素人のあさましさで言ってしまう
今回の新型インフルエンザの感染者は、高校生ぐらいの若い年齢層が圧倒的に多く、年寄りの感染者は少ないという特徴がある。
体力のない幼児と老人が感染しやすく、死亡するのもこの年齢層で多いという通常の季節型インフルエンザとは、この点が大違いというのが、興味深い。
ある年齢以上の人間は、今回の新型インフルエンザによく似たウィルスに過去に接触していて、既に免疫を得ているのではないかという見方がある。Goo ニュースの「ニュースな英語」の記事から、少し引用してみよう。
5月8日付の英インディペンデント紙によると英政府の保健当局は今月初めの時点で、若者の被害が増えそうだと警告していました。英主席医務官のサー・リアム・ドナルドソンは、若者は今回のウイルスに免疫がないようだと指摘。今回の新型ウイルスはヒト型とトリ型とブタ型の特徴をもつ交雑型。もしかしたら一定の年齢以上の大人は、今回のウイルスのヒト型部分がよく似たウイルスにすでに接触済みで、そのため免疫ができているのかもしれないというのです。
ワシントン・ポスト紙などによると、1918年に5000万人以上が犠牲となった悪名高いスペイン・インフルエンザ(スペイン風邪)のケースでは、死者の半数近くが20~40歳で、死者の95%以上は65歳未満でした。当時、高齢者の犠牲が少なかったのは、1885年ごろに流行した類似ウイルスに接触していた世代は免疫ができていたからではないかと言われている。そして今回も、同じような現象が起きているのではないかというのです。
ということで、私は、「今回の新型ウイルスはヒト型とトリ型とブタ型の特徴をもつ交雑型」という件を読んで、たまげてしまった。前にも書いたように、初めて「鳥インフルエンザ」という言葉を音で聞いた時、私は "tri-influenza" と思いこんで、「三種混合の三倍怖いインフルエンザ」だと誤解してしまった (参照)。
それで、「鳥インフルエンザ」はいつの間にか、私の中で「トリプルエンザ」という略称になってしまい、「豚インフルエンザ」はそれに釣られて「トンプルエンザ」となった。それが「新型インフルエンザ」になるや、さらに「シンプル円座」という究極形になってしまっていたのだった。
ところが、この「シンプル円座」こそが、ヒト型とトリ型とブタ型の3つの特徴を併せ持つ「トリプルエンザ」そのものだったとは、知るよしもなかった。世の中、本当にわからないものである。
私は素人のあさましさから、あっけらかんと思ってしまうのだが、免疫のない若い世代は、今の内にウィルスに接触して免疫を得てしまうというのは、どうなのだろうか。普通にしていれば死ぬ確率は低く、案外早く治ってしまうようなのだから、今が免疫獲得の絶好のチャンスではないか
秋を越して冬になってしまったら、夏のうちに感染するよりちょっとしんどいことになるのではなかろうか。
関西では既に、そこら中に新型インフルエンザのウィルスが存在しているという状況になってしまっているのではないかと思う。この状況が日本中に広まるまでに半年かかってしまったら、感染者はかなりしんどい思いをするだろう。
本当に、「今の内にマスク付けないで大阪に旅行しとけ」 なんて言ったら、怒られてしまうかなあ。
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コメント
症状が軽く済む今の内にかかっておくという方法のお話。
アメリカで急速に患者が増えたのは「インフルエンザパーティー」と言うのを開いて、わざとこのインフルエンザにかかる人がいるからだと言う話があります。
ハイリスクグループの方にはこんな危険なことを考えるやつは悪魔のように感じるでしょうが、元々かの国には、水疱瘡や麻疹の免疫取得のために、子供の内にわざとかからせるという習慣があるそうです(日本にもあるか)
投稿: 蝠樂亭 | 2009年5月18日 22:38
冬には再流行がほぼ確実視されているわけで、自分も同じような事を考えてました。
というか、受験生に
「受験直前にかかると厄介だから今のうちにかかっておけ」
とか言い出す教師や塾講師なんかが現れるのではないかと。
投稿: cen | 2009年5月18日 22:54
今回の新型インフルウィルスは
