のほほんとシュガーレス
食工房の mikio さんのブログに、「ノーシュガーです」というとてもおいしそうなお菓子の写真入りの記事がある。
どれもみな砂糖を使わないで、素材のもつ自然の甘味だけでお菓子のおいしさを作りだしている。こういうのを食べると、砂糖の甘味って、かなりしつこいものなのだとわかる。
「ノーシュガー」とか「ノンシュガー」とか「シュガーレス」について、ひいき目のことを言ったり書いたりすると、ちょっとびっくりするような批判を浴びることがある。こういうのって、とても欺瞞的なことと思われることがあるようなのだ。
「砂糖不使用を謳っていても、糖類全般を使用していないわけではない」とか、「砂糖を使わなくても、どうせ人工甘味料をたっぷり使用している」とか「砂糖不使用がダイエットに即結びつくわけではない」とか、「砂糖は頭を使うときのエネルギーになる」とか、いろいろなことを言われてしまうのだ。
そして、「砂糖不使用なんて欺瞞的。素直に砂糖を使えばいいのだ」と言わんばかりの結論にもっていこうとされてしまう。
しかし、私は別に、砂糖を使わないくせに他の糖類を使ってまで甘味を得たいと思っているわけでもなく、砂糖を控えればダイエットできると思っているわけでもなく、砂糖を使わずに頭をフル回転させたいと思っているわけでもない。
要するに、「砂糖なんて使わなくても、おいしいものって作れるよね」とか、さらに進んで「のほほんとおいしいものに、なんでまた砂糖なんてしつこいものを加えて、せっかくの『のほほん』風味を害する必要があるのか」とか思っているだけなのである。
スペックとしての「ノンシュガー」にこだわって、それを追い求めているわけじゃないので、甘味を得るために砂糖の代替として蜂蜜やみりんや甘味料を使おうなんていう気にもならない。ただ自然に「砂糖って別に要らないよね」と思っているのだ。
この問題で思い出すのは、大学に入って上京し、独り暮らしを始めた頃のことだ。独り暮らしだから、自炊しなければならない。それで、独り暮らし用の料理の作り方の書かれた本を買ってきた。その本に紹介されたレシピのほとんどは、調味料として多少の砂糖を加えることになっている。
初めの頃は何にもわからないから、書いてあるとおりの量の砂糖を加えて作っていた。ところが、そうして作られた料理の味には、どうにも馴染めないのである。なにしろ甘ったるすぎなのだ。そう感じてから、加える砂糖の量をどんどん減らしていった。
例えば大さじ一杯の砂糖を加えると書いてあったら、小さじ一杯にする。小さじ一杯だったら、ほんの一つまみにする。ほんの一つまみと書いてあったら、いっそのこと全然なしにする。そうしているうちに、「砂糖なんて要らないじゃん!」という単純なことに気付いたのだ。
大抵の料理(甘煮とか佃煮とかは除く)は、買ってきた料理本に書いてあるレシピを無視して、砂糖なんて全然加えなくても十分においしいのだ。それに気付いたものだから、最初に買った砂糖(1kg 入りの袋)は、半分ぐらい消費してから全然減らなくなり、棚の奥でガチガチに固まって 3年ぐらい後に捨てられた。
それ以来、私は白砂糖というものを買ったことがない。我が家の台所にも、来客用のコーヒーシュガーを別にすれば、白砂糖はない。いや、探せばどこかにあるのかもしれないが、少なくとも日常の料理で使うことはない。使わないから買わない。買わないから使わない。
砂糖の使用を推奨する立場の議論は、基本的に「甘味を得るには、素直に砂糖を使うのが一番」ということに帰結するように思われる。しかし私の立場は、その基本的前提の「甘味を得るには」というのが要らないので、話がすれ違うのだ。
「だって、砂糖なんか使わなくても、ちゃんと甘いじゃん」で済んでしまうのである。「なんで、これ以上甘くするの?」ということなのだ。だから、余計なものを金出して買うこともない。単にそれだけの話なのである。
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コメント
私は日頃砂糖を普通に摂取するタイプなのですが,この記事にはなんだか納得です。
砂糖に限らず過剰な味付けなしでも美味しいものは美味しいですものね。
この国も産地偽造を非難するだけでなく,行政レベルで素材の向上に取り組めたら!と思ってしまいます^^;
イタリアやフランスが羨ましい~。
…それにしても何故米国のお菓子類は決まって極度に甘いのでしょうね?;
(歯と顎が溶解しそうな風味でした)
投稿: じゃむ | 2009年4月29日 23:18
私はコーヒーや紅茶を飲む時なども、砂糖を入れないで飲みます
昔からです
嗜好の問題なのですが・・・
