日本語文の中の英単語をスペースで区切るか
これはもう、好みの問題なのかもしれず、あまり声高に言ってもしょうがないことなのだが、私は横書きの日本語の文章の中に英単語が登場するとき、半角スペースで区切るかどうかというのが、ものすごく気になっている。
ウェブをざっと眺めると、英単語を日本語同様に扱って、スペースで区切らない表記の人がほとんどのような気がする。例えば、「私はmixiとtwitterをやってます」 とか 「この問題に関するJOCの見解は」とか「マイケルジャクソンのTHIS IS ITをみてきた」とかいう表記が、圧倒的に多いようだ。
私は上記の例でいえば、「私は mixi と twitter をやってます」とか「この問題に関する JOC の見解は」というように、英単語は半角スペースでくくって表記しないと何となく気持ち悪いので、そのようにしている。とくに 3番目の例なんかは、「マイケル・ジャクソンの "THIS IS IT" をみてきた」 と表記しないとかなり気持ち悪い。
"THIS IS IT" と分かち書きにするのだから、その前後だって分かち書きにしておかないと理屈が通らないだろうというのが、私の感覚である。そしてクオーテーションマークも、半角の 「"..."」 で 「“...”」 ではないところに、またちょっとしたこだわりみたいなものがある。私は個人的には 「“...”」 は好きじゃないのだよね。
2番目の「JOC」というのは、略称として日本語化されているからいいじゃないかという見方もあるだろうが、半角英文字で表記する以上は、やはりスペースでくくりたい。私は横書き文書の場合は大抵半角英文字にするし、縦書きの場合は全角で表記するように区別している。そうでないと、やはり気持ち悪い。
まあ、この気持ち悪さは個人的な感覚なので、他人に対して「お前もちゃんと気持ち悪がれよ」なんていう気もないし、他人の表記の仕方については別にどうでもいいのだけれど、私自身としてはちょっと譲れないというところがあるのだ。
このあたりの表記は、ある程度の共通理解のもとに決まったルールなんてものがあるわけじゃないようで、要するに、日本語表記は横書きが一般化してからそれほど時間が経っておらず、ましてや、日本語文の中に英単語が混在するなんてことは、昔は想定されていなかったのだと思う。
だから、こんなふうに混乱した状態なのであり、これをルール化しようなんてことになったら、議論百出でまとまらないんじゃないかとも思う。当分はローカルルールより細かい個人ルールで進んでいくんだろうなあ。
ちなみに、MS の Word では、英文字フォントを century などの英文字用に指定しておけば、自動的に英単語の両端にある程度の余裕ができるので、スペースでくくるかどうかなんてことは気にしなくていい。ただ、英文字も明朝とかに指定してしまうと、この限りではない。明朝体の英文字は美しくもないから、個人的にはおすすめしない。
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コメント
数日前に iPhone と書いた時に何か気持ち悪いな、と感じた原因はコレでしたか。いっそアイフォンって書こうかと思った程です。
コレ以外に表記のしようがないし、英字と日本語を混ぜて書く以上仕方がない、と送信してしまいました。
tak-shonai の文章に慣れたからなのか、それとも英単語が潜在的に半角スペース込みで完成だったのか。何にせよ、もやもやが晴れた心地です。mixi とか全角大文字表記ならちょっとは違和感が薄れるかな、なんて思いながら誤魔化していましたから。
良い方法を学びました。(゚▽゚*)
投稿: 夜の指揮者 | 2010年2月16日 11:47
ご無沙汰しておりました
私も庄内さんと全く同様の書き方をしております
時には流れで半角スペースを入れないこともあるでしょうが、基本的にはきっちり半角スペースを入れないと気持ちが悪い
たぶん、庄内さんも私も、日本語ワープロ(またはパソコン)よりも英文タイプライターに最初に接したためではないでしょうか?
英文(を含む印欧語)では各単語がかならず半角スペースで区切られなければなりません
分かち書きの無い日本語に英単語をそのまま放り込み、両者が接着(笑)混在すると、その箇所では、秩序が乱れるのです
英単語を日本語の単語に付着(笑)させてしまうと、それぞれの持つ、本来の属性・語彙が変質してしまうような気持ちもします
この様に、日本語と英単語をほぼ同等に感じるバイリンガル、またはそれに準ずる人達は、逆に両者の異質性を知るが故に、表記法において、こだわりを持つのでは無いでしょうか?
また、論理的に・・・と心がけるタイプの人間は、各語の属性や立ち位置を屹立させようとするのでしょう
投稿: alex99 | 2010年2月16日 14:20
国語審議会が機能しているのかどうか知りませんが、学術論文などを見ると必ず空けていますね。
カタカナ、漢字に加えてアルファベットまでが混じると苦々しく思いますが、これも翻訳文化のなせる業でしょう。
日本語にアルファベットを日本語として書き加える場合、全角で間隔を挟まずに書くかやはりジェー・オー・シーが正解でしょう。学術論文のそれも大変問題がありますが、混在文の場合は半角でしか書けないから仕方ないですね。
投稿: pfaelzerwein | 2010年2月16日 14:55
うーん、私は入れないですね……。
英文において単語を区切っているスペースには(単語の切れ目という)「意味」がありますが、単に「見た目」のためだけにスペースを入れるのにはむしろ抵抗があります。
……などと書いてはおりますが、単に「面倒」なだけだったりして>自分
投稿: 山辺響 | 2010年2月16日 15:10
夜の指揮者 さん:
>mixi とか全角大文字表記ならちょっとは違和感が薄れるかな、なんて思いながら誤魔化していましたから。
全角表記なら、OK でしょうね。
いずれにしても、まだ公式ルールがない状態ですので、それぞれが気持ち悪くない表記の仕方で進むしかないみたいですけど。
投稿: tak | 2010年2月17日 00:42
alex さん:
お帰りなさいませ!
