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2010年3月28日

『唯一郎句集』 レビュー #116

このレビューは連番が振ってあるが、たまたま振り間違いが発見されたので、遡って修正した。そのため、昨日までは 「#113」 だったのが、「#115」 に修正され、今日はいきなり 「#116」 となる。

今日は 「楚子夫人の帰省を迎へ三句」 とある句のレビューである。「楚子夫人」 が誰であるのか、今となってはわからない。なにしろ、「楚子」 (そし) という俳号をもつ人の夫人なのか、「楚子」 (たかこ) という名前の女性なのかもわからない。

まあ、さる女性が酒田に帰ってきたことを題材にした俳句であることに間違いはないのだが。

  楚子夫人の帰省を迎へ三句

薄い染付の鉢へことしも枇杷をのせてくるか

読んで字の如しとしか言いようがない。いつも薄い染め付けの鉢に枇杷を載せて訪ねてきていた楚子夫人が、今年もやって来るだろうということなのだろう。

唯一郎は、楚子夫人を好ましく思っているようである。

擴大鏡で熱心に毛虫を覗いてゐる靴屋の父つさん

これもまた、読んで字の如しである。靴屋の親父が、虫眼鏡で毛虫を覗いている。その様が、なかなか絵になるみたいなのだ。

女住居の裏戸からひと山かけて虎杖の風

「虎杖」はイタドリ、別名スカンポともいう。食用になる。この句では、「こじょう」と音読みするのも風情かもしれない。

楚子夫人の閑居する家の裏から、イタドリの生える山が続く。そこに爽やかな風が吹き付ける。さらさらと葉擦れの音が聞こえる。

本日はこれにて。

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