私は昔、海外で砂糖精製(SUGAR REFINERU)工場の建設に従事していたことがあります
砂糖の材料はサトウキビやテンサイ(砂糖大根)です
その汁を黒砂糖(原糖)にして、さらに遠心分離器にかけ、化学物質処理を経て、無理に精白された、天然にはない純粋な化学物質としての糖分(炭水化物)に変貌させます
サトウキビ汁やテンサイが持っていたビタミン・ミネラル、その他の成分は除去されます
人類は純粋な化学物質を摂取する身体になっていませんから、摂取の結果、いろいろな問題点が出てきます
「精白白砂糖」のような化学物質的食品が他にもありますが、摂取しないように注意してください
黒砂糖などは大丈夫だと思います
投稿: alex99 | 2009年4月30日 00:24
そういえば、うちも砂糖はあまり使いませんねえ。使うのは煮魚と炒めものぐらいですかね。
煮魚は多すぎると思うぐらい砂糖を入れたほうがおいしいような気がします。
炒めものに砂糖を少し入れるのは中華料理屋ではふつうにやっていることだそうですが、甘くするためというより、たぶん砂糖がカラメル状になって苦みとコクが出るからなのだろうと思っています。
投稿: たんご屋 | 2009年4月30日 07:45
拓明さん alex99さん
お砂糖への考え方や精製への知識ありがとうございます。甘党派ですので、気を付けます。
と言うことは拓明さんはスプーンはめったに使わないのでしょうか。
紅茶やハーブテイーにも蜂蜜など入れないのでしょうね。参考のためお聞きしました。
投稿: keicoco | 2009年4月30日 09:25
我が家は和食中心なので、どうしても煮物を作るときには砂糖が必要ですが、コーヒーなどほとんど入れませんね。
一度、販売されているペットボトルの飲み物なみに甘くするには、どのくらい砂糖を入れるのかって紅茶で実験をしたことがあるんですが、本当にびっくりするぐらい入れなくてはならないんです。
しかし、ノンシュガー、低カロリーってなっているので、「え、じゃこの甘さは何?」と驚いた記憶があります。
世界的にみて、日本人は繊細な味付けを好む方ですが、もう少し過剰な甘さとか、香りってなくてもよいかなと思っています。
投稿: 雪山男 | 2009年4月30日 09:27
じゃむ さん:
>この国も産地偽造を非難するだけでなく,行政レベルで素材の向上に取り組めたら!と思ってしまいます^^;
私としては、こうしたことは民間レベルの差別化訴求としてやればいいんじゃないかと思っています。
「安いけど味はそれなり」というのと、「ちょっと高いけどおいしくて安全」 という商品のどちらを選ぶかは自己責任ということで。
ただ、国が保証するのは最低限の安全性でいいと思いますが、悲しいことに、それがまるでいい加減です。
それから、消費者の方も 「高いけどおいしい」 じゃなくて、「高いからおいしいはず」 と思っていて、本当にわかって買っている人は少ないと思います。
(要するに、ボラれてる)
というわけで、マーケットは消費者のレベルに合ってしまうんですよね。
>…それにしても何故米国のお菓子類は決まって極度に甘いのでしょうね?
あの人たちは、少なくとも甘さに関しては舌がバカになっているんだと思います ^^;)
投稿: tak | 2009年4月30日 10:11
alex さん:
>人類は純粋な化学物質を摂取する身体になっていませんから、摂取の結果、いろいろな問題点が出てきます
>「精白白砂糖」のような化学物質的食品が他にもありますが、摂取しないように注意してください
>黒砂糖などは大丈夫だと思います
白砂糖、食塩などは、過度の精製によってできてますから、食品と言うよりは薬品に近いんじゃないかと思っています。
「トンプク」みたいなもので、日常的に摂取するものじゃないと解釈しています。
それに、過度に精製されていない黒砂糖とか、自然塩とかの方がおいしいし。
我が家はパンを作るための天然酵母を20年以上飼っているので、酵母のエサにするための精製されていない砂糖は必需品で、人間が食べる甘煮とかの場合も、こうした甘味料を使ってます。
投稿: tak | 2009年4月30日 10:25
たんご屋 さん:
>そういえば、うちも砂糖はあまり使いませんねえ。使うのは煮魚と炒めものぐらいですかね。
↑ のレスでも書きましたが、我が家は白砂糖がないので、煮物などでも黒砂糖を使ってます。おいしいですよ。くどくなくて。
>炒めものに砂糖を少し入れるのは中華料理屋ではふつうにやっていることだそうですが、甘くするためというより、たぶん砂糖がカラメル状になって苦みとコクが出るからなのだろうと思っています。
う~ん、私なら、片栗粉をちょっと入れるかなあ ^^;)
