ネット選挙、間に合わず
先月 20日に、せっかく 「ネット選挙が解禁されそうなのだが」 という記事を書いたのだが、どうやら国会審議の時間切れで、来月の参院選には間に合わない公算が強くなったらしい。せっかく与野党の合意があるんだから、ほんの 5分ぐらい時間を割いて、ちょいちょいっと法案成立させてくれたらよさそうなものだが、そういうわけにいかないようなのだ。
西日本新聞は 5月 28日付で、"ネット選挙解禁 「べからず法」から脱皮を" という社説を掲げているが、この中に次のようなくだりがある。
「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)は先月、公選法が「制度疲労の極限」にあるとして、「ネット選挙の早期解禁」のほか、「文書図画の利用の自由化」「戸別訪問の解禁」「公開討論会の自由化」などを提言している。
そうなのだよ。今の公選法では、文書図画(いわゆる「ビラ」ね)の頒布枚数まで細かく制限されているのだ。その根拠は、選挙にあまり金がかからなくするということらしいのだが、文書の印刷コストにかかる紙の枚数のなんてあまり関係ないというのは、今どき素人でも知っていることだ。ばかばかしい。
さらに、戸別訪問もしちゃいけないし、公開討論会も自由にできないのだ。戸別訪問の禁止は買収などの不正行為をしにくくするためという。
私が今のつくばの地に引っ越してきた 30年前は、まだまだ買収がフツーに行われていたようなのだ。ある選挙の告示直前に某村会議員が訪ねてきて、今にも懐から現ナマを出しそうになったので、頭にきて追い返したことがあったが、後で聞いたら、周り中で当然のごとくもらってる人が多くて驚いた。
中身は 5000円札だったというが、今のご時世にそんなことをしたら、すぐにバレバレになって、かえって逆効果だろうよ。逆に、戸別訪問してきた候補を支持したかったら、1,000円寄付するぐらいの気持ちを持っている人は、案外多いんじゃなかろうか。
公開討論会ができないというのも、要するにそんなことしたら、候補の無能がばれてしまうからということのような気がする。
ネット選挙解禁をきっかけに、公選法をばりばり改正してくれないことには、この国の選挙はこんなにもばかばかしくて、投票に行かない若者の気持ちが、私なんかわかってわかってしょうがないんだけど。
鳩山さんが普天間の問題で余計な時間を食わずにサクサクとやってくれていさえすれば、7月の選挙キャンペーンは、とりあえずネットを活用できたのに、まったくもう、この 8ヶ月は一体何だったんだろう。まあ、小沢さんを引きずりおろすための必要な準備期間だったと思えば、少しはあきらめがつくというものだが。
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 玉木さん、脇が甘かったね(2024.11.11)
- トランプとの付き合い方のお手本は、安倍晋三らしい(2024.11.09)
- ストレスを感じたら、セサミストリートで癒やされよう(2024.11.08)
- トランプ、「単純ポピュリズム戦略」で勝っちゃった(2024.11.07)
- トランプと旧統一教会分派、そして日本の自民党(2024.11.02)
コメント
戸別訪問は勘弁してもらいたいなあ、私は。
もっとも、創価学会の人は平気で電話をかけてきて「あなたの選挙区は○○氏に」と公明党候補への投票を頼んできますけどね。大学で同学年だったという程度の知り合いからのそういう電話に出てしまい、「どんな人なの?」と聞いてみたら「よく知らない」と言われました。
わはは。
投稿: きっしー | 2010年6月11日 17:47
きっしー さん:
>戸別訪問は勘弁してもらいたいなあ、私は。
実を言えば私もそんな感じですが、強烈に魅力的な候補の運動員がきてくれたら、その場で運動費を寄付しちゃうかも。
>もっとも、創価学会の人は平気で電話をかけてきて「あなたの選挙区は○○氏に」と公明党候補への投票を頼んできますけどね。
創価学会員から電話がかかってきたら、「あ、ごめんねぇ、期日前投票、済ませちゃった」ということにしています。
すると向こうも効率重視ですから、すぐに電話を切ってくれます。
投稿: tak | 2010年6月11日 22:49
前回、民主党支持に回った人の多くは、
「民主党が議席数を増やすことによって、国が変わること」
に期待していたように思います。それがいつの間にか
「民主党そのものの支持」
に頭の中ですり変わったりする。自分でも気づかないから恐ろしいですね。
国が変わることに期待して票を投じるのか、
その党(人物)自体に期待して票を投じるのか、
投票時にはよく考えたいものです。
>この 8ヶ月は一体何だったんだろう。
なんだったんでしょうね本当に。
色々なことが「だから無理だって言ったでしょ」としか言いようがない感じで。
選挙に関心を持ってくれた人もいたでしょうに、これで離れてしまっては元も子もない。
投稿: キセ | 2010年6月12日 11:20
キセ さん:
>前回、民主党支持に回った人の多くは、
>「民主党が議席数を増やすことによって、国が変わること」
>に期待していたように思います。それがいつの間にか
>「民主党そのものの支持」
>に頭の中ですり変わったりする。自分でも気づかないから恐ろしいですね。
私が前回民主党に投票したのも、決して民主党を支持したからではなく、政権交代がフツーに行われる状態を現出したいという思いからでした。
今でもそれは変わりません。
ですから、もう一度だけ民主党に投票して、やり直しするところを見たいと思ってます。
この8ヶ月間はあまりにもひどかっただけに、評価のしようもありませんから。
投稿: tak | 2010年6月12日 13:05