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2009年7月 6日

ツンツンの髪の毛

還暦近くになっても、ちっとも頭が薄くならない友人がいるが、その代わり髪が硬くて、毎朝寝癖を取るのが大変なのだそうだ。

その彼が、「いやはや、俺は立った髪を寝かすのに苦労してるのに、最近の若い奴らは、わざわざ時間をかけて、髪の毛をツンツン立たせてるんだねえ」と驚いていた。

確かに近頃、駅のトイレに入ると、鏡の前で必死になって髪の毛を少しずつつまみ、微妙な立たせ方を実現するのに余念のない若い子が多い。それはそれは真剣な形相なのだ。彼らの髪の毛は自然かつ無造作に立っているように見えるが、実は圧倒的な人工の技によるもののようなのだ。

なるほど、あの姿を見ていると、寝癖で立ってしまった髪の毛を毎朝苦労して丹念にセットしているオジサンが複雑な気分になってしまうのも、しかたのないところである。

そこへ行くと私なんかかなり恵まれていて、還暦に近づいても髪が目立って薄くなったということもなく (やや細くなったような気はするが)、髪質がソフトなので、思いっきり寝癖がついても、朝に「肌水」をちょいちょいっとスプレーしてやればすぐに収まる。

決して収まりすぎるということもなく、テキトーに自然な状態に収まるので、あとはそのままなんの手も加えない。私はずっと昔から、髪の毛に櫛の目を入れるなんて面倒なことはしたことがなく、こんな感じで通している。

だから昨今の、髪の毛がボサボサだろうがツンツンだろうが、それはかえってお洒落という風潮は、私にとって楽なのである。昔は、「きちんと櫛でとかして分け目を入れろよ」なんて言われたこともあったが、最近は全然なくなった。ありがたいことである。

最近ではオッサンでも、しかも代議士でも、あのツンツンをやっている人がいる。大方はすぐに顔が浮かんだと思うが、渡辺喜美さんである。あれって、ソフトモヒカンなんて言うのかなあ。結構ワックス塗って立ててるんだろうと思うが、驚くべきことに、女性には案外好評らしい。

渡辺喜美さんばかりでなく、ボサボサ・ツンツンの最前線にいる若い連中は、それなりに手間と金をかけているもののようで、私としては 「大変だなあ」 と思うばかりである。女性の好評をとれるというなら、そのくらいは厭わないのかもしれないが。

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コメント

一時期「ツンツンヘアー」にしていました。

あれって本当に手がかかるんですよね。
ウェットな感じのツンツンヘアーにしたかったので、ヘアワックスはつんつんを保つためのハードワックスと、ぬれた質感を出すためのウエットワックスを二度付けするという非常な手間をかけていました。
それでも私は剛毛の上、くせ毛なので床屋さん曰く「手間がかからない方です」ということでした。

今は単純におろしていますので、くせ毛を直すという手間はかかりますが、ツンツン時代より遙かに手間は少なくなりました。

街でツンツン頭の学生を見ると、自分も経験しただけに「頑張っているな」って思ってしまいます。

投稿: 雪山男 | 2009年7月 6日 12:36

雪山男 さん:

>街でツンツン頭の学生を見ると、自分も経験しただけに「頑張っているな」って思ってしまいます。

何事も経験してみると、共感が深まるという好例ですね (^o^)

それにしても、ツンツンヘアーが、それほどまでに手間がかかるとは、知りませんでした。

投稿: tak | 2009年7月 6日 15:02

くせっ毛、おでこ面積拡大傾向のアタクシには、難儀な世界とお見受け致しました。

ツンツンやっているうちに、指に張り付いた“なきがら”を、憂いてしまいそうで…。


高校生の頃から、オールバックを維持してきたオッチャンです。

投稿: 乙痴庵 | 2009年7月 6日 17:24

takさん

>髪の毛がボサボサだろうがツンツンだろうが、それはかえってお洒落という風潮は、私にとって楽なのである。

お目にかかったことがないので、アレですが、ボサボサと今風のソレとは、微妙に違うのかも知れませんよ(笑)。私のはき古してやぶれたジーンズと、「ディーゼル」の「デニム」は違うそうです。

先日、若い女性に「きっしー、イケてないよ」と言われ、大改造しなきゃということで美容院やら洋服のお店に連れまわされた(もとい、お付き合い頂いた…)のですが、破れ目だらけのジーパンが4万円近くするのを見て仰天しました。モデルによって破れ目の位置が決まっていて、流行りすたりもあるそうです。

せっかくの服にわざわざ穴をあける仕事って、「穴掘って埋めるだけ」と言われた昔の公共事業のみたいじゃんかとため息をついてしまいました。が、それがカッコいいらしいです。モスキート音みたいな何かがあるんでしょうね。

投稿: きっしー | 2009年7月 6日 20:29

乙痴庵 さん:

>ツンツンやっているうちに、指に張り付いた“なきがら”を、憂いてしまいそうで…。

それは難儀なことで… ^^;)

私は、昔はロン毛でしたが、最近はかなり短めにしています。
長さを犠牲にしても、本数を確保したくて ^^;)

世の中には 「髪エネルギー保存の法則」 というのがありまして、

nl=S (本数×長さ=一定)

というのです。

n: 髪の毛の本数
l: 髪の毛の長さ総合計
S: エネルギーの定数

というわけで、本数を減らさないためには、長さを抑えるしかないのです。

おかげで、本数が減らずに済んでます。

これを信じるか信じないかは、個人の自由に任されていますが。

投稿: tak | 2009年7月 6日 21:14

きっしー さん:

私も以前、妻と娘によってたかられて、髪と眉毛を整えられ、シャツとジーンズを調達させられたことがあります。

苦行でした。(とくに眉毛をチマチマ抜かれたのは ^^;)

>モスキート音みたいな何かがあるんでしょうね。

な、なるほど ^^;)

投稿: tak | 2009年7月 6日 21:18

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