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2010年11月21日

国会中継ショーでうっぷん晴らし

「どうしてみんな、あんなつまらないものに注目しちゃってるわけ?」と聞きたくなるほど、テレビの国会中継を見ている人が多い。「フツーは仕事中だろう」と言いたい時間帯だが、オフィスでテレビを付けっぱなしにして見ている人も多いみたいなのだ。

吠えまくる野党議員と、菅内閣首脳の(とくに仙谷官房長官の)お粗末な答弁を聞いてうっぷんを晴らすという構図が、この国に生まれているようだ。あんなむかつきまくる答弁を聞いてどうしてうっぷんが晴れるのか不思議なくらいだが、人間の心理とは不思議なものである。

自分ではない他の誰かが、とくに国政を預かるような要人が、あまりにもお粗末なことを口走ると、安心してそいつの悪口を言いまくれる。社会的弱者を悪く言うのは問題だが、何しろ相手は弱者どころか、強者中の強者、代議士先生だから、言い放題に言いまくってもそしられることはない。

政府首脳のお粗末な発言をリアルタイムで聞いて、その後でニュースショーなどでニュースキャスターやゲスト評論家が批判しまくるのを確認し、その上で大船に乗ったつもりで、心ゆくまで悪口を言いまくればいい。

飲み屋や銭湯での政治談義は、誰かが「あいつじゃ、ダメだ。とても任せていられない」というトーンのことを言い出せば、次から次に「そうだそうだ、その通り」と同調者が現れる。「あいつら、代議士とか大臣とか言っても、ひどいもんだよね。その点、俺らはまだマトモだよね」という空気を作り出せば、それで精神衛生が図られる。

同じ悪口を言うにも、大臣のお粗末な発言をリアルタイムで聞いていれば、悪口の言い甲斐が違う。「俺は、その場面をしっかり見ていたんだ」となると、他のことは評論家の受け売りでも、なぜか説得力があるような錯覚を醸造することができる。というわけで、今や国会中継は悪口を言ってうっぷんを晴らすネタ探しの場と化している。

それにしても柳田法相の発言は、なかなかお見事だった。いくら政治家先生でも、あちこちでそれに類した非公式発言はバンバンしていて、とくに気のおけない後援者との酒席とかでは、相当ヤバイ発言だってジョークとしてしゃべりまくっているのが漏れ聞かれる。

しかし誰が聞いているかわからない講演会みたいな席であまり率直なことを言うのは、なぜか名字に「柳」という字の付く大臣に多いようなのだ。(前の自民党政権の柳沢厚労相(当時)の「生む機械」発言とかね)

どうやら、酒席のジョークとして受けそうな話を、講演会でしても受けると勘違いしているみたいなのだ。これじゃ、あまりにもセンス悪いやね。そのセンスの悪さが、あまりにもタイミングの悪いところで漏れてしまって、今や本気で倒閣を狙う自民党の餌食になっている。

で、大方は民主党政権に呆れかえってしまっているので、そのくだらない揚げ足取りに大いに注目しちゃっているわけだ。この騒ぎの中で、小沢一郎先生が何となくまた動き出しそうで、もう本当に「何でもあり」の様相である。

 

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世間話」カテゴリの記事

コメント

今日のtak shonaiさんのご意見、ちょっと皮相的すぎて、バランスが悪いんじゃありませんか?
tak shonaiさんが、民主党政権への厳しい批判をお書きになっている事は、重々承知しての上で、敢えて書かせていただきます

私も、「グチる愚民」の一人で、確かに自分のブログで政治家を罵倒して自己満足しております
また、最近、楽天の、身辺雑事を主たるテーマに書かれているあるリンクさんから「他人を口汚く罵倒して、自分だけが正しいだと? 読んでいて不愉快だ」と、「口汚く罵倒」(笑)されたばかりです
これは私だけをターゲットにしたのでも無さそうですが、「個人攻撃はいけないが、政治家への公憤ならいいだろう」と、調子に乗って書いていたら、思わぬ方向から攻撃を受けてしまいました
いわゆるfriendly fire、背後の友軍からの銃弾・爆撃というものです(笑)

しかし、私は、国民の責務としてブログから意見表明しているわけで、表現はなるほど上品とは言いかねますが、その姿勢の何がいけないのでしょうか?

私のみならず、民主党政権のこれ以上ない惨状では、危機感一杯の民衆が口をそろえて政府の「悪口」を精一杯言うのも、至極あたりまえ
それをいけないというのなら、「国民のメデイア・リテラシー」および「政治感覚」というものを否定することになります

民主主義世界に住んでいるという前提であるならば、どんなメチャな政治をされても、文句も言わず黙って上品に微笑しているという、安易な「governability」に安住していればいいわけもありません
それこそ愚民ではありませんか?

