転ばぬ先の杖
最近、永六輔さんのしゃべり方がずいぶん年寄りじみてきて、呂律が回らなくなっていると、あちこちで心配されている。実際、TBS ラジオの 「土曜ワイド」を聞いていると、ふがふがになってしまって、何を言っているのかわからないことがあり、アシスタントの外山恵理さんが健気にフォローしているのがわかる。
当人は「入れ歯が合わない」とか「年だから」とかおっしゃっているようだが、私の印象では、一昨年頃に転倒して肋骨を折ったあたりから、あの立て板に水のしゃべりができなくなってきたように感じている。肋骨を折ると呼吸が苦しいし、横隔膜に力を入れた発声ができなくなるようだ。
放送では「呂律が回らない」などと言っておいでだが、あれは「呂律」の問題ではなく、基本的な体力の問題だと思う。永さんの転倒による骨折は、1度だけではなく 2度あったようで、さすがにしゃべるのが苦しそうな時期が続いていた。そしてしゃべるときも弱々しい呼吸だった。
そして多分、この頃の「楽なしゃべり方」(あるいは、弱い呼吸でのしゃべり方)が身に付いてしまって、あの力強いしゃべり方ができなくなってしまったんじゃなかろうか。人間、歳を取ってから楽を覚えてしまうと、体力を使う仕事ができなくなってしまう。
永さんの場合は、頭が呆けてしまったというわけではないのが幸いだが、転倒して肋骨を折ったために呼吸と口腔内の筋肉がうまく制御できず、そのために一音一拍のしゃべり方がつらくなり、適当にはしょった発声と発音しかできなくなってしまっているという印象だ。
かくのごとく、歳を取ってしまってからの転倒というのは、かなり危ない。とくに腰や脚をやられてしまって寝込んでしまうと、それっきり起きられなくなることが多い。足腰の衰え方というのは急速度で、それを取り戻すのはなかなかできない。
こうして「寝たきり」になってしまうと、頭の方も急速に呆けてしまう。人間、歩かないと頭の血の巡りも悪くなってしまうもののようなのだ。一昨年死んだ私の母も、よく転ぶようになってしまってから、認知症が急速に進んだという印象がある。
何しろ年を取ると脚の筋肉が弱くなって、当人はちゃんと脚を上げて歩いているつもりでも、実際にはすり足になってしまっている。だから「年寄りは座布団にでもつまづいて転ぶ」なんて言われる。
かくいう私も、まだ還暦は先なのに、若い頃に比べると体のバランスが悪くなっているのに気付く。さらに疲れた時に階段を上ると、つま先の裏側が微妙にステップにかするのを感じることがある。あれがよほどひどくなると、階段でつまづいて転ぶことになるんだろう。
私の場合はまだまだ大丈夫だと思うが、いずれにしても転ばないように気を付けたいものなのである。
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コメント
相当前から永六輔さん、フガフガでしたよね
もう、ラジオはやめられた方がいいと思います
酷なようですが,聞いている方がヒヤヒヤするのでは・・・
テレビで見ても、目に光が無いし、言ってることも、なんだかわけがわからないし
テレビもやめられた方がいいと思います(笑)
書くだけに専念したら?
投稿: alex99 | 2010年3月 9日 11:48
alex さん:
>もう、ラジオはやめられた方がいいと思います
>酷なようですが,聞いている方がヒヤヒヤするのでは・・・
前は「土曜ワイド」を楽しみにしていましたが、今は強いて聞こうという気にならなくなりました。
今や、あの番組は、永六輔さんではなく、その取り巻きで成立していますね。
取り巻きががんばって、永さんはたまにしゃべればいいというスタイルにすればいいんですが、なかなか余人をもって代え難いキャラですので、そのあたりが難しいです。
投稿: tak | 2010年3月 9日 12:03
NHKラジオ第一放送派なので、この番組に親しむ機会がありませんでしたが…。
最近の土曜日午前中のNHK-1は、聞くに堪えないのです。
(と書くと語弊がありそうなので)アタクシは聞いてて腹がたつことが多くて困っています。
それは、パーソナリティー(元アナウンサーの方)です。決め付け、独りよがり、じま~ん、「ね、私の言ったとおりでしょ」などの手柄の横取り…。
ということで、精神衛生上よろしくないことを書いてしまいましてすみません。
永さんの番組へ鞍替えしようと思います。
投稿: 乙痴庵 | 2010年3月 9日 12:28
乙痴庵 さん:
>最近の土曜日午前中のNHK-1は、聞くに堪えないのです。
どんなのかなと思い、ウェブで調べたら 「どよう楽市」という番組があり、MC は ……、げ、残間里江子か。
この人、元アナウンサーだったなんて、知りませんでした ^^;)
同じ 「聞くに堪えなさ」 なら、永さんの番組の方がまだずっといいです。
(聞いたことないから比較できないけど、多分)
NHK ラジオは、「ラジオあさいちばん 水曜ビジネスコラム 私の仕事術」とかいうのも、聞くに堪えないです。
あの、かつまなんとかって人が、耳障りな声でほざきまくってます。
投稿: tak | 2010年3月 9日 12:53
>MC は ……、げ、残間里江子か。
その、「げ、」の部分を詳しく伺いたいところです…。
投稿: 乙痴庵 | 2010年3月 9日 19:08
かつまなんとかサンって、確かに耳障りですね。
ビジネスで成功したわけでもないのに(まっ、テレビに出演したり本を売るビジネスには成功してることは認めるが)、大成功したビジネスウーマンの代表みたいな感じのものの言い方がブーッです。
“ヒット商品の秘密”なんて偉そうにBSで解説してたけど、そんなの後からなんとでも言えるって。バカバカしいからテレビ消しました。
それからテレビカメラの前に立つときは、スカートのおなかの下の皺はいただけませんって。歌手や女優じゃないから許されるかも知れませんがね。これは相当目障りでした。
最近、私は躓くことが多くなりました。しっかり足が上がってないんですね。元々運動は苦手なんですが、それを差し引いても老いを認めざるを得ません。悲しいです。
投稿: ハマッコー | 2010年3月10日 00:28
>>MC は ……、げ、残間里江子か。
> その、「げ、」の部分を詳しく伺いたいところです…。
別に深い意味はないんですが ^^;)
(深い意味を込めるほどのこともないということで、よろしく)
投稿: tak | 2010年3月10日 15:33
ハマッコー さん:
>かつまなんとかサンって、確かに耳障りですね。
最近、女は 「アグレッシブ」 というだけでいい女だと思われる風潮があるような気がします。
男があんな風に薄っぺらにアグレッシブだと、馬鹿みたいか、お笑いかのどっちかですけど。
投稿: tak | 2010年3月10日 15:36