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2009年9月13日

『唯一郎句集』 レビュー #61

『唯一郎句集』のレビューも、もう 60回目になってしまった。ようやく半分を越えたところである。まだ先が長い

(注: 後日、連番の付け間違いが発見されて修正したので、実はこれは 61回目である)

本格的にレビューを始めたのは今年の 1月末だから、もしかしたら今年中に終わらずに、来年にかかるかもしれない。

始めた時から、息の長い仕事になるとは覚悟していたが、やはりちょっとしたものである。今日のレビューは 2句だ。

春暁の路をひた行けば熱くも馬に突きあたりたし

春暁は「しゅんぎょう」と読み、春の明け方のこと。庄内の春のことだから、明け方はまだ寒い。息が白く見える。

そうした寒い明け方の路を行くと、馬車に出会う。この頃の輸送機関は、馬車が主力だった。馬はからだに汗をかく。だから春の明け方には、鼻息だけでなく体中から湯気を立てていたかもしれない。

そんな熱い馬に突きあたってみたいと思ってしまう、不思議な一刻である。

残雪の川波のさみしさの舩頭ばくちうち

早春の川の土手は、いつも日影になる斜面に雪が残る。その残雪を映すように流れる川の波に、小舟が揺れる。

小舟の上でばくち打ちをしている船頭たちの姿がみえる。それほど盛り上がっているようにもみえない。淋しさだけが漂う光景である。

本日はこれぎり。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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