年賀状デザインのコレクション
ふと気付いてみると、PC を使ってオリジナル・デザインの年賀状を書き始めたのが、平成 11年の卯年だから、今年でちょうど干支が一巡した。
その前年の平成 10年まではどうしていたのかというと、これが全然思い出せない。残念ながら、デザイン・データも残っていない。
平成 11年といえば西暦では 1999年で、Windows 95 が出てからだいぶ経っている。私は Windows 3.1 の時代から自分の PC を購入し、すぐに「筆まめ」を使って宛名印刷をし始めた。いや、宛名印刷だけなら、25年ぐらい前からワープロ専用機の OASYS を使ってやっていた。
だから、宛名印刷だけではなく、文面の方だってかなり前から手書きだの「プリントごっこ」だのの段階は卒業していたはずなのだ。だが、オリジナル・デザインに凝るようになったのは、平成 11年からで、その前までは、ありきたりの門松だのの絵を配していたのだと思う。
平成 11年は、Windows 98 が出て間もない頃だったが、この年の年賀状を作成した時点では、まだ Windows 95 を使っていたと思う。ただ、その頃に、画期的な変化があった。インターネットを使って、年賀状用の画像素材が簡単に入手できるようになったことである。
私は何しろ、絵を描くのが下手くそである。文章を書くことなら、昔は業界新聞の記者だったし、今でも多少の原稿料を稼ぐのだから、一応プロである。それに この通り、毎日和歌を詠んで、写真まで添えているのだから、文芸と写真だって、少なくとも苦手というわけじゃない。
音楽だって、こちら に書いたとおり、昔はセミプロだったこともある。音楽理論だって少しはわかっているから、母校の校歌のアレンジだって、この通り、ちょいちょいっとやれる。自慢じゃないが、私は文学修士の称号を得ている。英語でいえば、Master of Arts というぐらいのもので、芸術関係は苦手じゃないのだ。
ところがなぜか、絵を描くのだけは昔から苦手なのである。もう、ガキの落書きみたいな絵しか描けない。だから、インターネットでデジタル素材が簡単に入手できる時代になるまでは、オリジナル・デザインの年賀状なんて、作りたいと思ってもできなかったのだ。
ただ私は、自分でイチから絵を描くことはできないが、素材を組み合わせてアレンジすることなら多少はできるみたいなのである。つまり描くテクニックがないだけで、アイデアやセンスは、ないこともないのだ。だから、他人の作った素材をアレンジして勝負できる時代になったことは、ありがたい限りなのである。
というわけで、本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 では、毎年正月限定企画として、「年賀状コレクション」を公開している。平成 11年からのオリジナル年賀状のコレクションだ。平成 14年頃まではネットで公開するなんて想定していなかったから、手書きコメント用の余計な空白があるが、それ以後はウェブ向けのデザインになっている。
平成 20年の子年は母の喪中で欠礼しているので、干支が一巡したとはいえ、11年分しか作っていないのだが、来年は二度目の卯年のデザインをすることになる。さて、どんなのになるだろうか。
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コメント
過去の年賀状コレクション拝見しました。
毎年添えてある言葉も含めて、なかなか味わいがありますね。
特に平成11年と12年のものは色のセンス、17年と21年のは構成のセンスを感じます。一番好きなのは平成15年の羊のやつですね。市販の本に載っていてもおかしくないくらい渋いです。
今年のトラの年賀状を見て、普通に筆やペンを持てば「描ける」人なんだと思ってました。シマがふわふわした感じになっているのはマウスで描いたからで、味気のない横縞にならないように微妙に斜めになっていますし、タブレットを使えばびしっと決まったんだろうなあ、と思っていたくらいです。それくらい、色のバランスと構成が見事だと感じました。
自分は高校時代は油絵を書いていましたが、最近は全然絵は描いてなくて、年賀状もパソコンで印刷できるようになってからは自分でイラストを添えるのはやめてしまいました。基本的に面倒くさがりなんです(^^;
絵は突き抜けた才能を持っている人もいますが(子どものころからとんでもない絵を描いていた友達が何人かいました)、そうでない人でもちゃんと見てたくさん描けばうまくなるので、takさんのように観察力の鋭い人ならあっというまに上達すると思いますよ。
来年のウサギの年賀状が楽しみです。
投稿: ぐすたふ | 2010年1月 7日 19:54
ぐすたふ さん:
ほめすぎですよ ^^;)
実は私の妻がなかなかいい絵を描く人で、以前は私も真似して描いていましたが、描き上げて 「どう?」 と聞くと、「う~ん…… おもしろいわね」 と、いつも同じ返事でした。
つまり、ほめようがなかったようです。
(けなすのも忍びないので、そうしか言いようがなかったということで)
投稿: tak | 2010年1月 7日 21:25