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2009年11月24日

暖冬傾向という予報なのだが

気象庁の季節予報(3ヶ月予報)では、この冬は暖冬になるだろうということになっている。エルニーニョでもあるし、暖冬傾向は間違いないと思われていた。

ところが、11月になってからというもの、寒暖の差が激しくて、結構寒い日が多い。気象庁の予報は当たるんだろうか。

実は、気象庁の季節予報は当たらない。過去の統計では確か、当たった率は 5割を切っていて、つまり、当たらなかったことの方がわずかに多いのだ。ただ、これってかなり困った数字で、打率 3割ぐらいなら、「外れる確率 7割」ということだから、初めから信じい方がいいということになるのだが、ほぼ五分五分では対応が難しい。

今日とか明日の天気予報というのは、当たる確率が 80%ぐらいにまで高まっていて、かなり当てにしていい。しかし週間予報は精度が目に見えて落ちるし、季節予報となると「当たるも八卦、当たらぬも八卦」という世界になるのが、実に困ったことなのだ。

今回の「暖冬傾向」という予報にしても、関東地方の予報をよくみると、11月の気温の、高くなる確率が 50%、平年並みの確率が 30%、低くなる確率が 20%で、要するに 「暖冬傾向」 ということなのだ。

続く 12月、1月の予報は、どちらも高くなる確率が 40%、平年並みの確率が 40%、低くなる確率が 20%、つまり、「平年並み以上」の確率が 80%で、つまり「暖冬傾向」ということになる。でも、高くなる確率が 50%という 11月でこんなに寒い日が多いのだから、「本当かなあ」という気がするのも仕方のないところだろう。

ただ、暖冬という予報が当たったとすると、日本海側の雪は少なくて済むだろうが、関東地方はもしかして雪に悩まされることになるかもしれない。日本海側と太平洋側では、雪になるメカニズムが違うのだ。

厳冬だと日本海側は大雪になるが、太平洋側はカラカラ天気になることが多い。これは西高東低の冬型気圧配置により、大陸からの季節風が強くふくためだ。ところが、私の経験値によると、暖冬になると太平洋側で雪が降りやすくなり、交通が混乱してしまったりしやすい。

関東の雪は、冬型気圧配置によって降るのではなく、春先に太平洋岸に沿って低気圧が西から東に移動し、そこに入り込む冷たい風によって雪雲ができてしまうためということが多い。だから東京の雪は真冬よりも春先の 2月末とか 3月頃に降りやすいのだ。

そして、暖冬だと西高東低の典型的な冬型気圧配置が緩みがちになる。真冬なのに春先みたいな天気図になり、太平洋側を低気圧が進んできて、東京に雪を降らしてしまうということがあるようなのだ。

だから関東在住の私は、「暖冬」という言葉を聞くと、雪が降って首都圏の交通が大混乱する姿を思い浮かべてしまうのだ。皮肉なことである。

このまま気象庁の季節予報が外れてしまえば、関東の雪の心配はあまりしないで済むのだが、もしかして当たってしまうと、ほんの 2~3センチの積雪で大騒ぎすることになってしまう。因果なことである。

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