レス・ポールよ、永遠に
レス・ポールが 13日に死んだという訃報が入った(参照)。義母(妻の母)の命日が 8月 14日で、やはりお盆の期間中である。
義母が亡くなったとき、坊さんが「お盆に亡くなる御霊は、徳が高いのです」と言って、ずいぶん立派な戒名を付けてくれた。レス・ポールも徳の高い御霊なのかもしれない。
レス・ポールといっても、知らない人はさっぱり知らないかもしれないが、エレクトリック・ギターの「レスポール・モデル」を作った人である。「レスポール・モデル」といっても、これまた知らない人は知らないだろうが、今でもフェンダーのストラトキャスターと人気を二分するモデルで、誰でも見覚えがあるだろう (参照)。
私はずっと、レス・ポールという人はとっくに死んでいるものだと思っていたのだが、2005年に 90歳を迎えた記念に「レスポール・アンド・フレンズ」というアルバムが発売されたというので、「まだ生きてたのか」と驚いた覚えがある。このアルバムには、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、キース・リチャーズ、スティングなど、ものすごいメンバーが参加している。
レスポール・モデルは一時、ギブソンが廃版にしてしまい、今の SG モデルにチェンジしてしまったのだが、レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジがレスポールでギンギンのハードロックを始めてから人気が再び盛り上がり、復活したという経緯があるらしい。それで、レスポールといえばハードロック系というイメージがあるが、本来は甘い音色が特徴とされていた。
その本来の甘い音色は、Coors ビールの CM で見事に再現されている。
酒場で若い兄ちゃんが粋がって澁々のブルース・ギターを弾いている。そこに現れたじいさんが、「なかなかいい音出してるじゃないか。ちょっと貸してごらん」と言う。
「あんたが弾くってのかい?」と、兄ちゃんは馬鹿にするが、このじいさん、ギターを手に取るとものすごい腕前で、グッとくるフレーズを弾きまくる。
驚いた兄ちゃんが、「あんたの名前は?」と聞くと、じいさんは微笑んで「ギターを見てみな」と言う。そのギターのネックには、"Les Paul model" と書いてある。唖然として振り返る兄ちゃん。
レス・ポールよ、永遠に。
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コメント
え、これがご本人なんですか……?
投稿: 山辺響 | 2009年8月17日 14:12
山辺響 さん:
>え、これがご本人なんですか……?
どうもそのようで。
シブイですね。
投稿: tak | 2009年8月19日 17:14