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2010年4月12日

新党の行く末を暗示する画像

新党「たちあがれ日本」が、あちこちであまりにも散々な言われ方なので、少しは好意的な記事を書いてみたくなった。元々私は、平沼赳夫さんは嫌いじゃないのだ。与謝野馨さんは嫌いだけど。まあ、それで今回の新党に関しては、積極的に待望論的な書き方ができないでいることがストレスである。

さらにまた石原慎太郎さんも、何度もブログで書いているように好きじゃないのである。私は近頃、政治家を単純に「好き嫌い」で区別するクセがついているようなのだ。他の分野では「好き嫌い」にプライオリティをもたせて表に出すのは愚かしいことだと思っているのだけれど、なぜか政治家だけは「好き嫌い」でものを言ってしまうのだよね。

それに、世の中はまさに複雑系の産物というわけで、私が嫌いでない平沼さんは、私が大っ嫌いな石原さんと仲がいいみたいだし、かなり一筋縄ではいかないようなひっからまり方をしているようなのである。

 

ここまでは全然好意的な記事になっていないので、ここからは無理に世の中の大勢に反発してみる。「立ち枯れ日本」だの「老人党」だのと、単に参加者の平均年齢が高いというだけで揶揄されているのだが、70歳を少し越したばかりなんていうのは、まだまだそんなにじいさん扱いするような年ではない。

そのうち、日本の人口ピラミッドは、80歳代の人間の方が 20歳代の人間より多くなるのである。つまり、はっきりと「じいさんばあさんの国」になるのだ。いや、地方に行ったら既にじいさんばあさんばっかりである。ほとんどじいさんばあさんの国の国会議員なんだから、70歳を過ぎているというだけで、あんまり失礼な言い方をしない方がいい。

そのうち、言ってる自分たちだってじいさんばあさんになるんだから、もう少し年寄りに優しくなってもいいのである。これは、半分は本気である。若けりゃいいってもんじゃないのだ。

若けりゃいいってもんじゃないのに、石原さんは、「若い候補者を立てて参院選を戦う」なんて言っている。あんたみたいなうっとうしいじいさんのところに、有望な若手が集まるものかと言いたくなってしまうのを、ぐっと抑える。(もう言ってしまったが)

それから、平沼さんと与謝野さんの政策理念が一致しないから新党は成り立たないなんていう批判があるが、この二人は、元々は自民党で一緒にやっていたのだ。自民党ならいろいろな人がいてもいいが、新党はダメというのは、単なる批判のための批判である。そんなことを言ったら、現政権なんて、民主党の内部だけでもバラバラだ。

政党なんていうのは、基本理念の多少の相違ぐらいは、立ち位置によっていくらでも吸収されてしまうのである。「たちあがれ日本」は、今まさにそういう立ち位置にいるのだから、別にいいのだ。後になって調整するなり別れるなりすればいい。

とはいえ、この新党が本当に期待できるのかというと、なかなかそんな感じもしないというのが本音なのである。石原さんの寝言だけでも、どうか奥の方にしまっておいてもらえないものだろうか。

 

Cr100411

Twitter でも画像入りで tweet した(参照) が、この写真をみると、向って右側の二人、このポーズの意味を理解してない。とくに二人目の園田さんが、その場の演出意図を全然理解できてないので、目立ちたがりの石原さんの強引な手の差し出し方を誘引している。

新党の行く末を暗示するような、象徴的な写真である。「わがままなじいさんととぼけたじいさんの寄り集まりになっちゃったら、どうしようもないなあ」 と思ってしまう自分がいて、結局はちっとも好意的な記事にならないというのが、とても悲しい。

 

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コメント

ナイス・トライと申し上げておきます。
ついでに自民党版と民主党版もシリーズでやってみると頭の体操になるカモですね。

ひとつだけマジレスすると、なぜ自民党や民主党なら根本的な思想の異なる人たちが混在していてもよくて新党ではダメなのかという点です。これは、ニッチ市場をターゲットとする政党なのか、2大政党(すなわち中間的な浮遊層を獲得できる、あるいはしなければならない、勢力)の一角なのかという違いでしょう。

してみると、みんなの党は、この調子で行くと、いずれかの時点で後者的にふるまわざるを得なくなってしまうのかもしれません。小選挙区制の下では第3極というのは持続しにくいでしょうから、どこかで次のフェーズというか、モデルチェンジが必要になるんでしょうね。

投稿: きっしー | 2010年4月12日 12:14

きっしー さん:

>ひとつだけマジレスすると、なぜ自民党や民主党なら根本的な思想の異なる人たちが混在していてもよくて新党ではダメなのかという点です。これは、ニッチ市場をターゲットとする政党なのか、2大政党(すなわち中間的な浮遊層を獲得できる、あるいはしなければならない、勢力)の一角なのかという違いでしょう。

その通りですね。
わかってて、勢いで言っちゃいました (^o^)
ただ、今のところは、立ち位置で吸収できるだろうと。

>してみると、みんなの党は、この調子で行くと、いずれかの時点で後者的にふるまわざるを得なくなってしまうのかもしれません。

そうですね。あり得ますね。
今のところは、非常にいいポジショニングなんですが、あまりそこに最適化しすぎると、次の一歩が踏み出せません。

投稿: tak | 2010年4月12日 12:42


 直感的に”駄目だ”って感じるものってのは、本能的にそれが自分たちの生存にとって危険だなぁっていう事を察知してるんじゃないかって気がします。

 そういうのって生きる為の直感ってもので、だんだんと感度が悪くなってきているんでしょうね。もちろん百発百中じゃないんでしょうが。


 石原さん、いぜんは別に好きでも嫌いでもない人だったんですが、最近は”嫌い”な感じです。有益さよりもむしろ害がありそうなそういう予感のする人物と感じるようになりましたw

投稿: きんめ | 2010年4月13日 15:48

きんめ さん:

>直感的に”駄目だ”って感じるものってのは、本能的にそれが自分たちの生存にとって危険だなぁっていう事を察知してるんじゃないかって気がします。

あるいは、「駄目だ」 と感じるから、結果的にも駄目になるのかもしれません。
そのあたりは微妙です。

ただ、「駄目だ」 と直感的に感じさせてしまうことというのは、やはり重要なポイントですね。

当人たちが浮かれているだけのように見えてしまいます。

投稿: tak | 2010年4月14日 16:48

私的に「立ち枯れ」というのは本人達とは関係なかったんですが・・・、
二番煎じになってしまいましたね。
主張的にも、性格的にも、手を組みそうにない人達が政党を創ったので、
後ろで手綱を引いてる妖怪爺様が透けて見えそうなんです。
なんとなく次期自民党を創ろうと試行錯誤してるように思えて。

養分もらって起ったは良いけど、なんか早々に見限られて根っこ切られてしまいそうで。
選挙まで持つのかな~と。

平沼さんなんか一人の方が良いと思いますね。

投稿: vagari | 2010年4月15日 22:34

vagari さん:

>なんとなく次期自民党を創ろうと試行錯誤してるように思えて。

次期自民党にはなりそうもないですね。

>養分もらって起ったは良いけど、なんか早々に見限られて根っこ切られてしまいそうで。
選挙まで持つのかな~と。

選挙まではもちますよ。確実に。
そして、選挙が終わったら僅かながら勢力が拡大しているだろうと、私はみています。

右翼バネの働く受け皿にはなるでしょうから。

投稿: tak | 2010年4月15日 23:09

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