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2009年10月 7日

鳩山政権の CO2 25% 削減宣言

民主党鳩山政権の「2020年までの CO2 25%削減」という宣言が、あちこちで「どうせ無理」と揶揄されているが、私は本気でやればできないことじゃないと思う。

しかし今のところ、まだ政府の「本気」というのが見えてこないのだ。これでは国民もなかなか本気にはなれない。

「本気でやればできる」とは書いたが、もちろん、ものすごく難しい目標だ。正直言って、「よくまあ、こんな数字出したな」と思う。なんだか、不況で賃上げなんて無理とわかってるのに、「ベア 5%要求」なんてことを言うだけ言ってみる労組みたいな感覚まで感じてしまう。

しかし、私はこの「CO2 25%削減」という目標は、言ってしまった以上、やり遂げるべく本気にならなければならないことなのだと思う。問題は、言い出しっぺの政府の本気度だ。ここまですごい数字を言い出した以上、政府が率先垂範で努力する姿を見せてくれないことには、国民は付いていかない。絶対に「絵に描いた餅」で終わる。

政府が率先垂範した上で、さらに「国民の個人ベースで、省エネに取り組めば結局それがお得になるんですよ」という明確な施策を講じなければならない。「省エネに取り組むと、ちょっと高コストになっちゃうけど、意識の高い人なら協力してくれるよね」というのでは、25%削減なんて、到底無理だ。

例えば、太陽光発電パネルを設置したら、短期間で確実に元が取れるシステムを確立するとか、エコキュートとかとの組み合わせで、ものすごくお得になる体系を作るとか、エコ車購入時の税制優遇措置だけでなく、高速道路(あ、どうせ無料にするんだったけか)や駐車場の料金が割引になるとか。

そして、「そんなことやったら企業の業績が落ち込んで不況になる」 なんて声を封じるためにも、「エコ・ビジネス」こそが新市場開拓のキーになるという環境を、きちんと作ってくれることが大切だ。

それから、夏になったらちゃんと涼しげな格好をしてみせてくれないと困る。小沢さんなんか、ただでさえ暑苦しい顔立ちなのに、ほとんど 1年中背広にネクタイで登場するが、夏の暑い最中にそんな格好で「CO2 削減」なんて言われても空々しいのである。これは実は、とても大きな問題だなのだ。なにしろ「イメージ」は大切だから。

この際だから、沖縄のかりゆしウェアを日本中に広めるぐらいの覚悟をしてもらいたいものである。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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自然・環境」カテゴリの記事

コメント

本当にそうですよね。
経済的にインセンティブが働くような仕組みを作らないと、うまく行くわけがない。
CO2とはちょっと違いますが、例えば家電に関しても、リサイクル料金を購入時に取るべきか廃棄時に取るべきかという議論がありましたが、本来こんなのは考えるまでもありません。
廃棄時に取るようにしたら、不法投棄が増えたり、リサイクル資源が海外に流出したりするようにインセンティブが働いてしまうことはわかりきっているわけです。ところが、購入時の費用が増えるのを嫌ったメーカーや流通業者に「配慮」した結果、全く不合理な決定がなされています。
産業政策として考えても、リサイクル料金を事前に取る方式は、実はローエンド製品に対してより厳しい(全体の価格に対する割合が大きくなる)ので、高付加価値製品で生き残りを図る国内メーカーにとってはポジティブなはずなのに。
今の内閣(特に民主党でない閣僚)の市場経済音痴はかなりひどいので、エコ政策とか中小企業振興政策とかも、結局逆効果みたいなことばかりやってしまうのではという懸念を持っています。まあ、自民党政権も末期は同じでしたけど(笑)。

投稿: きっしー | 2009年10月 7日 11:57

日本のビジネスマンに、かりゆしやアロハシャツが定着すれば…。

 かりゆしに『イタリアンカラー』とか、『ブリティッシュなんちゃら』なんて流行がおこったりして。

 アイビーアロハとか…。

(日本の盛装に着流し、正装に羽織袴or裃希望)

