『唯一郎句集』 レビュー #114
今日は瓜の登場する晩夏の 2句。若い頃の作風なのではないかと思うが、なにしろこの句集は年代順ということに関してはかなり飛び飛びだから、よくわからない。
瓜をくふさみしい大雅堂の男の顔
「大雅堂」 というのだから、池大雅と何らかの関係がありそうな気もするが、よくわからない。
インターネットで調べたら、京都の「雙林寺大雅堂」 というのが見つかったが、別に京都まで行って作った俳句とも思われない。それに、これは明治頃に取り壊されてしまっているらしい。というわけで、一体どこの大雅堂なのかわからない。
もしかしたら、大雅堂という名の何かの店のガラス戸に、自分が瓜を食う姿が映ったのかもしれないという気もする。
瓜畑の風見える腹ばふてこの夏のをはり
瓜畑を渡ってくる風に吹かれながら、腹這いになっている。そして、この夏も終わりに近いと感じている。
夏の終わりというのは、いつでも決まってもの悲しい。
本日はこれぎり。
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