お寺の本堂の中での帽子着用
土曜も日曜もない。仕事で桐生に行く途中である。今日は、少なくとも午前中の暑さはそれほどでもなく、車のエアコンもフル稼働させずに済んでいる。ありがたいことである。
カーラジオで永六輔さんの「土曜ワイド」を聞いている。今日の永さんは体調が芳しいみたいで、近頃としてはずいぶん滑舌がいい。何をおっしゃっているのか、想像力を駆使しなくてもわかる。このままずっと、滑舌が改善されていくように祈る。
この番組で永さんは、「近頃、帽子をかぶったままテレビに登場するコメンテーターが増えたのが気になる」とおっしゃっていた。ゲストとして登場したぴーこさんも、ファッション評論家であるだけにきっぱりと、「男が室内で帽子をかぶるのは、マナー違反です」と言い切っておられた。
帽子をかぶったままテレビに登場するのは、某 SMAP の某誰それに始まり、かなり多く見られるのだが、多分、スタイリストがそうさせているのだろう。それに関してぴーこさんは、「スタイリストはファッションは知ってても、マナーを知らないのが多いから」と一刀両断に切り捨てておられた。
テレビに登場してはあちこちにイチャモンを付けまくる漫画家の某氏も、帽子をかぶったままだしね。「お前なんかに言われたくないわ」なんて言い返されても仕方ないかもしれない。
この「帽子をかぶったままでテレビに登場する」というので私が今でもちょっと憤慨しているのは、10年ぐらい前の NHK テレビのお昼の番組で、仏像巡りというテーマで登場した某みうらじゅんという男である。
この男、あるお寺の本堂に上がり、仏像について語っていたのだが、その間ずっと、へんてこりんなつばの広い帽子をかぶりっぱなしだった。女性でも、つばの広い帽子は室内では取るのが礼儀である。この人はお寺の本堂とご本尊を一体何と心得ているのかと、私は呆れてしまったね。
彼は仏像に関しての著書もあるようで、薄っぺらなウンチクはあるらしいんだが、そんなことを語る前にまず礼儀というものを知れと、私は思ったのである。以後、この男の言うことは、あまり信じないことにした。(というか、前から信じていない)
それから、そこに登場したご住職も、「恐れ入りますが、御仏の前では帽子はお取りくだされ」ぐらい言うべきだったんじゃなかろうかなあ。いくらテレビの生放送でもね。
【2021年 8月 7日 追記】
みうらじゅんという男、『般若心経』(読みは「はんにゃしんぎょう」)に関する著書まであるくせに、長年にわたって「はんにゃしんきょう」と発音している。これについて触れた記事(『般若心経』は「はんにゃしんぎょう」と読んでね)も書いているので、よろしく。
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コメント
それ、かなり前から気になってました。レストランやバーなどでも帽子かぶったままの人が多いですね。
確実に腹が立つのはコンサートや映画館で帽子を脱がない人ですね。携帯は切りなさい、帽子は脱ぎなさいって言わなきゃならないんだろうか。
やはり、テレビの出演者が帽子をかぶったままというのが影響してるんでしょうね。
あの評論家気取りのおじさんですけど、大相撲の土俵に相撲審議会委員の一人として上がったときには、帽子を脱いでましたね。一応、礼儀は知ってるみたいです。けど何でそれ以外では脱がないんだろう。
私が子供の時には、室内では脱ぐものだと当たり前にいわれてました。今は家庭でも学校でも言う人がいないのでしょう。
投稿: ハマッコー | 2010年8月21日 17:25
ハマッコー さん:
>確実に腹が立つのはコンサートや映画館で帽子を脱がない人ですね。
心から同感。
>やはり、テレビの出演者が帽子をかぶったままというのが影響してるんでしょうね。
昔、外出時には帽子をかぶるのが常識だった頃は、屋内では帽子を取るのもまた常識でした。
その裏返しで、今は外出時の帽子が常識でなくなった分、屋内で帽子を取るという常識もなくなりました。
私としては、最低限、レストランや神社仏閣、映画やコンサート会場では帽子を取るというマナーを守ってもらいたいと思っています。
投稿: tak | 2010年8月21日 21:56
>テレビに登場してはあちこちにイチャモンを付けまくる漫画家の某氏
某氏、やくみつる某氏、いや、やくみつる帽子ですね(笑)
何度も言うようですが(笑)、なぜあれしきの男が、文化人気取りなんでしょう?
取り立てて学識があるわけでもないし、感心するほどの意見を言うわけでもないし
ただ商売で、漫画を書いているだけでしょう?
ひげも、なんだか汚らしいし
ひげだって、感じのいいひげもありますが、あれは、むさ苦しい無精ひげに近い
相撲取りの品格なんて、言えた柄じゃない
(いつも同じグチでもうしわけありません)
この人は、角界とその筋との密接な関係をまったく知らなかったんでしょうかね?
