「ジル・サンダース」って誰?
ユニクロの 9月の売上げは、速報値で前年同月比の 31%増(既存店ベース)となったそうだ。このご時世にすごいなあ。「一人勝ち」と言われるのも、無理もない。
しかも、あのジル・サンダーとのコラボによる "+J" というブランド(参照)がやたらと好評で、一つ壁をぶち破ってしまった感もある。
私が感心したのは、ユニクロが選んだコラボ相手が、ジル・サンダーだったということである。この人、ネーム・バリューとしては日本では 「知る人ぞ知る」 というぐらいのレベルで、同じドイツ人でも、カール・ラガーフェルドほどの華々しさはない。しかし、昔からずっと安定した実力を発揮してきた。
デザインの傾向としては、堅実でシンプルで上品で、しかもパターンがしっかりしていて洋服としての出来がいいということになっている。ドイツのデザイナーの多くは、そうした評価を得ていて、車に喩えればメルセデス・ベンツということになるんだろう。
まあ、ジル・サンダーは女性だから、ベンツというと無骨すぎるかもしれないが、少なくともフェラーリというイメージじゃない。そしてなぜか、ドイツのファッション・デザイナーには、ポルシェ的な人があまり見当たらない。強いて言えば、カール・ラガーフェルドなのかなあ。
で、何が言いたいかというと、ユニクロがコラボする相手として、ポルシェ的じゃなくてベンツ(をぐっとフェミニンにした?)的なデザイナーを選んだというのは、なかなかのヒットだと思うのだ。あくまで喩えだが、ポルシェを安く売るんじゃなくて、ベンツを安く売るというのは、ユニクロだからできることだからだ。
ここからちょっと横道にそれるが、ジル・サンダーというデザイナー、そりゃ前述の如く、カール・ラガーフェルドほどの超ビッグ・ネームじゃないが、それでも、日本では思った以上に知られていなかったのねというのが確認されて、ちょっとびっくりした。
だって、あちこちのサイトで「ジル・サンダース」という誤表記が目立つんだもの(参照)。人の名前なんだから、書く前にもう少しきちんと確認してもらいたいものである。念のために書いておくけど、この人の名前は "Jil Sander" であって、Sanders じゃないからね。
間違えた人の頭の中には、多分、あのケンタッキー・フライド・チキンの「カーネル・サンダース」が刷り込まれていたのかもしれない。あるいはポケモンかな?
報知新聞まで「ジル・サンダース」と書いちゃってる。多分これを書いた記者は、ファッションにうといオジサンだったんだろうけど、それならばなお、きちんと確認してもらいたいという意味をこめて、ちょっと意地悪っぽいけど、スクリーンショットをさらしておく。
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コメント
ベンツが無骨すぎるなら、メルセデスにしてみては?メルセデスは女性の名前ですし・・・。
投稿: ぐっちぃ | 2009年10月 6日 18:22
ぐっちぃ さん:
>ベンツが無骨すぎるなら、メルセデスにしてみては?メルセデスは女性の名前ですし・・・。
まあ、欧米では 「メルセデス・ベンツ」 とフルネームで呼ぶのがフツーみたいで、略す場合は 「メルセデス」 の方を取る方が圧倒的多数みたいですけどね。
(読み方は各国語によりますが)
でも、同じモノですから。
投稿: tak | 2009年10月 8日 15:33