« iPad でプリントアウトができないということについて | トップページ | 貴重な虚弱児経験 »

2010年7月 6日

サッカーに回ってくる人材について

帰化植物のセイタカアワダチソウが、日本の風土に定着するうちに、背が低くなってしまったらしい。そういえば、バブルの頃、地上げされた土地にどっと生えたセイタカアワダチソウは憎らしくなるほど背が高かったが、近頃はそんなに我が物顔に跋扈していないし、生えていても少しは慎ましくなっているような気がする。

友達の在日ブラジル人に、「日本に来たとき、木が小さいと思わなかった?」と聞くと、我が意を得たりというように、「思った、思った!」と答えた。「まるで箱庭みたいと思ったよ」という。さすがに日系人だけに、箱庭という文化を知っているのがうれしい。

我々日本人は逆に、大陸に旅行すると木が大きいと感じる。日本の木々が繊細で風流な様子で生えているのに対し、大陸の木々はまるで腕ずくのように、力任せに生えている。

動物も植物も、どうやら大陸で育つと体が大きくなるらしい。日本人が小柄なのは島国で育っている以上、仕方のないことのようだ。

なぜこんなことを言っているかというと、今回の FIFA ワールドカップでの日本チームを見た印象からである。日本チームの選手は、平均的に小柄である。フィジカルが弱いから、パワープレイになるとすぐに負ける。プレスをかけられて押しまくられる。

岡田監督が当初の理想とした細かなパスを通しまくってゴールに迫るサッカーができなかったのは、日本選手がフィジカルに劣るので、どうしてもプレスに負けてしまい、思うようなパスを通せないからだ。

しかし今年は本田やトゥーリオのような、フィジカルでも負けない選手が育っているということも見逃してはならない。これは日本のサッカーにおける期待の星である。

昔はフィジカルと運動能力に優れた子は、まず野球という種目に流れた。サッカーには二番手の子しか回ってこなかったのだ。プロ野球の選手と J リーガーの体格を比べてみればわかる。プロ野球の選手は平均してがっちりしている。尻周りなんて、J リーガーの比じゃない。

ところが近頃ようやく、フィジカルでも運動能力でも一番優れた子がサッカーをやるような風潮になってきたような気がする。これまでは、いわば「超二流」の人材がサッカーをやっていたが、最近はようやく「一流」の素質がサッカーに来るようになった。

それを考えると、日本のサッカーもこれからは少しは世界に比して戦うための土台ができてくるかもしれない。

それから、余計なことだが、最近の大相撲が外国人の天下になっているのは、日本の体力のある子が相撲の世界に行かなくなったからである。親としたって、自分のかわいい子をあんなわけのわからない世界に放り込もうとは思わない。

 

|

« iPad でプリントアウトができないということについて | トップページ | 貴重な虚弱児経験 »

スポーツ」カテゴリの記事

コメント

>岡田監督が当初の理想とした細かなパスを通しまくってゴールに迫るサッカーができなかったのは、日本選手がフィジカルに劣るので、どうしてもプレスに負けてしまい、思うようなパスを通せないからだ。
ーーー
もうひとつありますね
世界一のパス、スペインのパスを見ていると、プレスされないで悠々とパスを回し続ける
これは、パスの受け手があらかじめ絶好の位置取りをしているから
このパス回しでポゼッションを稼いで、好機を待つ

日本のパスは、通ってもギリギリで通るか、または安全な後ろへのパスだったりで、攻撃のきっかけがなかなかつかめない
私だけの意見ですが(笑)これはスペインとは逆に、パスの受け手の選手の位置取りが悪いからであって、日本は、パチンコの玉の動きなどを研究して(笑)先見性や空間把握能力を磨かないとダメですね

>しかし、今年は本田やトゥーリオのような、フィジカルでも負けない選手が育っているということも見逃してはならない。これは日本のサッカーにおける期待の星である。
ーーー
でも、現時点では、彼ら以外にフィジカルの強そうな若手の選手が見当たらない様な気がします
DFでは、将来、CB中沢・闘莉王が代表から外れた時の日本の守備はどうなるのでしょう?
今回、FWでは、森本・矢野以外、小柄な選手ばかりですね
苦肉の策として、身体能力に優れるアフリカ勢を日本女性と結婚させると言う、数世代後を目標にした気長な育成?計画しか方法がないかも(涙)

投稿: alex99 | 2010年7月 6日 22:32

幼少期に「お前はこのスポーツをやりなさい」と振り分ける国もあるそうで…。

>おすもうさん
それにしても、何のために朝青龍を追い出したんでしょうね。
品格とはよく言ったものです。
残った人はさぞかし質実剛健な武士ぞろいかと思いきや。

投稿: キセ | 2010年7月 7日 10:12

alex さん:

>もうひとつありますね
>世界一のパス、スペインのパスを見ていると、プレスされないで悠々とパスを回し続ける
>これは、パスの受け手があらかじめ絶好の位置取りをしているから

う~ん、卵と鶏みたいですが、出す方がプレスに負けて苦し紛れのパスしか出せないので、受ける方も理想的な位置で待つわけにいかず、つい密集に入ってしまうという傾向もあるように思います。

結局は、本田の言っていた 「個人技」 に尽きるところがあるようですが。

>でも、現時点では、彼ら以外にフィジカルの強そうな若手の選手が見当たらない様な気がします

今の中学生とか高校生が育つまで待つしかないかもしれませんね。

>DFでは、将来、CB中沢・闘莉王が代表から外れた時の日本の守備はどうなるのでしょう?

この2人は、頼りがいありましたね。
何しろ、ワールドカップ前のイングランド戦では、彼らが全得点 (相手の分も含めて) をたたき出したぐらいで (^o^)

>苦肉の策として、身体能力に優れるアフリカ勢を日本女性と結婚させると言う、数世代後を目標にした気長な育成?計画しか方法がないかも(涙)

ハンマー投げの室伏の親父さんみたいですが ^^;)

投稿: tak | 2010年7月 7日 10:52

キセ さん:

>幼少期に「お前はこのスポーツをやりなさい」と振り分ける国もあるそうで…。

そういう国に生まれないでよかったと思うほかありません ^^;)

>品格とはよく言ったものです。
>残った人はさぞかし質実剛健な武士ぞろいかと思いきや。

体の大きな子供の集まりの中に、たまに人格者 (双葉山みたいな) がいただけのことで、いつの間にか幻想がふくらんだんでしょうね。

投稿: tak | 2010年7月 7日 11:02

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: サッカーに回ってくる人材について:

« iPad でプリントアウトができないということについて | トップページ | 貴重な虚弱児経験 »