どちらにしても、こ~ゆ~根本的な体質問題に知らぬ顔をして、審議会委員として、品格云々など、誰でも言えるきれい事だけを言っていたということですね
週刊誌によると(笑)、ほとんどの親方達が、結婚式に大物ヤクザを呼んだり、麻雀をやったりしているんですね
私は、それでもいいと思ってるんです(笑)
どうせ、そ~ゆ~近しい同士の業界なんだから、われわれもそ~ゆ~認識でいたらいいだけのことじゃないでしょうか?
清廉潔白な大相撲なんて虚構を作り上げることに、はじめから無理がある
例えば、一つだけ小さな穴が開いたタイヤのチューブなら、パッチを当てればいいでしょうが、はじめから穴だらけの、蜂の巣状態のチューブなど、修理のしようがありません
新品のチューブに総取り替えるしか方法がない
まあ、大相撲に限ったことじゃなく、興業って成り立ちからして、地場のその筋無くしては成り立たない世界
それを知っていながらきれい事を言うマスメディアもわれわれも、カマトトそのものですね
そちらの方が本当の問題ですよね
投稿: alex99 | 2010年8月22日 00:25
久しぶりにコメントします。
私は勤務医をしていておりますが、
>レストランや神社仏閣、映画やコンサート会場では
診察の場も加えていただけると嬉しいです。
以前は診察室にまで帽子のまま入ってこられると、
受診者ではなく医療訴訟の関係者か?と身構えてしまいました。
最近は、どうやら常識をわきまえていない人らしい、
と予め覚悟をして対応できるようになりました(^^ゞ
投稿: ちいくま | 2010年8月22日 05:07
alex さん:
>何度も言うようですが(笑)、なぜあれしきの男が、文化人気取りなんでしょう?
テレビというメディアにとって、あのようにわかりやすい (ような気がする) イチャモン屋さんが必要なんだと思います。
>取り立てて学識があるわけでもないし、感心するほどの意見を言うわけでもないし
>ただ商売で、漫画を書いているだけでしょう?
あの人のマンガ、好きじゃないですが、マンガだけ書いていてくれればいいとは思います。
>週刊誌によると(笑)、ほとんどの親方達が、結婚式に大物ヤクザを呼んだり、麻雀をやったりしているんですね
>私は、それでもいいと思ってるんです(笑)
>どうせ、そ~ゆ~近しい同士の業界なんだから、われわれもそ~ゆ~認識でいたらいいだけのことじゃないでしょうか?
この問題に関しては、私も大体同じようなスタンスです。
「いろいろひっくるめて相撲」と思えばいい。ちょっと怪しげな世界と認識していればいいだけです。
投稿: tak | 2010年8月22日 21:29
ちいくま さん:
>診察の場も加えていただけると嬉しいです。
ははぁ、診察室に帽子かぶって入っちゃう人、いますか。
ははぁ。
>最近は、どうやら常識をわきまえていない人らしい、
>と予め覚悟をして対応できるようになりました(^^ゞ
「私、非常識です」という自己申告のサインみたいなものですね。
投稿: tak | 2010年8月22日 21:32
ご無沙汰しています。
作曲家の池辺晋一郎さんが、以前何かの特番で屋内でもずっと帽子をかぶっていたのが気になったことがあります。
でもまぁ、髪が薄いのを隠したいという気持ちがありありと伝わってきたので、仕方ないかな、と(笑
その点、まだフサフサなのに脱帽しない若いモンは怪しからんですね! って、そういう話ではないですね(^^;
投稿: Adrienne | 2010年8月22日 21:50
例外として、ベレー帽だけは、室内でかぶっていてもいい、と言うことを読んだ覚えがあります
投稿: alex99 | 2010年8月23日 00:42
alex99さんへ。
大変勉強になります。ありがとうございます!
投稿: Adrienne | 2010年8月23日 01:34
Adrienne さん:
>でもまぁ、髪が薄いのを隠したいという気持ちがありありと伝わってきたので、仕方ないかな、と(笑
例えばガン治療などで髪が不自然に抜けてしまっている人もいます。私はそうした人にまで、「帽子を脱げ」というつもりはありません。
それから、テレビのバラエティショーみたいなものでは、帽子着用も別にいいかなという気がしています。
私が少々こだわっているのは、「仏像を語ろうとして本堂に入ったくせに、つばの広い帽子をかぶったままとはなにごとだ」ということです。
投稿: tak | 2010年8月23日 14:26
alex さん:
ベレー帽程度なら、目くじら立てることもないでしょうね。
投稿: tak | 2010年8月23日 14:28
今夜こそこちらに投稿挑戦!
神社仏閣に入るときには、無意識に帽子はとっていた私です。
よく考えてみると
幼いときにおばあちゃんに連れられて
お墓参りや神社仏閣にいくときには
必ず帽子をとるように言われてました。忘れたら剥ぎ取られてました(^^)v
しつけのひとつだったのでしょう。
それにしても観光地だから。テレビだから。といって
帽子をとらなくても良い!なんて…
うちのおばあちゃんが生きてたら、有無を言わせず、頭から引き剥がしてる。と思います(笑)
帽子から懐かしい記憶まで思い出させてもらい
かつ叔父に言われた「わざわざ脱がんでも」も昇華して頂き
嬉しかったです。
ありがとうございました!