この際、問題なのは、最近の「怒る国民」より、それを誘発させた「偏向」した民主政権の方です
フジテレビの最新の世論調査では、民主党の支持率はついに10%台に下落、対して自民党のそれは、30%を超えたと言います
もちろん、ジェットコースターのような最近の世論ですが、、瞬間風速として、この数字が出たと言うことも事実ですし、さして不思議とも思えません

特に、敗戦後はじめて、「日本国民のナショナリズム」という「長い間寝ていた子」(笑)を目覚めさせてしまったという点に、従来の自民党政権批判とは異なった特色があります

仙石氏も、左翼弁護士としては有能であったようですが、外交は全く素人のようです
私の経験では、日本以外のどんな国においても、まず言うべき事はガツンと言った後で、その後、お互いのソフトランディングをしかるべく謀るというのが普通です

はじめから「相手国への配慮やおもねり」から始まる、事なかれ主義の日本的思考だから、外交もボタンの掛け違いとなり、得たものは、国際的な失望と軽蔑と、日本を見くびった中国のさらなる高圧的姿勢と言う事になってしまったのです
また、相手が、例えこちらが配慮などをしても効果が無いに等しい中国ですから、民主党政権は、完全に打つ手を誤っています

もちろん、平和な共存は必要ですが、中国自身が、19世紀帝国主義的モンスターであることを隠そうともしなくなった現在、一気に win win の状況への妙案など、あり得るはずもありません
しかも、江沢民の愛国反日教育のおかげで、中国人全体、特に若年層が、堅固で一方的な反日意識を抱いているのですから、極端に言えば、世代が変わるまで、ひょっとしたら、幾世代後まで、「本当の友好」関係構築はあきらめると言う割り切り方が賢明です
その一方で「友好」(ただし、loopyさんの友愛では無く)(笑)への努力は、アヒルの水かきのように、地道に継続すべきですが、この現実社会において、過大な即効的な期待を抱いても、道を誤るばかりです
ましてや、外交音痴の民主党政権です
これ以上「外交」の舵取りを、日本の国益という見地から、これ以上、まかせておくわけには行きません

・・・となれば、我々国民が何をしなければいけないかは自明に理ですね
例え、縄のれん、場末の居酒屋においてでも、ちっぽけなブログにおいてでも、現在の民主党政権への強い批判を発表し続けることです

過激なコメントで、申し訳ありません


投稿: alex99 | 2010年11月21日 15:36

『皮相的』と書いてしまいましたが『斜に構えた書き方』と言いたかったのでした
訂正させていただきます

今の国民の怒りや危機感は、「単なるうっぷんばらしをして発散すれば、それで満足」という次元を超えていると思います
自民党時代と異なり、単なる内閣支持率の数字以上のものがあると思います

投稿: alex99 | 2010年11月22日 09:04

まずは余談から。
これは自戒も込めてですが、
「(意見の検討なしに)自分が批判されないための保険」
をかけまくっている人にはレスをしないようにしましょう(笑)
消えてくれるそうなので。

さて本題。
元々そうなるとわかっていたはずのことについて、
かつては支持しておきながら、今さら危機感を煽るのは、無責任のようにも思います。
支持を続けて欲しいわけではないけども、
「なんであなたたちアレが大丈夫だと思ったの?」と言いたくなります。
庄内さんほどの方であっても、民主党を支持していた頃があったわけで、
そうなると「賢い人が必ずしも正しい選択をするわけではないな」とも思います。

もっと言うと、「賢いはずの選択も、多くの人が選択すると、愚かな選択になる」
ということかも知れません。
たとえば「競馬で大穴に賭ける」を全員がやったらもう「本命」ですよね。
「民主党にちょっとは票が入った方が、自民党も焦る(そして改善される)だろう」
と思って「大勢が」やったら、大変なことになってしまった、と。

その上で考えると、「俺はちゃんとわかってるぜ」とアピールしたくて、
今、多くの人が民主党を批判しているのではないかなあ、と思うわけです。
あまりにもひどすぎるものだから、自分が支持していた事実を封印して、
批判に回っている・・・という人もいると思います。
それで、今、テレビでもそのような状態になっているのでしょう。

投稿: キセ | 2010年11月22日 09:52

alex さん:

