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2010年8月18日

フロッピーディスクとビスケットを巡る冒険

一世を風靡したが今ではすっかりレガシー・メディアになってしまったものに、フロッピーディスクというのがある。最近の若い人の中には、フロッピーディスクを見たことがないという人までいる。

あのフロッピーディスク、IBM の世界では「ディスケット」なんて言っていた。英語では "diskette"と書く。「貧弱なディスク」というような意味合いになって、要するに "floppy disk" と同じことだ。

10年近く前に定年で業界を去った T氏は、定年間際にパソコンというものを始め、ワープロぐらいは普通に打てるようになった。最初に触った PC が往年の IBM の名機 Think Pad(今は Lenovo になってしまったが)だったようで、それを納品に来たスタッフがフロッピーのことを「ディスケット」と連発していたようだ。

ところが本来の意味を知らないで聞き違えてしまったため、「ビスケット」というものだと思い込んだらしい。まあ、大きさもちょうどビスケットぐらいなので、抵抗なくそう思いこんでしまったようなのだ。

そして彼もフロッピーディスクのことを「ビスケット、ビスケット」 と言うようになったのだが、「ディスケット」の間違いであることをそのオフィスでは誰も知らず、そういうものだということで流れていたようなのである。何しろ平均年齢の高いオフィスで、T氏以外はおばあさんに近いオバサンばかりだったから。

たまにそのオフィスに顔を出す私は、最初何のことを言っているのだろうと思っていたが、何度か訪問するうちに、ことの次第が理解できた。ただ、オフィス全体で「ビスケット」と言うものだと思っているようなので、あえて「それ、違いますよ」なんて無粋なことを言わずに聞き流しているうちに T氏は定年になり、そのオフィスも閉鎖になった。

T氏は今でも、「わしがパソコンを始めた頃は、ビスケットにデータを保存してたものだよ」てなことを口走って、周囲からは「じいさん、だいぶボケが進んだな」 なんて思われてるかもしれない。

 

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コメント

昔、役所関係の講座を受講した時、コンピューターで、8インチのフロッピーを扱ったことがあります
文字通り、ペラペラのものでした
今昔の感あり


投稿: alex99 | 2010年8月18日 13:00

昨日、やっとPC98のパソコンを廃棄物として処分しました。35万も出して買ったのに、あぁ。これで二度とフロッピーディスクを使うこともない。

いまはUSBメモリー一本で16GB、FDの10000倍以上か。
これも、今昔の菅あり。

投稿: ハマッコー | 2010年8月18日 16:36

alex さん:

8インチの FD は私は使ったことがありません。
それが使えるハードは、一度だけ見たことがあります。
まさに、「歴史」です!

投稿: tak | 2010年8月19日 17:42

ハマッコー さん:

>昨日、やっとPC98のパソコンを廃棄物として処分しました。

いやはや、ここにも「歴史」が ^^;)
身近なところにまだあるんですね。

投稿: tak | 2010年8月19日 17:43

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