投稿: 海の | 2010年8月24日 00:32
書き忘れました
しつけのひとつでしたが
今はご先祖さまや仏さまが好きで尊敬してるので
(宗教に熱心でもないので「好き」「尊敬してる」しか浮かばず失礼します)
礼儀正しくしたくて
帽子を脱いでいます
しいて言えば
歴史に礼節をつくしたい…とでもいうのでしょうか…
うまく言えず、ぐだぐだコメントしてすみません
また、いつかお邪魔させて頂きますm(__)m
投稿: 海の | 2010年8月24日 00:48
昨日(8/23)、小僧にせがまれて、奈良県へお邪魔しました。
修学旅行で行ったという、法隆寺や東大寺をもう一度観たい!という小僧の要望をすべて葬り去り、道を間違えた時に発見した案内看板を辿り、「大神神社」へ車を進めました。
さすがに気温も高く、日差しも強かったので、鳥居や注連縄をくぐるとき、手水場、参拝、お宮の方へご挨拶するときは必ず、ほかはできるだけ帽子を取っておくよう、心がけさせました。
帽子取らないヤツ集団に、プロ野球選手も入れておいてください。
拙が子どもの頃は、インタビュー受ける選手は脱帽でした。(衣笠選手も!)
一部の古参の選手や一部の監督筋も、一度帽子を取って挨拶し、そのあとチームシンボルである帽子をかぶり直します。
こりゃ!プロ野球選手!
投稿: 乙痴庵 | 2010年8月24日 12:57
海の さん:
コメント投稿成功、おめでとうございます (^o^)
>幼いときにおばあちゃんに連れられて
>お墓参りや神社仏閣にいくときには
>必ず帽子をとるように言われてました。忘れたら剥ぎ取られてました(^^)v
素晴らしいおばあさまですね。
>今はご先祖さまや仏さまが好きで尊敬してるので
>(宗教に熱心でもないので「好き」「尊敬してる」しか浮かばず失礼します)
>礼儀正しくしたくて
>帽子を脱いでいます
>しいて言えば
>歴史に礼節をつくしたい…とでもいうのでしょうか…
このあたり、私が 「宗教」 という言葉よりも 「信心」 という言葉を使う由縁でもあります。
投稿: tak | 2010年8月24日 17:21
乙痴庵 さん:
>修学旅行で行ったという、法隆寺や東大寺をもう一度観たい!という小僧の要望をすべて葬り去り、道を間違えた時に発見した案内看板を辿り、「大神神社」へ車を進めました。
関東では 「三輪神社」 という名前の方が通りがいいかもしれませんが、正式には 「大神神社」 なんですね。
本殿がなく、拝殿だけというのは、神道の最も古い形だとか。
元々、神様は本殿に収まりきれるようなものではないのでしょうから。
>帽子取らないヤツ集団に、プロ野球選手も入れておいてください。
>拙が子どもの頃は、インタビュー受ける選手は脱帽でした。(衣笠選手も!)
なるほど。
今の野球はどうでもいいことにこだわる割に、肝心なことを忘れてるみたいですね。
投稿: tak | 2010年8月24日 17:27
こんばんは~
私45才のころ、娘とふたりで
薬師寺のあたりを徘徊したおり
あまりにもくたびれたので、ちょっと
広い伽藍の中に入り、隅っこで壁にもたれて足を出して
休憩していると
ひとりのおばさんが近づいて来て
「仏様に足を向けないでください!」
と、怒りました。
びっくりした~~~~!!
私めは、非常識な女でしたね。
すみませんでした。
投稿: tokiko68 | 2011年10月14日 19:14
tokiko68 さん:
これは、朱鷺子さんのブログのどこかかな、読んだことのあるエピソードですね。
隅っこで壁にもたれてなら、私なら怒りません (^o^)
ただ、本堂の真ん中で堂々とやるオッサンがいるので、困ります。
投稿: tak | 2011年10月14日 20:40
日本人の質の低下です。
戦後教育が駄目だという証明みたいで悲しいというか
腹立たしいですね。
帽子をステッキで振り飛ばしてやろうかと思うことが
あります。
礼儀を教えると逆襲されます。
非常識がまかり通る日本って日本じゃない。
投稿: ど~ | 2012年4月20日 11:52
ど~ さん:
戦後教育に関しては、自分自身がその一番いい面 (自由さ) を吸収して育ったという自覚があるので、一概に否定しはしません。
ただ、自由と無秩序の区別がつかない教師が後を絶たないのが困りものです。
「どうして○○をしちゃいけないの?」 と聞かれたら、
「駄目なものはダメなの!」 と言うか、
しっかりと論理的に説くか、
どちらかの対応をしなければならないのですが、そのどちらもできない教師が多すぎるのですね。
私としては、教師たるもの、そのどちらもできなければならないと思っているのですが、それを言うと、「そんな優秀な人材は教師なんかにならない」 と言われます ^^;)
投稿: tak | 2012年4月20日 14:00