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2009年3月10日

小沢さん、さっさと辞めなきゃ

民主党の小沢代表が、「政権交代のためには衆院選で勝利を得なければならない。今後の行動の基準はその点に物差しを置いて判断したい」と、党本部の記者会見で述べたと報じられた。(参照

現時点での辞任は否定しているが、その可能性を自ら認めたと受けとめられている。

私は遅かれ速かれ、小沢氏は代表を辞任しなければならない状況に追い込まれるとみている。だったら最初から虚勢を張らず、辞任しておけばよかったのだ。私は 3月 5日の記事でも書いているとおり、昨年 6月に、西松建設の外為法違反容疑が明るみに出た時点で、小沢氏は健康問題などの適当な理由で辞めておけばよかったのだと思っている。

私はちょっと前までは、「政策理念的には、小沢一郎という人にはある程度共感している」と書いていた。「というか、彼のいう 『普通の国家』という理念には、総論的には反対することが難しいという、それだけのことなのかもしれないが」という但し書き付きでだが (参照)。

ところが最近は、彼の言うことに総論的に賛成することもできなくなってきていたのである。野党第一党のトップとして、いくら自民党の政策への対案的なことを言わなきゃならないにしても、あまりにも現実無視で言うだけ言ってみる的なことが多すぎるようになってきた。

単に、国会運営面で与党の思惑の邪魔をするためにだけ妙な反対論をブチ上げるとか、数合わせをするために、政策的には一致するはずもない連中と表面的に手を結ぶとか、嫌らしいマキャベリズムに終始するようになった。

私は、政権交代は是非とも必要と思っているが、小沢氏が首相になることには全く期待していなかった。むしろあんな人が首相になったら、結果の良し悪しは別にして、せっかく小泉さんがわかりやすくした日本の政治を、またぞろわけのわからない密室型に戻してしまうに違いないと思っていた。

小沢氏について、私が過去に書いたことを、以下に再録してみよう。

2006/04/09 の記事

(小沢氏は) 実は「大物」なんかじゃなく、田中派から竹下派に続く歴史の中で、じいさんたちに可愛がられて、楽屋裏の重要ポストをあてがわれ、背後のじいさんたち(とくに金丸さん)の威光で、強引に物事を進めた経験があるというだけのことなんじゃあるまいか。

あの頃の世の中は、政治の世界に限らず、実力者といわれるじいさんのお気に入りになれば、大抵のことはできたのである。「お前の好きなようにやってみな。何かあったら、わしが出てって口きいてやるから」ってなもんだ。

こうした構造があって、周囲としても、下手に逆らうとややこしいじいさんが出てきてやっかいなことになるとわかっているから、逆らわなかったのである。

2007/11/05 の記事

この人、影で隠然たる力をふるうタイプで、昔から表舞台に立たせてしまうとろくなことがない。ちょっと権力欲をくすぐって揺さぶりをかけるだけで、すぐに自爆する。すぐに自爆するとわかっている人を自爆させるために揺さぶりをかけるのは、案外簡単なことなのだ。

と、これまで書いたことだけで、小沢氏については既に言い尽くしているような気がする。彼は天然記念物みたいな、最も古いタイプの政治家であり、しかも若い頃に重要ポストに就きすぎたため、「ややこしいじいさん」という後ろ盾のない世界では、やりたいことを実現させる方法論をもっていないようなのだ。

今回も自爆した上に、開き直って、雪印や船場吉兆と変わらない、最も下手なリスク・マネジメントの典型を演じてしまっている。どうせ辞任しなければならないのだから、さっさと責任をとって辞めればいいのである。その方が、今後の政局もずっとすっきりする。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

小沢さん…。(の行動に対するボケ)

官房機密費目標額まで、あと少しだったのにぃぃ!

しゃーないか。元老院の指示だからね。

投稿: 乙痴庵 | 2009年3月10日 20:04

乙痴庵 さん:

うぅむ、今回のボケは難解すぎて、よぅわかりません (T_T)

投稿: tak | 2009年3月11日 00:19

takさんの意見に同感です。
小沢さんという人は、おそらく自由党(保守党分裂前)の時のように、第三局としてフリーハンドでキャスティングボートを握っているときに最大限の魅力を発揮すると思います。

与党内にいると、自説を曲げずにごねると言われるし、野党になると政権与党を目指そうとして、むりにむりをかさねるんでしょうね。
遠目の富士山という言葉がありますが、小沢さんというのはまさにそうなのではと思ってしまいます。

投稿: 雪山男 | 2009年3月11日 09:08

雪山男 さん:

>遠目の富士山という言葉がありますが、小沢さんというのはまさにそうなのではと思ってしまいます。

遠目の岩手山 ^^;)

投稿: tak | 2009年3月11日 10:00


私は反米的なスタンスの小沢が米国に刺されたといううがった見方をしています
田中角栄達と同じ運命です

ヒラリー・クリントンが今回の会談で最後の見極めをして、米国側がボタンを押した
日本には CIA のエージェントないしは協力者は一杯いるのですから


投稿: alex99 | 2009年3月11日 13:08

alex さん:

>私は反米的なスタンスの小沢が米国に刺されたといううがった見方をしています
>田中角栄達と同じ運命です

>ヒラリー・クリントンが今回の会談で最後の見極めをして、米国側がボタンを押した

その記事、読ませていただきました。
確かに、タイミングとしてはぴったりですね。

ただ私としては小沢さんの 「反米」 「国連主義」 は、ポリティカルな方便で、確信犯ではないと思っているので、どうなのかなあと思ってしまいます。

方便でも口に出した以上は 「邪魔者」 というなら別ですが。

投稿: tak | 2009年3月11日 14:25

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