3種のDNAが交雑したものではなく
4種のDNAが交雑したものです
投稿: alex99 | 2009年5月19日 07:21
たぶん、個人レベルの問題では、今のうちにかかった方が良いということも言えるのかとは思います。
問題は、感染が拡大した場合、それだけ変異によって毒性の強いウィルスの発生の可能性も高まるということではないでしょうか。
全く科学的ではないですが、地球上の人間の数(やその生態系へのインパクト)が過大になったことに対する「見えざる手」によるバランシングであるなら、若い層がターゲットとなるのは合理的ではありますね。
投稿: きっしー | 2009年5月19日 09:24
蝠樂亭 さん:
>アメリカで急速に患者が増えたのは「インフルエンザパーティー」と言うのを開いて、わざとこのインフルエンザにかかる人がいるからだと言う話があります。
"swine flu party" でググったら、18,500件もヒットしました。すごいなあ。
>元々かの国には、水疱瘡や麻疹の免疫取得のために、子供の内にわざとかからせるという習慣があるそうです(日本にもあるか)
日本ではパーティ開いてまで感染させようとは発想しないですよね。
向こうは、まずパーティ好きなんだろうなあ ^^;)
なんでもパーティを開く理由になる。
酒好きが何でも酒を飲む理由にするようなもので。
投稿: tak | 2009年5月19日 10:04
cen さん:
>というか、受験生に
>「受験直前にかかると厄介だから今のうちにかかっておけ」
>とか言い出す教師や塾講師なんかが現れるのではないかと。
あからさまには言わないでしょうが、多分暗黙の認識になってしまうでしょうね。
投稿: tak | 2009年5月19日 10:05
alex さん:
>今回の新型インフルウィルスは
>3種のDNAが交雑したものではなく
>4種のDNAが交雑したものです
クワトロエンザでしたか ^^;)
投稿: tak | 2009年5月19日 10:09
学生に学校閉鎖、自宅待機なんて言っても聞かないんだろうな。と心配していたら、案の定カラオケBOXに学生が大挙しているニュースを聞くと、アメリカのインフルパーティも決して対岸の火事じゃないなと不安になっています。学生にその思惑がなくても、インフルエンザ流行りそうです。
ということは、やっぱり医薬品や物資がまだ都合のつく今のうちにかかってしまうのもありかもしれませんね。
(それに年末とか、年度末の忙しいときにかからなくてすむし。)
投稿: 雪山男 | 2009年5月19日 13:26
きっしー さん:
>問題は、感染が拡大した場合、それだけ変異によって毒性の強いウィルスの発生の可能性も高まるということではないでしょうか。
心配なのはそれですね。
>全く科学的ではないですが、地球上の人間の数(やその生態系へのインパクト)が過大になったことに対する「見えざる手」によるバランシングであるなら、若い層がターゲットとなるのは合理的ではありますね。
人間の数を減らすには効率がいいですよね。
老人は放っておいても近く死ぬんだし ^^;)
投稿: tak | 2009年5月19日 16:01
雪山男 さん:
>学生に学校閉鎖、自宅待機なんて言っても聞かないんだろうな。と心配していたら、案の定カラオケBOXに学生が大挙しているニュースを聞くと、アメリカのインフルパーティも決して対岸の火事じゃないなと不安になっています。学生にその思惑がなくても、インフルエンザ流行りそうです。
そんなもんですね。
自然の摂理であります (^o^)
投稿: tak | 2009年5月19日 16:03
>普通にしていれば死ぬ確率は低く、案外早く治ってしまうようなのだから、今が免疫獲得の絶好のチャンスではないか。
新株引受権ですね(笑)
何にせよもう日本中に広まってしまいそうな勢いなので、かかるときはかかる、くらいにのんびり構えてます。普通の風邪と違って症状がきついのが嫌ですが…。
投稿: ぐすたふ | 2009年5月19日 21:22
ぐすたふ さん:
>新株引受権ですね(笑)
値上がりしそうなら、早めにさっさと入手する。
潰れてしまいそうなら、近づかない。
ということでいきましょうか (^o^)
投稿: tak | 2009年5月20日 08:46