政治家の世襲について
選挙の話題のついでに、「世襲制限」について、ちょっとだけ書いておきたい。自民党も民主党も、議員の「世襲」には一定の制限を設けるという方針のようだ。
私は「勝手にやれば?」という立場である。そもそも国会議員なんてうっとうしい仕事には、それほど魅力を感じていないから。
「世襲」なんて言うから、なんだか代々で利益独占みたいなイメージに映るが、私からみると、国会議員なんていうのは、親の仕事を継ぐというようなことでもなければ、新規参入したいと思うほどの仕事じゃない。あんなものは、代議士の息子/娘に押しつけておけばいい。
代議士なんて、そもそも金がかかる。かかる金はどっかから都合してこなければならない。まともな手段だけでは足りないだろうから、法の網をかいくぐってでもなんとかしなければならない。ストレスの溜まる話である。
さらに、政治の世界は権謀術数の世界だから、のんびりしていられない。この点でもストレスが溜まり放題になる。はたまた公っぽい性格が強いというか、公そのものの仕事だから、自分のプライベートな時間を取りにくくなる。これまたストレスである。
そしてまた代議士でいる間はいいが、落選してしまったら「ただの人」である。代議士の息子なら、地元の名士だからまだなんとかなるだろうが、フツーの人がたまたまうまくいって国会議員になってしまい、その後にあっさり落選してしまったら、目も当てられない。
そんなリスクの高い業界に新規参入しようという人は、なかなかいないだろう。それに政治家よりもおもしろそうな仕事は、世の中にいくらでもある。うっとうしくて割に合わない仕事は、本当に本当に、代議士の息子/娘に押しつけておきたいと、個人的には思うのである。
まあ、市会議員とかなら、まだフツーの人でもやれるかもしれないけど、私はそれでも御免こうむりたいと思う。
だが、中には身内に政治家なんかいないのに、国会議員になりたくてたまらない人もいるだろうから、そうした人たちのために、もう少し参入障壁を低くして、さらに落選してからのセイフティネットを整えてもいいかなという気もする。あくまでも、個人的には全然どうでもいいけど。
それから政治家も「家業」みたいになってきたので、他の業界でもあるように、三代目ぐらいで潰れてくれれば常に適度の循環がきくのだろうけれど、この世界は相続税とかなんだとかいうのがないみたいなので、なかなかそうもいかないようだ。
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コメント
お言葉ですが、全く賛成できません
tak-shonai さん個人が、国会議員になることに魅力を感じているかどうか?などという個人的な事情は、(失礼)ながら、どうでもいいことです
とにかく、国会議員のような仕事は、立法府は、世襲議員達に任せておけばいいなんて意見は、正気の沙汰ではありませんね
まあ、冗談なのかも知れませんが
投稿: alex99 | 2009年5月29日 16:54
alex さん:
>tak-shonai さん個人が、国会議員になることに魅力を感じているかどうか?などという個人的な事情は、(失礼)ながら、どうでもいいことです
私も、はなはだ個人的な考えとして書いていますから、そう思われるのは当然です。
で、あんまり個人的過ぎるのもどうかなと思ったので、
>もう少し参入障壁を低くして、さらに落選してからのセイフティネットを整えてもいいかなという気もする。
と、申し訳程度に書いています。
国会議員になるのが、代議士の息子/娘以外の人間にとって、あまりにもリスキーだというのは、問題だと思いますので。
投稿: tak | 2009年5月29日 18:10
たしかにリスクの高い職業だと思います。
takさんはそのリスクの高さが参入障壁になっているのがよくないとお考えなわけですよね。一方、多くの方々はセーフティーネットがむしろ過度にgenerous(歳費、公設秘書の経費、議員年金等)であるために好ましくない人物をひきつけてしまっていると見ているのではないかと思います。
前者の問題について、特に地方議会レベルの場合では、議員をフルタイムでなくしてしまえば良いという考え方があり、米国の市町村ではやっているところもあります。昼間は各自自分の仕事をして、夕方に議会を開催するわけです。もちろん、利益相反については厳しい監視が必要となります。
後者の問題に関しても、パートタイム化は効果があると思われますが、もっと簡単にできるのは議員定数の大幅削減でしょうね。
ちなみに、世襲化そのものに関し、わたしは理屈上はどうでもいいと思っています。しかし、「放り投げ」「私はあなたと違うんです」「みぞゆう」と3連発をくらった直後だけに、かなり疑問を感じています。まあ、そんなのを選ぶ選挙民や持ち上げるメディアが悪いんですけどね。
投稿: きっしー | 2009年6月 1日 11:38
きっしー さん:
>多くの方々はセーフティーネットがむしろ過度にgenerous(歳費、公設秘書の経費、議員年金等)であるために好ましくない人物をひきつけてしまっていると見ているのではないかと思います。
私は落選後のセーフティネットのことを言ってるんですが、まあ、議員年金なんかはそれに当てはまりますかね。
でも、一期ももたずに解散で落選しちゃったら、年金も雀の涙でしょうね。
実際問題として、他に職業をもちながら議員をしている人は多いですね。ただ、一介のサラリーマンは、それは無理でしょう。
(とりあえず、一介のサラリーマンが国会議員になるというのもフツーにやったらできませんが ^^;)
地方議会などで、パートタイム議員にするというのは、おもしろいですね。
>「放り投げ」「私はあなたと違うんです」「みぞゆう」と3連発をくらった直後だけに、かなり疑問を感じています。まあ、そんなのを選ぶ選挙民や持ち上げるメディアが悪いんですけどね。
それは、確実に言えますね ^^;)
投稿: tak | 2009年6月 1日 14:38