投稿: 乙痴庵 | 2009年10月 7日 12:22

フィリピンでは、白熱電球から電球型蛍光灯に切り替えるため、国内の全世帯に電球型蛍光灯を5個ずつ配ったそうで。

日本も定額給付金を配るんだったら、環境対策でLED電球でも各家庭に配付した方が良いんじゃないかと思うんですが。(笑)

冗談はともかく、高速道路無料化の政策でも書いたかもしれないんですが、無料化で地方の車社会化に拍車がかかるとすれば、CO2削減の目標と矛盾のある施策だと思っています。

地方の公共交通機関の赤字も、環境のためのインセンティブ的な考え方で公共交通機関を維持すれば、自動車によるCO2増を食い止められるし、中心市街地の衰退の歯止めにもなると思うんですがね。

でも、鳩山首相のご実家がタイヤ屋さんだからなぁ。。。
無理か。(笑)

投稿: 雪山男 | 2009年10月 7日 12:36

 テレビで「一ヶ月一万円生活」とかって企画があったみたいに、各省庁の毎月の光熱費をweb公開でもして政府全体で取り組んでいる実績を見せて欲しいな、なんて思ったり。

 個人的には、エコカー減税の時にもハイブリッドカーはいいと思うけれど、前の機種よりも燃費が良くなったガソリン車を軒並み減税対象にしたのには納得出来てない人だったりします。まぁこれはエコというよりも自動車産業界の計器底上げの為に”エコ”というキャッチフレーズを使ったという事でしかないのは判っているのですが。
 ハイブリッドと電気自動車に大幅減税して、ガソリン車には課税を多くするぐらいの積極的政策を見せて欲しいなとは思います。
 電気スタンド事業には建設補助金を出すとかで一気にそちらのマーケットにシフトしていくというような未来像を示して欲しいですね。

投稿: きんめ | 2009年10月 7日 13:45

25%が、妥当か、可能か、と論議するより、まず、これは民主党の総意なんでしょうか?
党議にはかったのでしょうか?
どうも、そういう気配はありませんね
ハトポッポが勝手に大向こうの受けを狙ってぶち上げたのでは?
理科系首相としては、いいかげんでしたね
もともと、あの人はいいかげんな人ですが

私は、先進国はみんな、舌を出していると思います
「バカが調子に乗ってやってくれた」
と思って
みんな、後出しジャンケンで行こうと思っているはずです

宇宙船地球号にとっては、遅まきながらいいことでしょうけれど、日本経済に対しては短時間に大変な負荷をかけたと思っています
いずれはやらなければならないことかも知れませんが、京都議定書での目標設定で、日本だけがキツイ目標を設定されてしまっているのに、すでに2007年に世界一のCO2排出国になっていたという中国なんか、知らん顔ですからね
逆に日本の努力が足りないなどと理解不可能なイチャモンをつけてきている
ボンボン宰相、しっかりやってください


投稿: alex99 | 2009年10月 7日 21:32

日本は、省エネにより二酸化炭素排出量では優等生です。
先行したために、不利になっているのが現状です。
今回はそうならない戦略があるのだろうか?ヨーロッパが歓迎?非効率な東ヨーロッパのおかげで楽ができる上に、競争相手がさらに自滅するのだから大喜びのはず。

投稿: fn.line | 2009年10月 8日 02:00

きっしー さん:

>経済的にインセンティブが働くような仕組みを作らないと、うまく行くわけがない。

「人間万事金世中」 (最後は 「金の世の中」と読みます) という河竹黙阿弥の芝居があります。

すべてが金で動くわけではありませんが、かなり多くのことは、金というか、経済的にどっちが得かで動きます。

ですから、「総論的な視点でいいことをすると、各論的にもオトク」 という仕組みを作れば、世の中は楽なものになるはずなんですが、この 「各論」 というのがくせ者です ^^;)

>例えば家電に関しても、リサイクル料金を購入時に取るべきか廃棄時に取るべきかという議論がありましたが、本来こんなのは考えるまでもありません。

あれは、いずれ廃棄するものなんですから、最初に取っておけば面倒がないんですよね。

>今の内閣(特に民主党でない閣僚)の市場経済音痴はかなりひどいので、エコ政策とか中小企業振興政策とかも、結局逆効果みたいなことばかりやってしまうのではという懸念を持っています。

