「ウィルスにストレスを与えない」 という発想
人間の出現以前からウィルスというのは存在しており、人間はウィルスを取り込んで進化してきたらしい。
RNA は元々ヒトの細胞に共生してしまった外部生命であり、遺伝情報をも書き換えてしまいかねないウィルスであると言われている。私の中に、外部生命がいるのである。
先日、朝の出がけにカーラジオで TBS の朝の番組を聞いていたら、東京大学名誉教授の月尾嘉男先生が、大変おもしろいことをおっしゃっていた。最近の「シンプル円座」じゃなかった(参照)、新型インフルエンザなどの騒ぎに関連して、「ウィルスにストレスを与えないことが大切かもしれない」というのである。
元々、ウィルスと人間は共存共栄してきたものである。人間の体内には、既に何万種類というウィルスがいるらしい。レトロウィルスというのは、人間の RNA として長らく体内に棲みついているらしいのだ。
この人間と共存共栄できるはずのウィルスが人間に害を及ぼす存在になるのは、突然変異して毒性を強めてしまうからである。この突然変異というのは、ウィルスがストレスを感じることで起きるという見方があるらしい。
元々、アフリカの奥地とかでひっそりと暮らしていたウィルスが、突然凶暴になってエイズになったりするのも、人間が開発を急ぎすぎてウィルスの生育環境を破壊し、多大なるストレスを与えたからではないかというのである。
うぅむ、私はこれまで、新型インフルエンザをそうした視点でみるという発想がなかった。しかし、言われてみるとかなり説得力のあるものとして聞こえてしまうのである。大いにあり得る話ではないか。
鳥インフルエンザのような突然出現した毒性の強いウィルスに対しては、さらなるストレスを与えてますます毒性の強いものにどんどん変異されてしまうよりも、なんとかなだめすかして落ち着いてもらうようにするバイオロジカルな方策ってないものなのかしらん。
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