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2010年1月17日

『唯一郎句集』 レビュー #96

昨日は「知のヴァーリトゥード」 8周年記念記事になってしまったので、恒例の週末の『唯一郎句集レビュー」は、今回は日曜だけとなる。

さっそくレビューである。

児らに腹一杯シユーマイたべさせるそれを見ている冬夜

日本でシュウマイが食べられるようになったのは、昭和初期、横浜の中華街が最初のようだ。とすると、昭和初期に酒田でシュウマイを食べるなどというのは、なかなか新しもの好きである。

しかも、そのちょっと変わった中華点心を子どもたちに腹一杯食べさせている。唯一郎自身はそれを見ているだけで満足している。冬の夜である。

ひとり酒のむくせの冬夜ひとにあやまりたき

唯一郎はシュウマイは子どもたちに食べさせるだけで自分で腹一杯食べようとはしていないが、一人酒を飲む。

伯父たちも皆、酒好きである。母も酒は嫌いじゃなかった。とすると、唯一郎も酒は好きだったのだろう。

冬の夜、一人で酒を飲む。すると、人に謝りたい気持ちになる。取り立てて謝ることもないのに、原罪意識と言うほどのものでもないのに、不思議な思いになる。

「あやまりたき」 などとと連体形で止めるのは、唯一郎好みの技法のようだ。後に続く言葉を省略して、謎めいた余韻を残す。

本日はこれにて。

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