商品であるというのがミソです。

投稿: tak | 2009年1月28日 09:07

takさん

私の場合は;

・図書館で検索して借りる前の下調べ
・中古本の相場把握

でamazonを使ってます。

で、借りてきたあとどうしても欲しくなったり、オークションで安く入手できなかったりした場合にamazonで購入します。
なので利用額は少なく済んでいます。

#先方にとってはあまりイイ客ではないですね。(笑)

しかし、書籍以外の販売物も結構購入してます。
一例としては充電池。
エネループについては田舎であれば余程の特売を見つけない限りamazonのほうがお安いです。田舎では単三8本パックはなかなか2千円以下では出ないので。amazonでしたら現時点では1900円を下回っています。

キンドルが出たら、無駄遣いと思いつつも買ってしまうかも・・・(笑)

投稿: 貿易風 | 2009年1月31日 05:32

貿易風 さん:

>私の場合は;

>・図書館で検索して借りる前の下調べ
>・中古本の相場把握

おお、なかなかの堅実派ですね。

>しかし、書籍以外の販売物も結構購入してます。

Amazon は、今や何でも屋さんですからね。

>キンドルが出たら、無駄遣いと思いつつも買ってしまうかも・・・(笑)

上記の 「堅実派」 発言、取り消し ^^;)

投稿: tak | 2009年1月31日 15:27

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