選挙カーにはもっと露骨に反応しちゃおう
衆議院総選挙は、8月中旬に公示して、8月末頃に投票となる可能性が高まってきた。既に我が家にも、急に政治家からの葉書やチラシが頻繁に届くようになっている。
ただでさえ暑苦しい時期に、あの暑苦しい選挙カーの連呼が聞こえてくるというのは、今から思いやられる。
Yahoo の意識調査で、7割以上が「選挙カーの連呼は逆効果」と反感を示し(参照)、先日の日テレ「太田総理」でも、視聴者投票の 9割近くが「選挙カーと選挙ポスターを禁止しろ」と言っている(参照)にも係わらず、公示されたら一斉にあの騒音が街に響き渡るのだろうなあ。ああ、うっとうしい。
いくら「連呼はマイナス効果の方が大きい」と言っても、候補者のほとんど全員がそのマイナスを競っているのだから、こちらとしては打つ手がないのである。というようなことを考えているところで、私の昨日の記事に、traceraser さんが、次のような、ある意味説得力のあるコメントを付けてくださった。
もしかすると政治家にとっても選挙カー巡りというのは有権者の反応を直に確認出来る機会として、時代遅れであろうと効果のほどはさておき、素朴に貴重って思ってるのかもしれないなという気もします。
なるほど、確かにそういうこともあるかもしれない。昨日の記事でも書いたことだが、自民党の山本一太氏が「家から飛び出してきて握手を求めてくる人も多い」と、(自分だけ)やたら感動的におっしゃっていたことからも、「素朴に」貴重な機会と思っているのかもしれないという気はする。それは認めよう。
そしてそう認めた上で、それならば、我々も「有権者の反応」というものを、もっと率直に示してあげる方が親切だという気がしてきたのである。我々は率直な反応を示すのに、これまで遠慮しすぎていたようだ。家から飛び出して手を振ったり握手を求めたりするだけを「有権者の率直な反応」と思われては、こちらはたまったものじゃない。
候補者が自分に都合のいい反応ばかり印象に残すというのは、非常に困ったことなのである。仕事においても、現場の率直な意見が上に伝わらない企業は滅びるのだ。日本の政治がガタガタなのは、このあたりのシステムがおかしいからでもある。
というわけで、こうなったら我々に残された手段は、空気の読めない鈍い候補者にも現場の(つまり有権者の 反応がきちんと伝わるように、多少(あるいはかなり)大げさな反応を示してあげるということだろう。そのくらいしても、罰は当たるまい。
具体的にどうすればいいのかというと、
- 街で選挙カーに出会ったら、露骨に顔を背ける
- それで通じない鈍い人には、露骨に背を向ける
- それで通じないもっと鈍い人には、露骨に耳を塞いで見せる
- 家にいて、選挙カーの騒音が近づいたら、窓をガラガラピシャンと閉める
非常に多くの人がこのくらいしてみせれば、いくらなんでも少しは空気が変わるんじゃあるまいか。いずれにしても、露骨に嫌な顔をして顔を背けるぐらいのことは、してあげる方が候補者のためにもなるんじゃないかと思う。
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コメント
小学生の時、友人と自転車で選挙カーを追いかけたら「ありがとうございます。子供たちも応援してくれています」と言われた経験があります。
投稿: naruo | 2009年6月 2日 17:08
naruo さん:
>小学生の時、友人と自転車で選挙カーを追いかけたら「ありがとうございます。子供たちも応援してくれています」と言われた経験があります。
そのくらい我田引水できないと、政治はやってられないんでしょうね ^^;)
投稿: tak | 2009年6月 2日 18:02
拙コメント取り上げていただき、ありがとうございます。
それにしても、takさん、お若いですね!(*´Д`*)
年齢的には自分の方がだいぶ年下のはずですが、このエントリー読んで「takさん若い!」と思わず唸ってしまいました(経験的な意味での若さではなく、元気だという意味で)。
ただ、この件、「有権者のマイナス反応」 がもっと表沙汰になったとしても、候補者が得たいと思っている実感(手応え、あるいは安心感と言ってもいいのかも)が埋められるわけではないので、どこかでそれを求めたくなる心理は捨てられないような気がします(そして結局選挙カー連呼しか残ってないので、そこに戻ってくる)。
個人的にはそれに代理してくれるものは、takさんがまさに言われてる「選挙に Web を使わせろ」しかないと思います。ただ、コメントもオープンにしたらしたで匿名の誹謗中傷コメントがごまんと来そうですし、それより多少はマシなトラックバックも宣伝記事の連続だったら確認する気も失せそうです。
しかし、そうした側面をもう少しきっちり整備して、オバマじゃないですが、ネットでワンクリックで個人献金受けられるようになってったら、候補者も有権者もよりリアルな実感を得られると思うんですよね。
投稿: traceraser | 2009年6月 2日 19:42
traceraser さん:
>候補者が得たいと思っている実感(手応え、あるいは安心感と言ってもいいのかも)が埋められるわけではないので、どこかでそれを求めたくなる心理は捨てられないような気がします(そして結局選挙カー連呼しか残ってないので、そこに戻ってくる)。
永遠の悪循環 ^^;)
今の公選法のままだったら、そうなっちゃいますね。
>しかし、そうした側面をもう少しきっちり整備して、オバマじゃないですが、ネットでワンクリックで個人献金受けられるようになってったら、候補者も有権者もよりリアルな実感を得られると思うんですよね。
どうしてそういうことができないんでしょうね。この国は。
それを考えると、裏淋しい気分になります。
投稿: tak | 2009年6月 2日 22:57
>非常に多くの人がこのくらいしてみせれば、いくらなんでも少しは空気が変わるんじゃあるまいか。いずれにしても、露骨に嫌な顔をして顔を背けるぐらいのことは、してあげる方が候補者のためにもなるんじゃないかと思う。
まったくその通りなのですが、普段は迷惑極まりないと思っていても、選挙カーが目の前に来てしまうと実際にそのような態度はとりにくいんですよね(^^;
takさんのようにネットでメッセージを発信する人が増えて、そのうち変わってくれるのではないかと淡い期待を抱いています。
投稿: ぐすたふ | 2009年6月 3日 00:35
ぐすたふ さん:
>まったくその通りなのですが、普段は迷惑極まりないと思っていても、選挙カーが目の前に来てしまうと実際にそのような態度はとりにくいんですよね(^^;
このケースにこそ、「みんなで渡れば怖くない原則」 を応用したいですね (^o^)
投稿: tak | 2009年6月 3日 06:21
takさん
難しいのは、我々がそういう態度を取ったとしても、それが選挙カーに反発しているからなのか、反対候補を支持している等なのかがわからないってところじゃないですかね。
役所に苦情を言っても、この手の問題は握りつぶされる可能性がたかそうだしなあ。
各選挙区ごとに、「選挙カーがうるさい」「ダイレクトメールがウザイ」等の迷惑度ランキングに投票できる非公式サイトができれば、厳しい反応が可視化される?
