カラオケの変遷
偶然におもしろいページを見つけた。「カラオケ日本」というサイトの「有線・カラオケランキング」 である。
上の方に有線放送で流された曲のランキング、その下に、カラオケで歌われた曲のランキングがある。そのさらに下には、演歌に特化したランキングまである。
上の 2つのランキングを比較してみるとおもしろい。有線で流された曲には、少なからぬ演歌がランク・インしている。10月 10日~16日の集計では、なにしろ氷川きよしの「ときめきのルンバ」(私はどんな曲だか知らないが)というのがトップになっている。
さらに、4位に 大月みやこの「儚な川」(これも知らない)、10位に山本みゆきの「もどり雨」(申し訳ないが、これも知らない)がある。トップ 10 に 3曲入っているのだから、演歌もなかなかどうして立派なものである。
上記の 3曲を、私は全然知らないのだが、演歌に特別うといというわけじゃない。ベスト 10 の中の残り 7曲も、実は知らないのである。実際に聞けば「あぁ、聞いたことある」ぐらいには思うかもしれないが、タイトルを見ただけでは曲が全然思い浮かばない。要するに私は、最近の曲にうとくなってしまったのである。
次にカラオケのベスト 30 に目を移すと、これはもう、見事に「最近の曲」ばかりである。演歌は「人恋酒場」(知らない)、「天城越え」(これはさすがに知ってる)、「儚な川」(上述の如く知らない)の 3曲だけで、たったの 1割である。カラオケというのが、今では完全に若い人たちの文化になってしまっているのがわかる。
私が社会に出た昭和の終わり頃は、様相がまったく違っていた。カラオケというのは、夜のスナックでオッサンたちの歌うもの、あるいは、宴会でオッサンがむりやり若い女の子を引っ張り出して「銀恋」なんかをデュエットするものだったのである。
だから当時は、飲み会なんかに行って「お前も何か歌え」なんて言われても、私の歌う歌なんてほとんどなかったのだ。分厚い曲リストに目を通しても、「夜霧よ今夜もありがとう」とか「よこはま・たそがれ」とか「青春時代」みたいなのしかないし、そんなの歌っちゃったら、自分のアイデンティティが壊れちゃうみたいな気がするし。
カラオケでオッサンの曲以外のジャンルが飛躍的に充実し始めたのは、多分、平成になってからである。そしてあっという間に平成以後の歌がカラオケの主流になってしまった。私の世代では、同窓会の二次会などでカラオケに繰り出して「今日のシバリは、平成の歌!」なんて言っても、誰も歌えないんだけど。
これだけカラオケのジャンルが豊富になり、大抵の曲はカラオケで歌えるようになったとはいうものの、私の不満は、端唄、小唄の類が貧弱なことである。「梅は咲いたか」とか「木遣りくづし」とか「かっぽれ」とかを歌いたくても、カラオケにはない。
端唄・小唄を唄える年齢層というのは、カラオケに繰り出す体力がなくなってしまったので、圧倒的に需要がないんだろうなあ。
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