春から初夏にかけても、油断がならない
いつまでも桜が散らないと、ちっとも桜らしくなくて、ありがたみが薄れてしまう。東京の桜も、葉桜になりかけたまま、なかなか散りきってしまわないので、往年の美人女優がシワだらけの顔で久しぶりに登場したのを見るような、ちょっとわびしい気がしてしまう。
やはり、桜はぱっと咲いてぱっと散るのでないといけない。
それにしても、「三寒四温」とはよく言うけれど、「一寒一温」みたいなサイクルで、5度以上も気温が上がったり下がったり、忙しい春である。この傾向は冬の間から顕著だったが、いつまでも安定しない。
この冬は暖冬だったということだが、印象的には典型的な暖冬だったと思っている人は少ない。ぐっと寒くなったかと思うと急に春のような陽気になるという繰り返しで、わけがわからない冬だった。この冬の気温のように上下の差がありすぎる場合は、単純な平均値を出してみてもあまり意味がない。
だから、「平均気温が平年より高かったから、暖冬」と言われても、確かにそうではあるんだろうけれど、「はい、そうですね」とはなかなか言いにくい。いろいろと理屈をくっつけてみて、初めて「まあ、それなら暖冬ということでもいいや」と納得することになる。
このギャップの激しい天候の要因のキーワードは、「北極振動」と「エルニーニョ」なんだそうだ。北極振動というのは、話せば長くなるので、Wikipedia を見て納得していただきたい。
この冬の天気のわけのわからなさは、2月 15日の記事で書いたように、
時々、北極からの寒気が連打を繰り出して攻め込んで来るが、それがちょっと打ち疲れを見せるとすぐに、エルニーニョが下からタックルを繰り出して押し戻す。日本付近でそんな状況が続いているらしい。
ということだったようなのだ。北極からの寒波というのが、北極振動によるものである。厳冬要因の北極振動と暖冬要因のエルニーニョの異種格闘技戦が、この冬の天候のわけのわからなさの源だったのだ。
で、問題は、エルニーニョがそろそろ終わりになりそうだということなのだ。エルニーニョが終わってしまったら、北極振動はやりたい放題になる。連休を過ぎても、どんどん寒気を押し出してくるようになる。
そうなると、上空に寒気が入ってしまい、雷やら雹やら竜巻やらの、あまりありがたくない災害要因が増える。遅霜だの霧だのも油断がならない。今年の春から初夏にかけては、覚悟を決めておく方がいいようなのだ。
| 固定リンク
「自然・環境」カテゴリの記事
- X(旧 Twitter)から Bluesky に引っ越そうよ(2024.11.15)
- 今週半ばから、一気に秋が深まるようなのだが(2024.11.04)
- 「富士山 まだ初冠雪なし」というニュースの裏表(2024.10.31)
- 「ススキ」と「オギ」の見分け方(2024.10.21)
- 一体いつまで夏なんだ !?(2024.10.20)
コメント
あぁ。お野菜が…。
下手すりゃお魚も…。
今年の米は…。
(以下略)
投稿: 乙痴庵 | 2010年4月14日 22:59
乙痴庵 さん:
うまいメシが食えなくなるかもしれませんね。
やっぱり天気は順調なのがいい。
投稿: tak | 2010年4月15日 16:25