『唯一郎句集』 レビュー #54
ウチのサイトは休日のアクセスが急減する。そこで最近の週末は、超地味ネタの『唯一郎句集』のレビューをしている。
ところが今週は缶詰め出張をしていた関係で、水曜日まで句集レビューをしていた。そしてまた週末なので、7日のうち 5日が 句集レビューというスペシャル・ウィークである。
前回まではちょうど今時分の季節の句だったが、今回は少し暦が進んでしまって、秋の彼岸の頃の句である。しかも、今日はたった 1句である。1ページに 1句しか載っていないので、そういうことにする。
これまでは、1ページに 1句だと、となりのページの 2~3句と一緒にしてレビューしてきたが、今回はとなりのページに 4句も載っているので、合わせて 5句になる。それではちょっと疲れる。
前回のレビューに加えておけばよかったようなものだが、前回は出張前の予定稿を書きためた関係で、次のページのことまで気にしていられなかった。それで、今日はたった 1句のレビューである。
彼岸花を剪り静かに伏せて行きしはたれぞ
夏が過ぎ、彼岸花の咲く頃の句だ。なかなか印象的な作品である。とりあえず「剪り」は「きり」と読むことを確認しておこう。
夏の陽気な花が咲き終わって地上が静かになりかけたときに、その間隙を縫って、彼岸花はが妖艶なまでの色の花を咲かせる。それがとても目立つ。彼岸の頃に咲くだけに、死者の思い出を蘇らせる。
そうした彼岸花を正視するに耐えない誰かがいたのだろう。花だけを剪り、根元に静かに伏せて行った、その気持ちを唯一郎はとてもよくわかっている。
本日は本当にこれのみ。
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