「やれやれ感」が大きい夏は、現実感が薄れる
今年の夏は、暑いばかりでなんだか現実感が希薄だ。街を歩いていても気が遠くなりそうになるので、正常な認識機能がお休みしそうな感じである。
あちこちでいろいろな事件が起きている。秩父山中の遭難現場では、三次遭難まで起きてしまった。無理を押して入山した日テレの記者とカメラマンは、さぞかし山のド素人なのかと思ったら、少なくとも記者の方は山岳取材のエキスパートだったという。
妙なプロ意識と功名心が重なると、人の話を聞かないための最強の合わせ技になってしまうという例を見てしまったような気がする。
そのほかにも、大阪の幼児放置死事件とか、111歳だかになっていると思われていた男性が実はミイラになっていたとか、変な事件も発生している。このくそ暑いのに、「やれやれ感」の濃厚なニュースばかり聞かされると、ますます現実感が薄れる。
こうなったら、早くお盆が過ぎて秋風が吹き始める季節になってもらいたいものだが、今年はどうやら残暑まで厳しいらしい。ますます世の中がおぼろにしかみえない感覚が続く。こんな風にして、人間の現実感というのはおかしくなって、ますます変な事件を起こす人間が増えてしまうのだろうか。
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コメント
>妙なプロ意識と功名心が重なると、人の話を聞かないための最強の合わせ技になってしまうという例を見てしまったような気がする。
秩父まで出てきて写真一枚撮らずに帰れるか、という心理があったんでしょうね。成果なしで帰社したら上から何を言われるかと考えたんでしょう。特に地上から事故現場の映像はどこも撮ってなかったので功を焦ったんでしょう。
特に報道関係は妙なプロ意識が強い世界なようで、多くのカメラマンが世界で年間数十人のオーダーで命を落としてるようです。きわどい映像を茶の間で見られるのはその人たちの決死の働きによるものなので気分は複雑ですが。取材現場で命を落とすと皆、英雄扱いさてれしまいますね。こんな風潮が彼らのプロ意識を増幅してしまうのかも知れません。
雲仙普賢岳の火砕流の事故の時も、東京のTV局の役員から現場のカメラマンに、もっと前へ出て撮れという指示があったようです。危機管理意識のもっとも薄い業界かも知れません。
投稿: ハマッコー | 2010年8月 3日 02:08
ハマッコー さん:
>きわどい映像を茶の間で見られるのはその人たちの決死の働きによるものなので気分は複雑ですが。
いかにもヤバそうな映像を見るたびに、「そこまで命張らなくてもいいのに」と、ハラハラしますが、彼らとしては、それが一種の快感でもあるようで、ちょっと独特の世界ですね。
>雲仙普賢岳の火砕流の事故の時も、東京のTV局の役員から現場のカメラマンに、もっと前へ出て撮れという指示があったようです。危機管理意識のもっとも薄い業界かも知れません。
「人の身にもなってみろ」と言いたくなりますね。なかなかサディスティックな業界です。
投稿: tak | 2010年8月 3日 10:46