『おくりびと』の聖地訪問
昨日の夜 10時頃に酒田に着いた。渋滞のピークを避けるために、敢えて午後 3時半頃にスタートし、一般道を辿って栃木県の真岡から高速道に乗った。
福島県の郡山から二本松まで 10km ほどの渋滞に巻き込まれたが、それ以外はかなりスムーズに走ることができたので助かった。
そして、今朝 10時頃に、映画『おくりびと』で NK エージェント事務所として使われた旧割烹小幡に行ってきた。前にも書いたが、あの建物は私にはお馴染みなのだが、私が高校生の頃には既に廃墟じみた佇まいだったので、中に入ったことは一度もない。この度、映画のセットをそのまま復元して公開されたというので、これは行ってみなければと思ったのだ。
中心街である仲町から日和山公園に続く坂道を登り切る直前に、旧割烹小幡はあるのだが、坂道の下に 「NK エージェント」 と大書された看板の駐車場がある。NK エージェントは、もう酒田の企業となってしまったかのようである。そこに車を停めて坂道を上ると、見慣れた洋館風の建物が見えてくる。
この洋館風の建物の方が、映画では納棺士を派遣する NK エージェントの事務所となっている。旧割烹小幡のメインの建物はこの洋館風の右側の石段をちょっと上ったところにあって、洋館風はその昔ダンスホールかなんかに使われていたらしいのだが、私が酒田にいた頃に、既に使われなくなって廃墟のようになっていた。
右側の割烹の方が廃業してしまったのはいつのことだったか、全然記憶にない。今は NK エージェントの入り口になってしまっている。100円の入場料を払いここから入って、左側の洋館風に行く。階段を下りると、映画でお馴染みになった、あの NK エージェントの事務所だ。棺桶も三つ、ちゃんと置かれている。
小林大悟の弾いた (のと同じものかどうかは知らないが) チェロもちゃんとある。試しに弾かせてもらったが、これがなかなか難しい。私はギターなら弾けるから、ピチカートでは OK だが、弓で弾こうとするとまともな音にならない。よほど強くこすらないと音にならないのだ。
何事も、やってみないとわからないものだ。主演の本木雅弘さんは、よほど練習したのだろう。音は吹き替えでも、指の動きはしっかりと弾いているように見えた。立派なものである。
3階は、山崎努さん演じる NK エージェント社長の部屋である。小林大悟が納棺士を辞めようとした時に食わされて、辞意がうやむやになったフグの白子も、ちゃんとある。食べたくなったが、いくら何でも作り物だろう。
というわけで、今、酒田は 『おくりびと』 と、5月下旬から始まる酒田祭りで盛り上がっている。この NK エージェントが、長く保存されるように願いたい。
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コメント
takさんの記事を読んで、ますます酒田に行きたくなってしまいました。
福島からは電車で行って最短1時間ちょい、車で3時間弱だから近いんですよね。
藤沢周平作品の撮影地にも行きたいし。
そういえば、上山でも酒田同様「おくりびと」の撮影場所を公開しているようで、車で行って山形「おくりびと」ツアーにでも行こうかな。。。
投稿: 雪山男 | 2009年5月 8日 08:23
雪山男 さん:
>takさんの記事を読んで、ますます酒田に行きたくなってしまいました。
どうぞいらしてください。
私も、上山の小林大悟の自宅にも行きたかったんですが、時間がとれなくて諦めました。
投稿: tak | 2009年5月 8日 10:41