地検レベルの検事さんの頭の中身
例の大阪地検の FD データ書き換え事件のニュースを、それほど深く読み込んだわけじゃないんだけど、どうもわからないことがある。
主任検事・前田恒彦容疑者は、まあ、でたらめに決まっているけれど、当初は「遊んでいるうちに書き換えてしまった」ということにしていたようで、地検内部での上申書でもそのような説明になっている。
そもそも上申書まで書いたということは、「こりゃ、ヤバイことしちまったな」という認識は十分あったはずなのだが、この説明はどうやら上司である大坪弘道・佐賀元明両容疑者から「合理的な説明を用意しろ」と指示されてでって上げたもののようだ。しかしそうなると、3人ともこの程度のことで「合理的に聞こえる」とでも思ったんだろうか。なんだかなあ。
FD にセーブされたファイルの日付データは、専用ソフト(手軽なのは無料でダウンロードできるらしい)を使えば手軽にできることのようで、前田容疑者も、そうしたソフトを使ったらしい。そんな特殊なソフトを起動させていたということ自体が、「遊び」じゃなくて「意図的」だったことを十分に物語る。
私がどうにも不思議に思うのは、「ヤバイ」と思った時に、再びその日付書き換えソフトを使って、日付を元に戻しておけばよかったのに、どうしてそうしなかったのかということだ。それには次のような可能性が考えられる。
- 使用したソフトが、一度変更した日付は二度と変更できない安物仕様だった。
- 動転してしまい、日付を元に戻すことにまで思い至らなかった。
- そのときは、改竄した日付のままで公判を維持できると、安易に考えた。
- 日付を元に戻しても、履歴を辿れば改竄がバレると思い、ある程度観念した。
このうち 1番目に関しては、そんな安っぽい仕様のソフトがあるとは考えにくいが、たとえ安物仕様だったとしても、本当にヤバイと思ったら、機能のより高いソフトを有料で買ってでも元に戻せばよかっただけのことだ。
2番目だったとしたら、あまりにもお粗末すぎる。
3番目だったら、あまりにも安易な考えで、検事さんとしては頭が悪すぎるとしか言いようがない。
4番目だったら殊勝なものだが、その後の経過からして、そう思ったとは考えにくい。少なくとも、元に戻しておけばバレない可能性がずっと高くなっただろうし。
で、「もしかしたら、そういうことなのかな」と思うのは、当初はでっち上げで公判が有利に運ぶと安易に考えたまま、改竄された FD を厚労省の上村勉被告に返却してしまったのではないかということだ。そして、その後にそれでは通らないと知って、「ヤバ!」と大あわてしてしまったのだろう。
で、ひたすらバレないことを祈ったが、バレた時に備えて、(多分上司の指示で)ちんけな上申書を書いて、何とか切り抜けようとしたのだ。
しかしこの上申書自体、後であまりにもちんけ過ぎると気付いて、HD から削除したみたいだが、徹底的に消さないと、そのくらいはいくらでも復元できるということまでは思い至らなかったか、あるいは、そこまではされないように祈っていたもののようだ。大阪地検には、パソコン関係に詳しい人がいないのかしらん。
あるいは、詳しい人はいるけれど、そうした人は「さっさとバレてしまえ」と、冷静に見守っていたのかしらん。
まあ、いずれにしてもお粗末な話であることに変わりはなく、この程度の検事さんに、見立て違いのすごまれ方なんて、密室でされたくはないなあと思ってしまった。ついぶん殴ってしまいそうだ。
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コメント
何よりも、もし、『遊び』であれば、オリジナルのF/Dなど触らずに、『コピーしたF/D』で遊ぶべきですよ
最重要な証拠で『遊ぶ』なんてあり得ません
そこからして、犯意は明らか
それに尽きるのでは?
投稿: alex99 | 2010年10月 3日 17:28
alex さん:
報道によると、容疑者は FD からデータを自分の USB メモリにコピーし、それを操作したつもりで、謝ってオリジナルの方を書き換えてしまったと取れるような言い訳を、消された (そしてあっさり復元された) 上申書でしているようです。
もし本当にそうだとしたら、ますます頭悪いですね ^^;)
投稿: tak | 2010年10月 3日 18:55
検察の人権蹂躙体質は大変根深く、いままで、何千何万の善良な市民が犯罪者に仕立て上げられ、あるいは、生命を奪われたのか、、、、
解体して、一から、つくりなおす必要のある組織だ。比喩ではなく、まったくもってやっかいな闇の権力である。
証拠フロッピーディスクの改竄という小さな事件だけに留めていられない大問題でしょうね。本質的には。
投稿: ゆー | 2010年10月 4日 08:32
ゆー さん:
>いままで、何千何万の善良な市民が犯罪者に仕立て上げられ、あるいは、生命を奪われたのか、、、、
ゴキブリが一匹いたら百匹いると思えといいますが、確かにこうしたことは今回の事件だけには留まらないだろうと思うのが自然です。
ただ、えん罪も多いでしょうが、どう考えてもそいつ以外に犯人がいるとは考えにくいのに、証拠不十分で無罪になっているというケースも多いはずです。
このあたりのバランスが問題です。
私としては、証拠不十分なら原則無罪にすべきだという考えですが。
投稿: tak | 2010年10月 4日 15:35