相撲と博打
相撲の世界が野球賭博騒動でガタガタになっている。よくまあ、そんなに大勢の関取や親方が賭博に入れ込んでいたものだと思うが、元々お相撲さんは博打が大好きな人たちらしい。
先日ラジオを聞いていたら、ある放送記者がおもしろいことを言っていた。相撲を担当することになったとき、先輩から「くれぐれも、麻雀ができるとだけは公言するな」と言われたそうだ。これは代々の相撲担当記者の申し送り事項だったらしい。
相撲取りの前で「私、麻雀できます」と一度言ってしまうと、大変なことになるのだそうだ。強引に賭け麻雀に引きずり込まれ、しかもその金額が半端じゃないらしい。だから相撲の世界に関わりを持ったら、失っても惜しくない金がいくらでもあるとか、そもそもご祝儀を出すつもりとかでない限り、「麻雀ができる」なんて口にしてはいけないというのだ。
とまあ、こういうわけだから、マスコミの担当記者は、相撲の世界がギャンブルまみれということぐらい、ずっと前から知っていたはずなのである。ちょっと周りを見渡せば、怪しげな、いかにもそれとわかる人物が我が物顔に出入りしていることにも気付いたはずなのである。なにしろ本場所の向こう正面にしょっちゅう座ってるぐらいなのだから。
それでも、まあ、言えなかったんだね。相撲の世界はよきにつけ悪しきにつけ、「伝統」とやらでぐるぐる巻きに縛り付けられていたのだ。
相撲取りというのは、基本的に相撲の稽古とひいき筋のご機嫌伺いしかすることがないから、暇である。あんなちょんまげして着物姿で街に出かけても、あまり居心地よくないだろうから、部屋でゴロゴロしている時間も長かろう。そうなると博打ぐらいしかやることがないということにもなるのだろう。
つつましい麻雀や仲間内の甲子園野球優勝校当てぐらいで済ませておけば、それほどの大問題にはならないのだろうが、なにしろ怪しげな人物がしょっちゅう出入りしている世界である。大がかりな野球賭博に関わりを持たずに済ませられるわけがない。でまあ、こんな騒ぎである。
文科省管轄の財団法人として、よくまあ今までこんな状態を見逃してもらえていたものだと感心するが、この辺りにも、政権交代の影響というのが垣間見えたりする。政権交代というのは、やはり時々はした方がいいのである。
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コメント
体を張った、命がけの仕事をしてらっしゃる方は、ギャンブル好きみたいですね。
日本人力士がせいぜい大関どまりになってる理由を、ちょっと覗けたような気がします。
きっと横綱は忙しすぎて、博打やってる暇ないんだろうな。(という下衆の勘繰り)
しかしまぁ、博打をする銭を持てないのも、幸せってことで…。(と自分に言い聞かせ)
投稿: 乙痴庵 | 2010年6月29日 12:59
武蔵川理事長は“こんなに野球賭博に手を染めているものが多いとは思わなかった”といってますが、嘘でしょうね。角界に約50年も身をおいてる人間が知らないはずはないですからね。
それにしてもあの人は言葉が“幼い”、北の湖もひどかったけど。
投稿: ハマッコー | 2010年6月29日 14:06
武蔵川理事長って、メディアが普通の質問をしても、気色ばんで怒気を含んだ言葉を返す
おおよそ、品格の世界の人間とは思えない(笑)
私、昔から言ってるんですが、子供の頃、準場所を見に行った時に受けた感じから、しょせん、ふんどし一丁の興行の世界だと
本場所はともかく、土地の有力者、ヤクザ、テキ屋などに話を通さなければ、地方巡業なども出来ない世界
その基盤に立って、品格うんぬんなど、無理な話です
外国人力士が上位を占める時代になって、日本国内の異文化である相撲界が、さらに外国からの異文化を受容しなければならなくなったが、相撲界にそんな度量も能力も無い
外国人力士の大麻事件や品格問題を断罪したものの、自分たちにもっと本質的な体質問題があった
伝統文化・国技・品格云々という、根拠のない不毛なことを言わずに、スポーツとして再生するより他ないのでは?
テレビに良く出てくる相撲評論家という人種
今までどっぷりそ~ゆ~世界に浸っておりながら、相変わらず、きれい事を並べていますね~
投稿: alex99 | 2010年6月29日 15:14
乙痴庵 さん:
>日本人力士がせいぜい大関どまりになってる理由を、ちょっと覗けたような気がします。
私もそんなようなことをちらっと思いました ^^;)
>しかしまぁ、博打をする銭を持てないのも、幸せってことで…。
それもまた、ちらっとどころでなく思いました (^o^)
投稿: tak | 2010年6月29日 21:22
ハマッコー さん:
>角界に約50年も身をおいてる人間が知らないはずはないですからね。
そうですね。
>それにしてもあの人は言葉が“幼い”、北の湖もひどかったけど。
あんなんでは、自分の子供を相撲部屋に入れようなんて親は、日本にいなくなりますね。
投稿: tak | 2010年6月29日 21:24
alex さん:
>外国人力士が上位を占める時代になって、日本国内の異文化である相撲界が、さらに外国からの異文化を受容しなければならなくなったが、相撲界にそんな度量も能力も無い
確かに、元々 「異文化」 だったのが、さらなる異文化との接点でおかしくなっているという兆候はありますね。
>伝統文化・国技・品格云々という、根拠のない不毛なことを言わずに、スポーツとして再生するより他ないのでは?
各部屋が株式会社○○部屋として再出発して、相撲協会は、大相撲協同組合に再編成するってのはどうでしょうかね。
投稿: tak | 2010年6月29日 21:56