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2009年12月26日

『唯一郎句集』 レビュー #90

ずっと週末に続けてきた『唯一郎句集』のレビューだが、今年は今日と明日だけになった。残りは来年に持ち越し。

今年の 12月はやたらと忙しくて、もうクリスマスが過ぎてしまったような気がしない。それでも、今日を入れてあと 6日間しかないのである。せわしないことである。

今日のレビューは 2句。前回が初夏の句だったが、今回はもう秋の近付く頃の句だ。句集の進行もかなり忙しい。

ともかくレビューである。

秋近き夜の金箔をとばし佛師かなしめり

不思議な句である。内容はフィクションなのだろうが、何かの暗喩としても読める。秋の近付く頃、風に金箔を飛ばされた仏師の哀しむ姿というのは、一体何の暗喩なのだろう。

人たれか日没の茄子畑に立ちとまらざる

日没の茄子畑。茄子の蔓と実がシルエットになって黒く浮かび上がる時分に、その畑に立ち止まる人を待つ。これも不思議な暗喩である。

今日の 2句は、とてもシュールな味わい。唯一郎がよほど感興にのって作ったのだろう。

本日はこれぎり。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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