この記事は言葉足らずだったかもしれないと反省しております。

私が 「それは違うんじゃないか?」 と思うのは、飲み屋や銭湯でよく聞かれる政治談義、

つまり、

「あんなヤツじゃ、ダメだ!」 「そうだ、そうだ」

というだけの、単なるうっぷん晴らし的な付和雷同傾向です。

alex さんの記事は、説得力があると思っています。

投稿: tak | 2010年11月22日 22:11

キセ さん:

ええと、言い訳になりそうですが、私は前回の総選挙で民主党に入れましたが、「民主党を支持した」 というわけではありません。

支持政党は? と聞かれたら、ずっと 「自民党」 と答えています。

ならば、どうして民主党に投票したのかと言われるのも当然ですが、一度政権交代を経験しておかなければならないという気持ちからだったとしか答えようがありません。

ただ、民主党のあまりのひどさに失望して、次の総選挙を心待ちにする日々であります。

まさに言い訳であります。
お恥ずかしい限りです。

ただ、民主党を批判するにしても、上のレスで述べたように、

「あんなヤツじゃ、ダメだ!」 「そうだ、そうだ」

というような付和雷同的雰囲気論では、自民党が政権復帰したとしたも、まったく同じ言葉でうっぷん晴らしすることになるだろうと思うわけです。

投稿: tak | 2010年11月22日 22:19

どちらの政党もどうしてこんなに政治力のない人が多いのか、素朴な疑問なのですが。
国民の手に政権を奪取してから100年以上もたっているのにほんとに不思議です。
ちっちゃな平安貴族みたいな駆け引きはうまいくせに、国対国となると、大人に子供ですね。

私たち国民は、もっと政治談義をしたり、おバカな政治家を批判していいと思います。
今まで私たちがおとなしかったので、政治家もそれにあぐらをかいて精進しなかったのですから、彼らを鍛える意味でも批判するということは、いいことではないのでしょうか。そうして、前首相のように打たれ弱い人は消えていき、本当の政治家が残っていくのではないのでしょうか。私はこれは眼に見えない大きなうねりを感じます。

投稿: tomato | 2010年11月23日 01:37

この頃は、居酒屋や縄のれん(同じ事かな)(笑)での、政治談義があたりまえのようになって来ましたが、まだまだ、一般家庭では、政治話題を食卓でするという風土はありませんね
欧州、特に東西冷戦時代のポーランドなどでは、夏の避暑地や、茶の間では、政治談義があたりまえでした

投稿: alex99 | 2010年11月23日 11:08

あんな政治家を選んだのは紛れもない自分だ。こんな自分が恥ずかしい。そっちに意識が進まなければですね。政治家が三流なのは、国民も怠惰で三流なのですから。
とは言うものの一流の政治家とは一流のしたたかで駆け引き上手な人でしょうから、そんな友人にはしたくない人を選ばなければならないというジレンマは、友達意識の強い日本人には中々選択しにくいものなのでしょうか。

投稿: tomato | 2010年11月23日 13:06

alex さん:

>居酒屋や縄のれん(同じ事かな)(笑)での、政治談義があたりまえのようになって来ましたが、まだまだ、一般家庭では、政治話題を食卓でするという風土はありませんね

政治談義はいいんですが、日本のオッサン達のそれは、誰か声の大きなオッサンが何かいうと、「そうだ、そうだ」になるだけで、誰か反対意見を言おうものなら、喧嘩になりかねません。

要するにぷっぷん晴らしでしかないわけで、議論ではないというのがほとんどです。

家庭で言っても「また始まった」とうっとうしがられるだけなので、酒場でやってるというだけで、発展性がないというのが困りものです。

まともな政治談義なら、どんどんやるべきだと思います。

投稿: tak | 2010年11月24日 10:15

tomato さん:

レスが後先になりました。申し訳ありません。

>どちらの政党もどうしてこんなに政治力のない人が多いのか、素朴な疑問なのですが。
>国民の手に政権を奪取してから100年以上もたっているのにほんとに不思議です。

明治の時のは、天皇から与えられたもので、昭和のは GHQ から与えられたものですので、「奪取」 したわけじゃないので、使い方を本気で考えてないんですよね。きっと。

>私たち国民は、もっと政治談義をしたり、おバカな政治家を批判していいと思います。

私も基本的にはそう思います。それどころか、すべきだと思います。

ただ、上の alex さんのコメントへのレスでも触れた通り、「悪いのはあいつらで、俺たちゃちっとも悪くない」というトーンでの、声の大きな人のうっぷん晴らしでしかないのは、考え物だと思うのです。

それに関しては、tomato さんの後の方のコメントに共感します。

「友人には持ちたくないけど、政治なら任せてみようか」 という人がもう少しいてもいいと思います ^^;)

投稿: tak | 2010年11月24日 10:21

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