「後の祭り」 を巡る冒険
Twitter で @kunishiro さんが、「後の祭り」という慣用句への疑問を呈しておられた。「手遅れ」という意味なら「後の祭り」ではなく 「祭りの後」と言うべきではないかというのである。なるほど、確かにもっともな疑問だ。
しかし、これはやっぱり 「後の祭り」 というのが正しいんじゃないかなと思う。
「後の祭り」は本来は、本祭の翌日の、お供え物を下げていただきながらの直会(なおらい)的な「後宴」を指す。フォーマルなことは一通り終わってしまって、後は気楽でインフォーマルな飲み食いの会。いわば「二次会」である。
その気楽な雰囲気の中で、遅れてきた奴が、本来は本祭の行事として執り行うべきマジなことをしようとしたら、もろに雰囲気こわしちゃう。例えば、結婚式に出席できなかったやつが、披露宴で新郎新婦に「もう一度、三三九度をして見せろ」とか「指輪の交換して見せろ」とか言うようなものだ。
そこで、そういう無粋をいうヤツには、「おいおい、今さらそんなこと言っても遅いよ。もう、後の祭りだよ」なんて言ってたのが、慣用句になったのかなと、私は想像する。
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コメント
なるほど、そういう解釈もなり立ちますね。
私はこの言葉、「時間」ではなく、「祭」そのものに焦点を当てたものだと解釈していました。
つまり、「祭が終わった後」ではなく「もう後になってしまった祭」->「後の祭」というわけです。
投稿: HIRO | 2010年7月28日 13:12
HIRO さん:
う~ん、「後の祭り」は、「もう後になってしまった祭」ではなく、日本のフォークロアの知見としては、
前祭り → 本祭り → 後祭り(後の祭り なおらい)
という一連の流れの最終段階のことを言うと定着しています。
ですから、後の祭りの中で、本祭りみたいなことをしようとしても、「もう、後の祭りだよ」ということになるわけですね。
当然ながら、その意味するところとしては、「祭りの本番は、もう終わったんだよ、手遅れだよ」 ということですが。
投稿: tak | 2010年7月28日 15:03
なるほど、そうだったんですね。
takさんの言葉カテゴリー、大好きです。
投稿: HIRO | 2010年7月29日 19:01
HIRO さん:
ありがとうございます。
投稿: tak | 2010年7月30日 10:48
takさん
遅レスですが・・・
「あとのまつり」は、死後の葬祭のことを指すという説があります。
如何に盛大に行なわれようと、祭られる当人とっては無駄なことである、ということですね。
阿部猛先生(東京学芸大名誉教授、元・同学学長)が死後葬祭説を推しておられます。
小生も同説なれば「まつりのあと」にはなり得ないという点でもしっくり来るのかな、と考える次第です。
ちなみに、先生は山形県のご出身だそうです。
(takさんご存知かもしれませんが・・・)
投稿: 貿易風 | 2010年8月13日 23:54
貿易風 さん:
>「あとのまつり」は、死後の葬祭のことを指すという説があります。
>如何に盛大に行なわれようと、祭られる当人とっては無駄なことである、ということですね。
うぅむ、何だかしっくりきすぎて、あれ?という感じのような。
死後の葬祭は、「あとのまつり」 というよりは、「祀り」 そのものであるような。
うぅむ…。
阿部猛さんという方は、存じ上げませんでした。
投稿: tak | 2010年8月14日 00:49