立ち食いそば 「福ふく」 における外部経済?
関係先の事務所が移転したので、私もそれに伴って、秋葉原に通うことになった。これまでの神田からはたった 一駅離れているだけだが、秋葉原はずいぶん雰囲気が違う。
神田は新橋と似ていて、完全に 「オッサンの街」 だが、秋葉原の街を歩く人の平均年齢は、10歳は下になるだろう。
神田と秋葉原の間には神田川が流れていて、この川を境に、女性のスカート丈が 5cm は違うんじゃないかと思う。もちろん、秋葉原の方が短い。たった一駅の違いで、世界の様相がこんなにも違うとは、驚きである。
とりあえず、秋葉原の近辺で手軽に昼飯を食える店を探した。安くてそれなりにおいしいそばを手っ取り早く食える店が、そば好きの私にはぜひとも必要である。上の部類の店でなくても、昼飯としてさっと食えればいいいので、立ち食いで十分だ。ただ、ゆで麺をゆがくだけの立ち食いはいくらなんでも敬遠するが。
というわけで、この条件に合致する店が見つかったのである。秋葉原駅から昭和通りを渡ってちょこっと左に行ったところ(「ココ壱」のちょっと先)にある「福ふく」というとても小さなそば屋だ。
物静かなご主人と「昔の不思議ちゃん系」の(と言ったら怒られるかな)おかみさんの二人でやっている店で、自分たちは「立ち食いそば屋」と言っているが、ストゥールに腰掛けて食えるので、純然たる「立ち食い」というわけじゃない。
そして立ち食いそばの値段で、その辺の「食堂そば屋」の上を行くそばが食える。きっちりした細麺で、しっかりと腰がある。自信をもって断言するけど、このあたりを中心にチェーン展開している「小諸そば」なんかよりずっとおいしい。
小諸そばは何人分もまとめて茹でるので、茹でたてに遭遇すればいいが、ちょっと時間が経つと少し伸び加減になる。しかし福ふくは注文に応じて生麺を一人前ずつ茹でてくれるから、必ず茹でたてが食える。そして茹でたて同士で比較しても、福ふくの方が文句なく上だ。
種物としては、イカのげそ天そば(暖かいそばで 450円、冷たいぶっかけで 500円)がオススメのようで、一番始めに品切れになる。
私は「めっけもの」をしたと思っているのだが、この店のおかみさんは、「店の前を通り過ぎる人は多いんだけど、入ってきてくれる人が、悲しいほど少ないのよね」と言っている。多分、店構えが目立たないからなのだろう。
私はこの店をブログで紹介するにあたり、ちょっとためらったのである。というのは、下手をして昼時に来店客が増えて混み合ってしまったら、さっと行ってさっと食うことができなくなる。客が少なくて空いていてくれる方が、個人的にはありがたい。
しかし、やはりもっと繁盛してくれる方が、巡り巡って客としても末永くおいしいそばを食えるだろうから、思い切ってここに書いてしまったというわけだ。秋葉原近辺においでの際は、ちょっと立ち寄ってご贔屓にしてもらいたい。
これって、一昨日の記事にきっしーさんが付けてくれたコメントの、「外部経済」に当たるケースだろうか? この辺は疎いので、よくわからない。
(福ふくの場所などに関する情報は、こちら)
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コメント
先日、高崎駅の立ち食い蕎麦へ寄ったら箸がプラスティックに替わってました。食べにくいったらありゃしない。つまり時間がかかる。
駅の蕎麦というものはサッと食べるものだからやはり割り箸でなければいけない。エコでやってるんだろうけど思わず“割り箸はないの”と言ってしまいました。
「福ふく」は今度行ってみます。
投稿: 偽浜っ子 | 2009年5月23日 01:09
偽浜っ子 さん:
>駅の蕎麦というものはサッと食べるものだからやはり割り箸でなければいけない。エコでやってるんだろうけど思わず“割り箸はないの”と言ってしまいました。
すべらないプラスティック箸というのがいくらでもあって、実際に私は最近、あちこちで使わせてもらってます。(本当にすべらないですよ)
高崎駅の立ち食いそば屋さんが、モノの選び方を知らないだけじゃないのかなあ。
"「文系/理系」 という幻想" で、私は次のように書きましたが、これはまさにそうした典型例だと思います。
https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2009/05/post-fd8b.html
文系が情緒で 「エコ」 と思ってやっていることの中には、かなり多くの見当違いがある。それは本当のことで、文系の私がみても、「同じ金を使うなら、もっと考えろよ」 と言いたくなるようなケースが多い。これらは活動プロセスの中で柔軟に修正していかなければならない。
投稿: tak | 2009年5月23日 08:56
あ、ここは比較的おいしいですね
小諸そばは、まあ・・・・以下略
投稿: かみさん | 2009年5月26日 11:25
かみさん さん:
おぉ、福ふくをご存じでしたか。
何となく応援したくなる店ですね。
投稿: tak | 2009年5月26日 11:42
本日、秋葉原に行ったついでによってみました。
ゲソ天蕎麦を食べましたが、美味しかったですよ。
少々時間がかかるのがいいですね。
注文を受けてから麺を湯がく>ゆで麺を湯がくだけ>湯で麺を湯がいておく、の三番目を出されてがっかりすることが多い中ではポイント高いですね。
汁がちょっと濃いかなと思いましたが、全て飲み干してしまいました。ゲソ天も〇です。
投稿: ハマッコー | 2009年11月 7日 20:34
ハマッコー さん:
>本日、秋葉原に行ったついでによってみました。
すいてたでしょ ^^;)
あれだけのそばを手軽に食わせてくれるのに、不思議にはやらない店です。
店の造作の問題かなあ。
(もっと中が見通せるようにしたらいいかも)
>汁がちょっと濃いかなと思いましたが、全て飲み干してしまいました。ゲソ天も〇です。
塩分は控えめだそうです。出汁の濃さで味が出てるみたいです。
大抵の人は全部飲み干しちゃうみたいですね。
投稿: tak | 2009年11月 7日 22:11
>すいてたでしょ ^^;)
午後二時に行きましたが、先客が一人、私が出るまでに二人入ってきました。時間からしたらまあまあでしょうか。
>あれだけのそばを手軽に食わせてくれるのに、不思議にはやらない店です。
>店の造作の問題かなあ。
(もっと中が見通せるようにしたらいいかも)
店の表情に何か訴えるものがないですね。
“私の秘密のお店”
“何かうまいものを食わせてくれそう”
など何かわくわく感が一点でもあればと思いますが、色褪せた感が漂ってしまってますね。
一見客の場合、時間がなく、小腹を満たしたいと焦っていれば入るでしょうが、時間にゆとりがあれば他をさがすでしょうね。
とはいっても、私の行動範囲内にあればいいなと思わせる店でした。
投稿: ハマッコー | 2009年11月 8日 01:43
ハマッコー さん:
>店の表情に何か訴えるものがないですね。
>“私の秘密のお店”
>“何かうまいものを食わせてくれそう”
>など何かわくわく感が一点でもあればと思いますが、色褪せた感が漂ってしまってますね。
そうなんですよ。
大抵の場合、店構えを見ればうまい蕎麦屋はわかりますが、この店は、店構えを見ただけではわかりません。
実質本意過ぎるみたいですね ^^;)
投稿: tak | 2009年11月 8日 09:03