『唯一郎句集』 レビュー #90
ずっと週末に続けてきた『唯一郎句集』のレビューだが、今年は今日と明日だけになった。残りは来年に持ち越し。
今年の 12月はやたらと忙しくて、もうクリスマスが過ぎてしまったような気がしない。それでも、今日を入れてあと 6日間しかないのである。せわしないことである。
今日のレビューは 2句。前回が初夏の句だったが、今回はもう秋の近付く頃の句だ。句集の進行もかなり忙しい。
ともかくレビューである。
秋近き夜の金箔をとばし佛師かなしめり
不思議な句である。内容はフィクションなのだろうが、何かの暗喩としても読める。秋の近付く頃、風に金箔を飛ばされた仏師の哀しむ姿というのは、一体何の暗喩なのだろう。
人たれか日没の茄子畑に立ちとまらざる
日没の茄子畑。茄子の蔓と実がシルエットになって黒く浮かび上がる時分に、その畑に立ち止まる人を待つ。これも不思議な暗喩である。
今日の 2句は、とてもシュールな味わい。唯一郎がよほど感興にのって作ったのだろう。
本日はこれぎり。
毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ
| 固定リンク
「唯一郎句集 レビュー」カテゴリの記事
- 『唯一郎句集』 レビュー 番外編1(2011.10.21)
- 『唯一郎句集』 レビュー まとめ(2010.04.25)
- 『唯一郎句集』 レビュー #123(2010.04.24)
- 『唯一郎句集』 レビュー #122(2010.04.18)
- 『唯一郎句集』 レビュー #121(2010.04.17)
コメント