まあ、公職選挙法で禁止するのが一番手っ取り早いですね、やっぱり。
投稿: きっしー | 2009年6月 3日 09:34
きっしー さん:
>難しいのは、我々がそういう態度を取ったとしても、それが選挙カーに反発しているからなのか、反対候補を支持している等なのかがわからないってところじゃないですかね。
「どうやら、選挙カーに露骨に反発的な態度を示そうという運動が広がっているみたい」 という情報がかなり広く流れて、実際にそうした態度を示すことを実行している人が目立つようになる ―― というレベルにまで浸透しないと、ムリですね ^^;)
でも、やらないよりゃ、やる方が気分が晴れるから、私はやります (^o^)
投稿: tak | 2009年6月 3日 09:50
ココログニュースに間接的に(?)載りました。
どんどん広まってほしいですね。
http://news.cocolog-nifty.com/cs/article/detail/domestic-200906011941/1.htm?c=app.7
投稿: リュウT | 2009年6月 4日 00:06
リュウT さん:
本当だ、載ってますね。
知らせてくださって、ありがとうございます。
コメント欄に、よし さん という方が、
>選挙期間中の選挙活動は法律で禁止しよう
と書かれていますが、実は初めから禁止されてるんですよね。
この辺りが、根本的な誤解です。
原則禁止されている上で、「これこれは例外として認める」 となっていて、その例外事項の中に選挙カーで走行中の連呼行為がある。
本来は、選挙運動を 「禁止」 せずに 「原則自由」 にして、その上で、「やってはいけないこと」 を規定すればいいんです。「選挙カーでのの連呼行為を禁じる」 とか。
投稿: tak | 2009年6月 4日 11:34
takさま:
「衆議院議員 逢坂誠二の徒然日記」というblogで、Twitterと選挙について総務省に確認した結果というのが出ています。
http://kaibutukun.at.webry.info/200906/article_33.html
単純に、ご紹介まで。
(どの記事にコメントしようか迷いましたが、「経済・政治・国際」カテゴリの記事の最新の記事ということでこちらにしました。お許しくださいませ。)
投稿: hemp | 2009年6月18日 09:43
hemp さん:
情報、ありがとうございます。
さっそく行ってみました。
それにしても、総務省の見解として引用されている文章、よ~く読み込めば確かに意味はわかるし、文法的破綻もないんですが、普通に読むと、ものすごくわかりにくいですね。
ずらずら長文で続け過ぎです。こういうのを、日本語では 「悪文」 というのです。
もっとセンテンスを区切ってわかりやすく整理してくれないと、素直に一度読んだだけでは意味がわかりません。
まあ、元々お役人というのは、一発でわかるように上手に説明しようという気がありませんから、こんなものでしょうが。
彼らは、「すみませんが、もう少し詳しい説明を…」 と頭を下げて頼みに来られた時に、大いばりで説明するのが仕事の一部と思っていますので、そのためにわざわざわかりにくくしているのです。
(と、私は疑っています ^^;)
投稿: tak | 2009年6月18日 10:32
twitter上でこういうことを始めました。
http://twitter.com/NoMoreSenkyoCar
twitterでの署名も重要ですが、それ以上に、家の外に黄色いものを出して、うるさいということを意思表示する輪を広げるのが効果的かも知れません。
今度の衆議院選を最後に、選挙カーからの名前の連呼を撲滅させたいと思っています。
投稿: uchinoharuhito | 2009年7月21日 17:26
uchinoharuhito さん:
>twitter上でこういうことを始めました。
>http://twitter.com/NoMoreSenkyoCar
なるほど。
あらゆる手段を使ってみるのもいいかもしれません。
>twitterでの署名も重要ですが、それ以上に、家の外に黄色いものを出して、うるさいということを意思表示する輪を広げるのが効果的かも知れません。
とりあえず、黄色いものを出しておくことが 「連呼、うるさい!」 という意思表示なのだということを、日本の常識にしなければなりませんね。
今回の総選挙だけでは、時間が足りないかも。
選挙のたびにしつこく繰り返さなければならないと思います。
投稿: tak | 2009年7月21日 22:22