シルバーカーで競走するばあさん
乳母車かショッピングカートみたいな歩行補助記を押して道を歩く高齢者を見かけることがある。なぜか、男性はほとんどいなくて、ほぼ 100%女性というのが気になるところだ。
あれ、商品名として日本では 「シルバーカー」 というのが定着しつつあるらしい。「ちょっとなんだかね」 という気もするネーミングだが。
昔々、私の実家の祖母の叔母という人が、かなりしっかり者のばあさんで、足腰が弱ってからも乳母車を押してあちこち外出していた。その乳母車は、曾孫を乗せていたものだが、曾孫が育ってしまうと、ひいばあさんの歩行補助機になってしまったのである。
今では乳母車はなんだから、高齢者専用の歩行補助機として特化してしまったようだ。なるほど、「ベビーカー」 じゃないので、「シルバーカー」 なのね。なんでも、少子高齢化の昨今は、ベビーカーよりシルバーカーの売り上げの方が多いらしい。
このシルバーカー、事故も結構多いと聞く。とくにブレーキ操作が案外面倒なので、坂道でついて行けなくなって転んでしまったりすることがあるらしい。また、停止状態で椅子として使う時にも、こけてしまうことがあるという。
ところで、"Racing Grannies" (競走ばあさん) というおもちゃがある。原産国表示は China ということになっているが、それは世界中のおもちゃの多くがそうであって、企画販売しているのは、英国のメーカーらしい。
なんだかちょっと憎ったらしい魔法使いのおばあさんじみた顔のばあさんが、シルバーカーを押しながらよたよたと歩く。これが 2個セットで売られている。もちろん、商品名が示すように、競走させるためだ。
ネジを巻いて机や床の上に置くと、このばあさん、よたよたと動き始める。なぜか絶対にまっすくが進めない。よろよろと蛇行したりひっくり返ったりする。まったく、しょうがないばあさんなのである。
こんなのを日本のメーカーが売り出したら、きっと 「年寄りを馬鹿にしている」 と非難されるだろう。英国ってところは、こうした悪趣味なブラック/ジョークがすんなり受け入れられてしまったりするから、ちょっとおもしろい。
実は、この Racing Grannies というおもちゃを某所でいじらせてもらった。デジカメで動画に記録したのだが、一体だけ動かすのが精一杯で、競走を録画することはできなかったのが残念である。
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