投稿: tak | 2009年4月30日 10:28
keicoco さん:
>と言うことは拓明さんはスプーンはめったに使わないのでしょうか。
私には、ティースプーンは不要というか、邪魔モノです ^^;)
>紅茶やハーブテイーにも蜂蜜など入れないのでしょうね。参考のためお聞きしました。
蜂蜜とともに供されれば、いただくこともありますけど、素材そのものの味を楽しみたいと思ってしまいますね。
苦けりゃ苦いで、その苦みがおいしいし。
投稿: tak | 2009年4月30日 10:32
雪山男 さん:
>我が家は和食中心なので、どうしても煮物を作るときには砂糖が必要ですが、コーヒーなどほとんど入れませんね。
我が家では黒砂糖を使うというのは、上のレスでも書いた通りです。
白砂糖と黒砂糖のダブルスタンダードにするより、黒砂糖で一本化する方が楽だし、おいしいので。
>一度、販売されているペットボトルの飲み物なみに甘くするには、どのくらい砂糖を入れるのかって紅茶で実験をしたことがあるんですが、本当にびっくりするぐらい入れなくてはならないんです。
甘い方が売れるから、あるいは、売れると思っているから、そんなに入れちゃうんでしょうね。
日本人の舌も、かなりバカになってきてるんでしょうね。
投稿: tak | 2009年4月30日 10:40
1970年頃の『暮らしの手帳』で、清涼飲料水に含まれる糖分を角砂糖に換算したら…、という記事を思い出しました。
コーラもサイダーも押し並べて、『おおよそ7個半』という結果だったと記憶しています。(当時は250cc缶飲料対象)
短時間に角砂糖7個半、グラムにして40グラム程度、大匙4杯のお砂糖を、じゃりじゃりいわしながら喰う!
水や香料と共にでも、厳しいというか、あほくさいというか…。
今では糖分の種類も変わってきているでしょうから、一概に上記の如くとは言えないかもしれません。
でも~!僭越ながら、昨年6月にレポートしてました。
http://ottchang-power-fx.at.webry.info/200808/article_4.html
(記事の食い物レポの下の方です…)
ルートビアは大好きさっ!
投稿: 乙痴庵 | 2009年4月30日 12:39
スンマセン。
暮らしの手帖の“手帖”の字を間違えておりました。
失礼いたしました。
投稿: 乙痴庵 | 2009年4月30日 12:47
乙痴庵 さん:
ルートビアに、45g の砂糖とは、おどろきました。
清涼飲料水として飲めるのは、もうお茶関係 (ウーロン茶とか、「おーいお茶」 とか) しかないような気がしてきました。
投稿: tak | 2009年4月30日 13:41
話題の張本人、食工房です。
takさん、思わぬところで宣伝効果を上げていただいて、恐れ入ります。
ノーシュガーは、決して多数派ではありませんが、根強い人気があります。
そして面白いのは、うちのお得意さんたちは、砂糖入りのものとノーシュガーのものと、両方ともお気に入りの方が、結構沢山いることです。
つまり、やはり、ノーシュガーはそれで一つの類別として確立しているようです。
投稿: Mikio | 2009年4月30日 19:42
Mikio さん:
>ノーシュガーは、決して多数派ではありませんが、根強い人気があります。
>そして面白いのは、うちのお得意さんたちは、砂糖入りのものとノーシュガーのものと、両方ともお気に入りの方が、結構沢山いることです。
お菓子は日常の食事というより嗜好品ですから、両方好むというのはあり得ますね。
私もアイスクリームとか、好きですから。
(多分、砂糖が一杯入ってるんでしょうけどね)
>つまり、やはり、ノーシュガーはそれで一つの類別として確立しているようです。
お菓子の中でも、普通にぼりぼり食べられるやつって感じかもしれませんね。
投稿: tak | 2009年4月30日 23:30
アメリカ人が使っていたシャンプーを借りたことが有ります。
その匂いの臭いこと(強烈ないちごの匂い)、無臭こそが最善の匂いと考えてる私は気分が悪くなりました。
なぜシャンプーにいちごの匂いなのか。味覚どころか嗅覚も破壊されてます。
缶コーヒーの過剰な甘さ、店で買う惣菜の過剰な甘さ、焼き鳥の甘ったるいたれ。
匂いも味も余分な仕事をしすぎですね。
投稿: 偽浜っ子 | 2009年5月 2日 02:37
偽浜っ子 さん:
米国は、百貨店の一階 (化粧品とかアクセサリーとかの売場) もかなり来ますね。
むっとする香水の匂いが入り交じってます。
焼き鳥のタレは甘すぎるから、通でなくても塩で食いたくなりますよね。
投稿: tak | 2009年5月 2日 17:16