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2009年2月 7日

鹿児島県の阿久根市に注目

鹿児島県の阿久根市という小さな市が、ズブズブの状況になっているらしい。昨年 9月に当選したばかりの竹原信一市長に対し 「全国に阿久根の恥をさらした」 として提出された不信任案が、なんと市議会の全員一致で可決。

それを受けた市長側は、市議会解散で応戦する模様で、もう泥仕合の様相だ。(参照

前々から「選挙に Web を使わせろ!」なんていう孤独かつユルユルのキャンペーンを続けているものとして、選挙期間中にブログの更新をして当選してしまった市長がいるというニュースには、ちらりと興味を覚えていた。それがこの竹原信一市長である。

当初は、「ほほう、思い切っちゃったね。でも、あんまり田舎過ぎておとがめがないのかなあ」なんて、呑気に考えていた。ところが、そのうち穏やかでないニュースが飛び込んできた。この市長が、自分のブログで市議会議員全員の名前を挙げ、「最も辞めてもらいたい議員は?」と不人気投票を始めたというのである (参照)。

「こりゃまた、ずいぶんなお騒がせ好きな人だなあ」と、私は驚いた。いくら何でも大人げない。地方自治体の首長として、やるべきことじゃない。

ところがちょっとずつ事情を探ってみると、そこにはまさに、ズブズブの状況があるらしいことが見えてきた。

竹原氏はさるさる日記で、「住民至上主義」というタイトルのブログを運営している。それを読むと、竹原氏の言動もある意味ストレート過ぎるが、それに対抗している市議会・市役所職員の連合軍も、小さな市の小さな利権にあぐらをかいているように見える。

この阿久根市というのは、Wikipedia で調べたら、人口わずか 23,731人 (今年の元日現在) という小さな市である(参照)。ちょっと前までなら、これより人口の多い村がそこら中にあった。年齢構成をみても、20~30歳代が極端に少なく、70歳代はその倍ぐらいいるという、典型的な年寄りばかりの地方都市である。

普通の発想なら、あの平成の大合併で近隣市町村と一緒になっていただろうという規模の自治体である。そうはならなかったというところに、いろいろととぐろを巻いた問題があるのかもしれないなどと、よそ者の気楽さで想像したりする。

私がこのつくばの地に引っ越してきたのは、28年前、ここがまだ「村」 だった頃で、当時の村議会なんて、「いったい、な~にやってんだか!」と嘆きたくなるほどお寒い状態だった。近頃はかなり新住民が流入してきたせいで、少しはスタンダードに近付いてきたが。

阿久根市の場合は、新住民の流入ということも少なく、昔からの超お寒いズブズブ状態がずっと継続中のようなのだ。そこに、変わり者の竹原氏が登場して、思いっきりやりたい放題やり始めたので、利権の上で呑気に胡座をかいていた議会と市役所は頭に来ちゃってるみたいなのである。

こうした状況は、阿久根市ばかりのものではない。ちょっと間違えば日本中で発生してもおかしくない。ただ、他の自治体ではそこまで変わり者の首長が誕生していないだけである。

阿久根市の場合は、議会を解散して出直し選挙になり、選挙後に新たな市議会が再び市長不信任案をつきつけることが確実である。3月に行なわれるという選挙で、竹原支持派の新人が数人当選したとしても、多勢に無勢、不信任案はやはり可決されるだろう。

すると今度は市長選挙である。その頃には、鹿児島の小さな市に過ぎなかった阿久根市が、日本中の注目の的である。この派手な舞台では、これまでのみっともないズブズブ状態がどんどん暴露されちゃったりして、日本中におもしろいインパクトを与えることになるだろう。

そのあたり、私は気楽な部外者として注目している。阿久根市の守旧派の人たちも、今や状況は「コップの中の嵐」ではなくなりつつあることをしっかり認識して、ふんどしを締めてやってもらいたいものである。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

ブログ楽しく読ませてもらっています。

ちょっと話題になってますがこの市長はちょっと陰謀論が好きすぎるんじゃないかなあと思います。

http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20090115

まあやっぱり変わった人なんでしょうね。

関係ない人間としては、どう転んでも面白そうなので今後の展開に期待してしまっています。

投稿: Sync | 2009年2月 7日 17:04

Sync さん:

リンク辿ってみました。

市長のさるさる日記は、ざっと流し読みしただけだったので、申し訳ないことに、問題のログは見落としてました。

まあ、ずいぶん変わった人ですね。

部外者には面白くなりそうですが、阿久根市民には迷惑な話でしょうね。

投稿: tak | 2009年2月 8日 08:55

以前から阿久根市の話は聞いていたのですが、とうとう不信任、議会解散というところまでいったのですね。

これは、ちょっと市長やり過ぎだろうなと思っていたのですが、選挙となると歳出が増えるわけで、一応改革派の市長さんなのですから、よけいな(しかも品のない)政争で市民の税金が無駄になったことを、深く反省すべきだと思います。

投稿: 雪山男 | 2009年2月 8日 15:00

雪山男 さん:

>一応改革派の市長さんなのですから、よけいな(しかも品のない)政争で市民の税金が無駄になったことを、深く反省すべきだと思います。

それは確かに言えますね。

投稿: tak | 2009年2月 8日 18:57

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