>たぶん、庄内さんも私も、日本語ワープロ(またはパソコン)よりも英文タイプライターに最初に接したためではないでしょうか?
それは、大きな要素かもしれませんね。
>また、論理的に・・・と心がけるタイプの人間は、各語の属性や立ち位置を屹立させようとするのでしょう
私個人としては、論理的なものより、「感覚的に気持ち悪いから」 ということがあるんですけど、それは論理で裏打ちされたことなのかもしれません。
投稿: tak | 2010年2月17日 00:45
pfaelzerwein さん:
>国語審議会が機能しているのかどうか知りませんが、学術論文などを見ると必ず空けていますね。
私は欧米語混在の学術論文にそれほど多く接した訳じゃないですが、確かにそういえば、そのようですね。
>日本語にアルファベットを日本語として書き加える場合、全角で間隔を挟まずに書くかやはりジェー・オー・シーが正解でしょう。学術論文のそれも大変問題がありますが、混在文の場合は半角でしか書けないから仕方ないですね。
同感です。
日本語の横書き表記は、欧米語を混在表記するのに便利というメリットをとってということがあるわけですし。
投稿: tak | 2010年2月17日 00:49
山辺響 さん:
>英文において単語を区切っているスペースには(単語の切れ目という)「意味」がありますが、単に「見た目」のためだけにスペースを入れるのにはむしろ抵抗があります。
私の場合、むしろ 「見た目」 のためだけスペースを入れているというところがあります。
スペースを入れないと、何となく寸詰まりな感じがして息苦しいので ^^;)
投稿: tak | 2010年2月17日 00:59
この場を借りて、
alexさん、再登場お待ちしてました。
ちょっと心配してました。何はともあれ、おめでとうございます。
投稿: ハマッコー | 2010年2月17日 01:06
私もこの場を借りて(笑)
ハマッコーさん
私の退場直前のコメント
ありがとうございました
また、コメントいただきたく
お待ち申しております
投稿: alex99 | 2010年2月17日 02:29
私も半角スペース入れたい方です。
たぶん、敢えてアルファベットのまま文中に挿入するのだから、括弧の中に入れるような感覚なのではないかと思います。
あと、英語(や元の言語)では複数の単語からなるカタカナ言葉の場合、中黒(・)を入れたくなることが多いのですが、何か基準はあるんですかね。例えば、スポーツクラブだとまだ抵抗がないけど、リスクマネジメントだと入れたくなる、みたいな感じです。
投稿: きっしー | 2010年2月17日 11:43
きっしー さん:
>たぶん、敢えてアルファベットのまま文中に挿入するのだから、括弧の中に入れるような感覚なのではないかと思います。
そういう感覚でもありますね。確かに。
>あと、英語(や元の言語)では複数の単語からなるカタカナ言葉の場合、中黒(・)を入れたくなることが多いのですが、何か基準はあるんですかね。例えば、スポーツクラブだとまだ抵抗がないけど、リスクマネジメントだと入れたくなる、みたいな感じです。
これは難しいですね。
私自身も少々気持ち悪い思いをしながら、実際の表記はゴチャゴチャです。
当記事の中ではたまたま 「ローカルルール」 という表記をしましたが、この場合は、まあほぼ日本語化しているということで。
投稿: tak | 2010年2月17日 16:45
自分も読みやすいだろうということで英語の両端にはスペースを入れる派で、それが当たり前だと思っていたんですけど、大手ニュースサイトをチェックしたところ空けないのが主流になっているみたいですね。これまで何の違和感もなく読んでいたのがある意味ショックです。
「・」は読んだときに紛らわしいと感じられるももののみ入れて、後は基本的に入れないようにしています。他の人の書き方はどちらであってもそんなに気になりません。ただ、「ニュー・ジーランド」とか「ホーム・ラン」とかだとさすがに違和感があるでしょうね(^^;
個人的にちょっといやなのは、横書の場合読点を「,」で表記することがあって、句点も「.」が使われる場合があることでしょうか。見ていてあまり美しくないように思うのですが、科学雑誌などはきっちりこの表記が守られています(もっとも、読んでいるうちに気にならなくなるのですが…)。
投稿: ぐすたふ | 2010年2月17日 19:41
ぐすたふ さん:
超々亀レスで申し訳ありません。
>自分も読みやすいだろうということで英語の両端にはスペースを入れる派で、それが当たり前だと思っていたんですけど、大手ニュースサイトをチェックしたところ空けないのが主流になっているみたいですね。
これは、新聞などの縦書き用に最適化してあるためということが多いのではないかと思われます。
英文字も半角ではなく、縦書き用の全角だったり。
投稿: tak | 2013年10月 3日 14:58