猫が冬毛を脱ぎ捨てたがらない
我が家には猫が 2匹いて、両方ともメス猫である。卵巣除去手術をしているので、子を産んだことは一度もない。年上の方は真っ白で、年下の方が真っ黒。年は 大体 17~18歳と 12~13歳で、両方ともバアサン猫だ。とくに上の方は、人間でいえば 80歳以上に相当するらしい。
2匹の猫は、色だけでなく性格も正反対だ。年上の白猫は、やたらと気位が高く好戦的。よその人間がかまおうとすると、すぐにひっかいたりかみついたりして血を見るので、要注意である。年下の黒猫は対照的に甘えん坊で平和主義者だ。やたらと人の膝の上でまったりしたがる。
猫が 2匹いる家というのは、ニートなたたずまいなんて望むべくもない。壁紙は爪痕だらけになり、ふすま紙は破られ、カーテンの裾はずたずたになり、網戸はばりばりに破られる。そして初夏になると、抜け毛がひどくて、廊下の隅は白と黒のケサランパサランだらけになる。
例年大体 5月半ば頃に抜け毛の季節になるので、がんがんブラシをかけてやって、できるだけケサランパサランになる前に処理してしまうことにしているが、それでもやはりどんどん抜ける。
とくに気位の高い白猫は、なれなれしくブラッシングされるのをよしとしない。1~2分は気持ちよさそうにブラッシングされているのだが、それ以上はうっとうしくなるらしく、突然がぶりとかみついてきたりするからヤバイ。だから、廊下の隅のケサランパサランも、圧倒的に白毛が多い。
その量たるやたいしたもので、1匹の猫から発生する抜け毛で、手袋ぐらいはちゃんとペアで編めるんじゃないかと思うほどだ。
いつもの年は、5月半ばにブラシして身軽にしてやると、2~3日ぐらいは寒そうにしているが、すぐに季節が進んでまた暑苦しそうな顔をし始める。その頃にもう一度ブラシをかけてやると、またまた大量の毛が抜ける。よく丸裸にならないものだ。
ところが、今年は様子が違う。5月中は何度か暑い日もあったが、すぐにまた肌寒さが戻るので、下手に冬毛を除去しすぎたら風邪を引いてしまうと思い、一度もブラッシングしてやらなかった。それでも、廊下の隅のケサランパサランはあまり目立たない。つまり、あまり冬毛が抜けていないようなのだ。
6月の声を聞き、この一両日になって、ようやく少し抜け毛が廊下でフワフワし始めたが、これは例年より半月ぐらい遅い。いくらバアサン猫になって新陳代謝が衰えたとはいえ、遅すぎる。
今年の天気の異変は、猫の抜け毛にも現れているとしか思われない。
さすがに沖縄奄美地方は先月初めに梅雨入りしたが、梅雨前線はそれっきり北上せず、例年ならそろそろ九州に迫ろうとしているはずなのに、台湾あたりまで戻ってうろうろしているらしい。
この分でいくと、本州の梅雨入りは例年より大幅に遅れて、今月末になるのではないかなんて言われている。梅雨が明けるまでには大体 1ヶ月ちょっとぐらいはかかるから、梅雨明けは 7月末とか、8月初めなんてことなりそうだ。下手したら、去年の東北地方のように、「いつ梅雨が明けたんだかわからない」なんてことになりかねない。
もしかしたら、夏の日照不足で米が不作、野菜も不足なんてことになるかもしれない。それよりも、子どもたちが夏の絵日記に書くような景気のいい材料が不足するだろう。不憫なことである。
猫はそのあたりの季節の進行具合をきちんとわかっていて、まだまだ冬毛を全部脱ぎ捨てるのに躊躇しているようなのだ。
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コメント
釣りをしていると、昨年の冷夏の影響を感じます。
釣りのターゲットとしてメジャーなキスとかアオリイカはだいたい1年のライフサイクルで、その年に生まれた小型のものが秋に釣れ、冬の間は深場に消えて、春から初夏に大型が釣れるというのが例年の形です。
昨年の冷夏で産卵期が遅れたand/or餌を十分摂取できなかったせいか、今年のキスやアオリイカはこの時期でも秋サイズのチビがかなりいて、びっくりしています。産卵期までに十分生育していない個体は、もう1年長生きしてしまうこともあるらしいですが、婚期を逸するヤツもいるでしょう。
釣り人としては悩ましいです。まあ、実際にはそもそも腕の問題で釣れないので、単に釣り場で無為に過ごしている時間に形而上的に悩んでいるだけなのですが。
投稿: きっしー | 2010年6月 7日 12:04
きっしー さん:
天候不順の影響というのは、よく見ると自然界にちゃんと現れてるんですね。正直なものです。
花の咲く時期も、なんだか少しずつずれているというか、ものによってはなかなか咲かなかったり、いつまでも咲いてたり。
そういえば、今年は桜がいつまでも咲いていて、かえってしらけました。
投稿: tak | 2010年6月 7日 20:24