雪国と楽天主義
私の故郷、酒田は今、大雪に見舞われているようだ。庄内在住の Twitterers の tweet をみると、車で外に出る気になれないだの、会社の駐車場が雪で埋まってしまって入れないだの、圧雪がツルツルに凍ってしまって危なくてしょうがないだの、まあ、大変なことになっているようなのである。
大雪で大変なのは、雪かきである。もっとも「雪かき」というのは日本列島の太平洋側の言い方で、日本海側ではいろいろな言い方をする。庄内では「雪のけ」というし、上越の超豪雪地帯では「雪ほり」なんていうらしい。「雪かき」というニュアンスでは済まない大変な作業であることが窺われることと思う。
でもまあ、ここではわかりやすくするために「雪かき」と言っておこう。
雪国生まれの私は、雪かきのおかげで楽観主義を身につけたと思っている。雪国の人間は暗い性格をしていると思われがちだが、存外楽天的なのだ。それは、どんなに大雪が積もっても、文句を言わず端から順に雪かきしていけば、いつか必ず終わるということを体で知っているからである。
どんなに大変そうな仕事でも余計なことを考えず、とりあえずとりかかるのである。そして黙々とこなしていれば、気付いてみれば雪かきは終わっている。終わらない苦労はない。多少足腰が痛くなっても、死ぬようなこともないし。
幸運だったのは、いくらかいても後から後から雪が降り積もっていつまで経っても終わらないというような、超ヘビー雪国の生まれではないということだ。楽天性を身につけるのにちょうどよいぐらいの雪国生まれなのである。
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コメント
「雪かき」と「雪のけ」。なるほど。
全国的に「雪かき」だと思っていましたよ。
考えて見れば確かに、豪雪地帯と雪の少ない太平洋側だと、
雪に対する生活のスタンスが全く違うわけで
表現が変わるのも当然ですね。
してみると「雪かき」がなんだか
子どもの遊びのようにも見えてくる。
私の母方の自家が長野の伊那谷なのですが、
表現はたしか「雪かき」でした。
冬は非常に寒く雪もそれなりですが、
日本海側の激しい降雪に比べると
ぜんぜん降らない方なんだなぁと納得しました。
投稿: S太郎 | 2010年12月28日 16:54
S太郎 さん:
私は関東に来て 「雪のけ」 と言ったら全然通じないので、ちょっとした異文化ショックを感じました。
「雪かき」 というのは、「雪のけ」 に込められた重量感に乏しい気がしました。
それにしても 「雪ほり」 は 「雪堀り」 あるいは 「雪放り」 なんでしょうが、掘らないと玄関が埋もれてしまうという実感がありますね。
「雪のけ」 は、まだ生やさしいのかもしれません。
投稿: tak | 2010年12月28日 19:18