MS オフィスのホームユースって?
昨日はライト・ユーザーには MS オフィスなんて必要ないと書いたが、MS は MS で、ライト・ユーザーにオフィスを使わせるためのマーケティングをしているようなのだ。
家庭での MS オフィス活用のために、MS は「パワーポイントで年賀状作り」なんてことを提案している(参照)。
「タレントを使い、Office 製品の家庭における楽しみ方を動画で紹介する特設サイトをつくるなど、企業向けという Office の硬いイメージを壊す考え」なのだという。ご苦労なことである。
で、その「Office 製品の家庭における楽しみ方を動画で紹介する特設サイト」というのを探してみたのだが、簡単には見当たらないのである。MS のサイトの中から Office Online というページに行き、下のメニューから「家庭で使用される方」をクリックすると、「家庭で Microsoft Office を利用される方へ」というページに飛ぶ。
このページの下の方に「家から学習する」というメニューがあり、試しに「Office Online トレーニングを見る」というのをクリックしてみる。表示されたのは「Office Online 無償トレーニング コース」というページで、ようやくここに、いろいろなトレーニング動画を見られるメニューが並んでいる。
試しに「人気のトレーニング」として紹介されている「Access と Excel の使い分け」というのをクリックしてみよう。すると、突然ナレーションが流れ始める。「次へ」のボタンをクリックすると、やっと動画が始まるが、「家庭で利用される方へ」という割には、結構小難しい内容だ。
断言するが、業務で MS オフィスを使ったことのない家庭の主婦がこの動画を見ても、半分以上は途中であきらめてしまうだろう。
そして、そのトレーニング動画の 2番目の画面は「データを複数のテーブルに分類したのがリレーショナル構造」というもので、これだけでも結構専門的な話になるのに、画面に表示されるのが「得意先」と「受注」という 2つのテーブルなのである。
「得意先」と「受注」だと!? 何だ、「家庭で利用される方」向けじゃないじゃん! そもそも家庭で Access を使う機会なんて、滅多にないだろう。
これらのトレーニング動画は、上述の「タレントを使い、Office 製品の家庭における楽しみ方を動画で紹介する特設サイト」とは違うのかもしれない。タレントなんて出てこないし。しかしそれならば、そのせっかく作った「特設サイト」って、どこにあるんだ? わけがわからないのである。
というわけで、MS オフィスはあくまでオフィス向けと考えた方が無難なようなのである。そもそも年賀状を作るためにパワポを買う人なんていない。年賀状を簡単に作りたかったら、日本には昔からそれ用に特化され、かゆいところに手が届くような住所録付きで、値段も手頃なソフトがいくらでもあるのである。
オフィスを家庭で使ってもらうためには、冠婚葬祭などに使えるいろいろなテンプレートを充実させるのが早道のように思われるが、そんなものは、今どきはネットで検索すればいくらでも見つかる。家庭用とか学生のレポート・論文執筆用なら、 OpenOffice.org で十分すぎるぐらいだろう。
MS のホームユース向けマーケティングは、悪あがきのように見えてしょうがない。
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