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2009年5月 1日

今年は閏 5月があるので

いやはや、早いもので、今日からもう 5月である。明日は八十八夜で、5日は立夏。わけのわからないうちに、初夏になってしまう。

旧暦では今日は 4月 7日で、このところ、旧暦と新暦の差が 1ヶ月ない。なんとなく 1ヶ月半ぐらいの差があるのが普通というイメージなので、今のところは差が極端に小さい。

日本の季節感は、新暦より旧暦の方がより実感的に反映する。そして、新暦旧暦の差が 1ヶ月を切っているということは、今のところの季節の移りは早いんじゃなかろうか。移行期の春は、暖冬の帳尻合わせで季節感が行ったり来たりして混乱状態だったが、多分夏は早いだろう。

その上、今年は閏(うるう)月の年で、旧暦では 5月が 2度ある。新暦の 6月 23日から 7月 21日の、ほぼ 2ヶ月間、旧暦ではずっと 5月(5月と閏 5月)なのである。旧暦が進みすぎなので、閏月を入れて調整するのだ。この帳尻合わせで、旧暦の季節感が維持される。

旧暦 5月といえば、梅雨の時期である。五月雨というのは、元々梅雨時の雨のことで、五月晴れとは、本来梅雨時の晴れ間のことを言う。近頃では新暦 5月、つまり初夏の晴れ渡った天気のことを五月晴れというようだが、それなら「ごがつばれ」と言ってもらいたいと、私は思っている。

話が飛びかかったが、今年、旧暦 5月が 2度あるということは、五月雨、つまり梅雨も長引きそうだということだ。旧暦の閏月というのは、単に暦の上の帳尻合わせに過ぎないように思えるが、実はきちんとした計算のもとに設定されていて、不思議に実際の季節感とよく連動する。

夏に閏月のある年は猛暑で、冬に閏月のある年は厳冬だったりする。3年前に閏 7月があった時は、新暦 7月 (旧暦 6月頃で、つまり梅雨時) は長雨で日照不足だったが、8月以後(つまり旧暦 7月以後)に急に暑さが厳しくなり、それが延々と続いた。旧暦 7月がいつもの倍あったのだから、秋の深まりが遅れてしまったのもしょうがない。

今年の 7月までの関東甲信越地方の季節予報をみると、気温は高めの確率が 40%、平年並みが 30%となっている。合計 70%で、平年並みか高めになる可能性が高いということだ。そして降水量はおおむね平年並みとなっている。

ところが、気象庁の 3ヶ月予想は外れることの方が多い。実際にはその時になってみないとわからない。旧暦季節感による予想では、夏は早く来て、梅雨が長引くということになるが、さて、答えはどう出るか。

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コメント

旧暦の平年は354日なので太陽暦の平年365日と比較すると11日短い。
したがって旧暦では同月同日でも、丸三年経つと太陽暦の上では一ヶ月以上早まってしまう。
そのために19年に7回【平均2.7年に一回】の割合で閏月を入れ、縮んだ分をいっきに引き伸ばして調節するしくみだ。
今年の今日と一昨年の今日とでは、太陽暦では一月近くずれている、なんて旧暦の季節感が当てになるわけが無い。
月日が毎年一定する太陽暦のほうが、季節により忠実であることは間違いない。
旧暦時代にも農業には季節感を明確に表す太陽暦による基準を用いていた。
つまるところ季節感は暦を使う人間の感性の問題に過ぎないのでは。

投稿: ARA | 2009年5月20日 12:31

ARA さん:

>旧暦時代にも農業には季節感を明確に表す太陽暦による基準を用いていた。

旧暦時代の 「農事暦」 は、旧暦を元にしています。
ただ、旧暦というものが、太陰太陽暦でありまして、農事の基本となる二十四節気は、太陽暦に沿っています。

つまり、「旧暦」 というのは、太陽暦をも取り込んでいるんですね。

投稿: tak | 2009年5月20日 18:52

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