尖閣ビデオの流出者判明で、こけてしまったよ
例の尖閣ビデオの流出者が名乗り出てしまったそうで、5日付の記事で流出を "good job" とほめてしまった私としては「何だかなあ」と、力が抜けてしまったような気がしている。流出した海保職員は、事前に読売テレビに特定されてしまっていて、インタビューなんてされているという。
読売テレビは 5日の流出後に、「sengoku38 を名乗る人物がいる」との情報を得て調べたところ、あっさり人物が特定されて、インタビューに成功したもののようだ。そんなに脇が甘かったら、IP アドレスから神戸の漫画喫茶まで調べが付いてしまった以上、逃げ切るのはいずれにしても無理だったろう。
私は 5日の記事で、「これはあたかも、政府判断によるウルトラ C であったかのごとき印象を与えつつ、すっとぼけながら流出源についてはうやむやにしてしまうべき」なんて書いたが、こんなにあっさりとアシがついては、そんな腹芸も無理だ(仙谷さんが官房長官では、元々無理だったろうが)。
さらに「機密保守がメチャクチャいい加減な国」ということまで、世界中にバレてしまった。これが一番痛いところである。
ただ私としては、5日の時点で good job とほめてしまった気持ちがまだ半分ぐらいは残っているので、まあ、かなりうじうじ感の残るところではある。
この流出が何でいけなかったのかというと、「捜査段階の証拠を流出させてしまった」ということなんだそうだが、だったら「捜査段階の容疑者をさっさと帰国させてしまったのはどういうことなんだ」ということが蒸し返されなければいけないだろう。容疑者を釈放したからには、もうこの事件、ほとんどチャラだろということになる。
だったら、国民の知る権利を無視し続けた政府の方がおかしいというのは、大方の指摘している通りだから、ここではくどくど繰り返さない。
海保内部では誰でもこのビデオを見放題だったということだが、これが「流出させたかったらいつでもどうぞ」という政府の腹芸だったとしたら見事なものだ。しかし仙谷官房長官はこれを機に、情報流出に関する罰則強化と 「秘密保全法制」 を検討する考えを表明したというから、そんな見事な腹芸であったはずがない。
1985年にも、自民党政権下でいわゆる「国家秘密法案」が国会提出されたが、「政府による情報統制につながると」との反対が強く、廃案に追い込まれた。それを思うと、日本には自民党と民主党とその他の政党があるのではなく、与党と野党しかないんだとわかる。何党だろうと、与党になってしまうと与党でしかなくなるもののようだ。
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