目先の聞こえのいいことばかり言い出しそうで、私も怖いです。

投稿: tak | 2009年10月 8日 08:45

乙痴庵 さん:

>アイビーアロハとか…。

紺とピンクのアーガイル柄のアロハを想像してしまいました ^^;)

投稿: tak | 2009年10月 8日 08:48

雪山男 さん:

>地方の公共交通機関の赤字も、環境のためのインセンティブ的な考え方で公共交通機関を維持すれば、自動車によるCO2増を食い止められるし、中心市街地の衰退の歯止めにもなると思うんですがね。

これは、かなり難しい問題を含んでいます。

地方の公共交通機関は、中途半端に便利にしても、既にこれだけ車社会になってしまっては、焼け石に水です。

とりあえずは、便利にすべき部分 (地方の中核的都市周辺など) は徹底的に便利にして、そのかわり、投資効果のない過疎地帯は、申し訳ないけど切り捨てるみたいなやり方をしないと、どうしようもないと、個人的には思っています。

そうでないと、「まこと橋」 みたいになってしまいかねません。

とりあえず、地方の中核都市活性化が急務だと思います。
そうすれば、その周辺にも波及効果があるんじゃなかろうかと。

投稿: tak | 2009年10月 8日 08:55

きんめ さん:

>テレビで「一ヶ月一万円生活」とかって企画があったみたいに、各省庁の毎月の光熱費をweb公開でもして政府全体で取り組んでいる実績を見せて欲しいな、なんて思ったり。

現状は、公共団体や外郭機関の 「無駄遣い監視」 は、単に書面の上だけのことになっていて、書面上のストーリーなんていうのはどうとでも書けますので、そのストーリー捏造という下らない業務に、かなりのマンパワーが割かれています。(以下参照)

https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2008/01/post_7497.html

本当に必要なのは、「使っちゃったんですけど、それは、ちゃんと必要なお金だったんですからね」 という見え透いた言い訳ではなくて、「なるべく節約する」 という根本的な姿勢なんですよね。

その意味で、最初から予算を低く設定して、その中できちんとやりくりしたら、評価が上がるという仕組みを作るべきでしょうね。
(そんなことは、民間企業では当たり前なんですが)

投稿: tak | 2009年10月 8日 09:05

alex さん:

>25%が、妥当か、可能か、と論議するより、まず、これは民主党の総意なんでしょうか?

そんなもの、どこにもないですよね。

>ハトポッポが勝手に大向こうの受けを狙ってぶち上げたのでは?

ぶち上げてしまったからには、本気でやってもらいたいものですが、どうもその 「本気」 が感じられません。
それで、私は労組のベア要求みたいなものなんじゃないかと感じているわけです。

>宇宙船地球号にとっては、遅まきながらいいことでしょうけれど、日本経済に対しては短時間に大変な負荷をかけたと思っています

別の視点からは、環境配慮商品の流通にインセンティブを与えれば、それが非関税障壁となって、国内企業の内需拡大にはメリットになる可能性がありますね。

EC などでも、もっと基準を厳しくすれば、日本製の需要が高まります。

>すでに2007年に世界一のCO2排出国になっていたという中国なんか、知らん顔ですからね

そのうち、だんだん風当たりが強くなるのは必至で、そうなると、中国経済も減速せざるを得ないと思います。
ただ、あの国はなんだかんだいいながら、どんどん排出し続けるでしょうけど。

投稿: tak | 2009年10月 8日 09:15

fn.line さん:

>日本は、省エネにより二酸化炭素排出量では優等生です。
>先行したために、不利になっているのが現状です。

鳩山宣言も、「すべての主要国の参加による目標の合意が前提」 という逃げ道が用意されているようで、そうなると、初めから 「絵に描いた餅」 なんじゃないかと思ってしまったりしますがね ^^;)

投稿: tak | 2009年10月 8日 09:20

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