自動で 「ついで買い」 促す券売機
ululun さんが Twitter で「フツーに駄目だろう」と tweet している(参照)のが、"自動で 「ついで買い」 促す券売機" のお話だ。ふ~む、Amazon で本を買うときに、「よく一緒に購入されている商品」「この商品を買った人はこんな商品も買っています」のオススメにぐっと心を動かされがちな人が、こんなことを考えたのかなあ。
紹介されているのは、寺岡精工という会社が開発した「次世代タッチパネル券売機」というもので、名前を「Saleup (セラップ)」というんだそうだ。うぅむ、このスペルで「セラップ」というのは、私としてはちょっと抵抗あるなあ。どうして「セーラップ」じゃ駄目なんだろう。もしかして、既に登録されていたとか。
紹介記事によると、人手や手間をかけずに、お客に "一声" かけられるんだそうで、お客の来店を関知して、「おはようございます」といった挨拶や「新商品の○○はいかがですか?」なんてことを自動的に声掛けしてくれるという。私としては、機械に挨拶されてもちょっとなあ。
実は「セラップ」は 2008年 8月から発売されていて、150台の販売実績があるんだそうだ。約 1年半で 150台というのだから、ならすと年間 100台の販売か。この台数が多いのか少ないのか、よくわからないが、少なくとも私はそれに出くわしたことがない。
挨拶から後の機能は、以下のように紹介されている。
例えば、ラーメン店なら 「ミソラーメン」 のようにメインの商品を選ぶと、そのメニューに合ったトッピングやサイドメニューを自動的に表示し、“ついで買い”を促せる。
サイドメニューばかりでなく、麺の大盛り、普通盛り、茹で加減などを表示し、選択してもらうことも可能だ。選ぶべき選択肢だけ表示できるので、お客が迷うことがない。ボタンがずらりと並ぶ従来の券売機との大きな違いだ。
うぅむ、これもまた微妙だ。普通、客というのは、サイドメニューやトッピングは、席に着いてからじっくり選びたいものなんじゃないかなあ。とくに券売機の前に何人か列に並んでしまったら、画面でいろいろ聞かれるとうざったいんじゃなかろうか。
これについては、次のように書かれている。
寺岡精工ホスピタリティソリューション事業部の鹿野浩二次長は、「10人中 7〜8人は券売機に 1000円札を入れる。600円のラーメンを注文したなら、お釣りとなる300〜400円をどう取り込むかが売り上げアップの勝負」と話し、この自販機がその有効な手段になるとアピールする。
確かに、人によっては千円札を入れたらお釣りを受け取るより、あれこれ余計なものまで注文したいという人もいるだろうから、そういう人にはありがたいかもしれない。しかし初めから「ミソラーメン」と「焼き餃子」だけ食うと決めている人には、単に面倒なだけだろう。その辺をどう解決しているのか。
記事には、この券売機を導入した店の成功事例というのが紹介されていない。150台も売っちゃったんなら、少しぐらいは紹介したい事例があるだろうになあ。600円のミソラーメンに焼き餃子 300円を 「ついで買い」 する人が 5人に 1人いれば、それだけで単純計算では 10%の売上アップになるのだが、それほどの効果があるのかどうか。
私なら、1,100円投入して 500円玉のお釣りをもらうだけだから、何をオススメされても初志貫徹なのだが。
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