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2009年7月29日

女子高生のスカート丈

女子高生のスカート丈が長くなる傾向にあるようだというようなことを書いたのは、ほんの 1ヶ月ちょっと前である。(参照

その時は奈良発のトレンドで、全国的にはまだまだ超ミニ丈全盛だったような気がする。しかし近頃では、つくば周辺でも女子校生のスカート丈がどんどん長くなってきた。

私は 1ヶ月前の記事を「これはウォッチする価値があるかもしれない」という一文で結んでいるが、たかだか 1ヶ月足らずでこんなに明確な変化が現れるとは、思っていなかった。ギャルたちの流行への敏感さには、おじさん、びっくりである。

実はスカート丈の変化には、その記事を書いた 1週間後ぐらいには気付いていた。常磐線取手駅近くにある某有名私立校に通う女の子たちのチェックのスカート丈が、明らかに長くなっていたのである。膝小僧がちょっと出るぐらいの子が多いが、中には膝下丈の子もいる。

しかし、その時点では他の公立校に通う女子高生たちは、相変わらず超ミニだった。だから学校間のスカート丈の落差は、かなりのものだった。

感覚の変化というのは恐ろしいものである。スカート丈がどんどん短くなっていた頃は、膝丈ぐらいだと「もっさり」とした印象があり、超ミニが確かにけっこう可愛らしくみえたものである。しかしその傾向が分水嶺を越してしまうと、逆に超ミニだともろに頭悪そうに見え、膝丈だとちょっと上品そうに見える。

いつの時代にもファッションのトレンドとは、こんな風に同じスタイルを見ても、受け取る方の感覚が全然変わってしまうことで変化してきたのである。どうして変化するかというと、人間という生き物が飽きっぽいからである。

飽きっぽいからといって、次に来るものが明確でないうちは、ずっと続いてきたスタイルがそんなにダサダサに見えてしまうわけではない。しかし、ネクスト・スタイルがある程度しっかり見えてきたとたんに、それまでのスタイルは急速に陳腐化してしまうのだ。

「ちょっと前の流行」ほど「流行遅れ」を感じさせてしまうものはないから、ファッションに敏感な子ほど、できるだけ早くそこから脱却したくなってしまうのである。こうしてファッションというのは、ある時を境に目に見えて新しいものに移り変わってしまうのだ。

というわけで、近頃では取手駅で乗り降りする女子高生のスカート丈が、総じて長くなってきているのである。ちょっと前まではパンツが見えそうな娘ばっかりだったのに、今はほとんど消え去った。

とはいえ、日本中からミニスカートが消えてしまうわけではない。圧倒的に少なくはなるだろうが、ミニスカートが自分のスタイルになりきっている層は、決してそれを捨てない。だから、1960年代までのように日本中がユニフォームのごとくに一つのスタイルに染められてしまうということは、もはやあり得ない。

ただ、よく言われる「ファッションが多様化した」というテーゼは、ある意味では幻想である。実は、多様化したのはファッションではなくライフスタイルである。

ライフスタイルは多様だが、同じようなライフスタイルの人々は、驚くほど同じような格好をしている。つまり、同じ仲間内ではファッションは相変わらず一様なのであり、日本人のユニフォーム好きは今でも健在である。

だから女子高生のスカート丈も、一度長くなる方向にスウィングバックし始めたので、ほとんど 「右に倣え」で、一様に長くならざるを得ない。世の良識派の大人たちは歓迎するだろうが、もしかしたら一部では、昔のスケ番みたいなエクストリームにまでいってしまうかもしれない。

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コメント

そういえば、先日の朝の情報番組のトレンドのファッションを紹介するコーナーで、ロング丈のワンピースが今年の流行といっていました。

そうしたら、takさんの記事だったんで、試しに「女子高生、スカート丈、長い」でググってみると結構記事が出ているんですね。
やっぱり制服のスカートに限らず、私服でロング丈が流行なんでしょうかね。

投稿: 雪山男 | 2009年7月30日 09:01

ご専門の領域(繊維関係という意味です!)とはいえ、慧眼恐れ入りました。

投稿: きっしー | 2009年7月30日 09:11

雪山男 さん:

>そういえば、先日の朝の情報番組のトレンドのファッションを紹介するコーナーで、ロング丈のワンピースが今年の流行といっていました。

ミニスカートをはきまくったのは、団塊の世代 (今の還暦過ぎ) と、その子どもで、今 「アラフォーになりかかっている」 団塊ジュニア世代です。

高度成長期、バブル期という、賑やかな時代に青春期を過ごしたこともありますが、ミニスカートの DNA が伝わってるんでしょうかね ^^;)

ところが、彼らのミニスカートの DNA は、今の女子高生の世代にはあまり濃く伝わっていないんじゃないかとも思います。

団塊ジュニアの未婚率は高く、出生率も低いので、第三次ベビーブームは出現しなかったのです。

だから、今まさに高校生になろうとしている、アラフォー世代の子どもたちは、大きなパワーを持っていないみたいなんですね。
景気もこんなだし。

というわけで、もしかしたら、団塊の世代、団塊ジュニアへの反動ということもあるかもしれませんね。潜在意識的には。

投稿: tak | 2009年7月30日 11:42

きっしー さん:

>ご専門の領域(繊維関係という意味です!)とはいえ、

どうあがいても、女子高生評論家とか、女子高制服評論家とかにはなれないでしょうね ^^;)
(娘を 3人育てた経験はあるので、まんざらトーシロではないですが)

投稿: tak | 2009年7月30日 11:47

アタシは富山市内の16歳の女子高生ですが自分1人だけになっても卒業まで総丈30センチのマイクロミニをはきまくって露出をやりまくってやります

投稿: 里美 | 2011年11月28日 22:20

里美 さん:

どうぞご自由に。

投稿: tak | 2011年11月29日 17:20

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