ニューヨーク流の 「ブラインド・デート」 なるもの
軽いけどこじゃれたニューヨーク情報のサイト "Cube NY" に、「ブラインド・デート」なるものの話が出ていた。"在NY日本人が語る 「ニューヨークでのブラインド・デート体験」" という記事である。
「ブラインド・デート」 というのは、別にお互いに目隠ししてデートをするというわけではない。実際に会ってみるまでどんな人だかわからないので、「ブラインド」なのである。つまり人の紹介による「お見合い」みたいなものだ。ニューヨークにも、知人や友人の結婚相手を紹介したがる世話焼きがいるようなのである。
ところがこのページに紹介された 7人の体験談を読むと、ハッピーエンドに終わったケースは 1件もない。全部破局とも言えないほどの見当はずれのケースか、自然消滅だ。
「女性 (30歳) 在NY 6年」 という人は、同性の友人に離婚経験のあるちょっと金持ちの男性を紹介され、デートしてみた。友人の旦那が 「僕の友達に君の女友達はどうかなぁ」と言い出したのがきっかけだったという。
ところが相手の年齢は 50歳ぐらいというふれこみだったが、会ってみるとどうみても 60歳以上に見え、一緒にいるのが苦痛に感じるほど「気持ち悪い」男だったので、即刻お断り。「ブラインド・デートなんてするもんじゃないとその時は思いました」と、この女性は言っている。
「男性 (44歳) 在NY 15年」という人は、一度だけ米国人の女性(学校教師)を紹介されてデイトしたが、相手のハイテンションに圧倒されて自然消滅。何となくわかるような気がする。
「女性 (31歳) 在NY 6年」は、「アジ専」(アジア女性専門に好む)の男性を紹介されたが、「どうしても アジ専というと、アメリカ人女性に相手にされない弱い男性というイメージが抜け切れなくて…」というわけでうまく行かず。
「女性 (39歳) 在NY 11年」は、日本語を話す男性を紹介されたが、相手があまりにもエキセントリックなので調べてみると、精神病の治療を受けていたことがあるとわかり、それを隠して紹介した友人にも不信感をいだくことになった。まあ、米国人が精神科にかかるなんていうのはそれほど珍しいことじゃないのかもしれないが。
「女性 (36歳) 在NY 9年」は、同じアパートの男性に知り合いの日本人女性を紹介した。しかし、日本人女性の方はものすごく気に入ってテンション高まりっぱなしだったが、男性の方が相手のあまりのハイテンションに引いてしまって破談。
とまあこんな具合で、うまくいった話は一つも紹介されていない。ここでちょっと嫌な話なのだが、ニューヨークにおける日本人を含むアジア人蔑視の雰囲気を感じてしまうのは、私だけではないんじゃなかろうか。
上記の女性も 「アジ専というと、アメリカ人女性に相手にされない弱い男性」というイメージをもっているということだが、白人女性には見向きもされないような「ちょっとワケあり」の男性を、周囲が「日本人女性なら相手にしてくれるかもしれない」と思い込み、紹介したがるというケースが多いんじゃないかと思うのである。やっかみかもしれないが。
日本の「お見合い」の場合は、履歴書と写真を取り交わすなんてことがあるらしいから、ニューヨーク流の「ブラインド・デート」よりは安全かもしれないが、いずれにしてもきちんと相手を見定めないとアブない。
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コメント
ありそう、というか、生々しいというか…。ニューヨークシティというところは本当に独特の文化を持っていますね。特にマンハッタンは『島国』ですから、市内でも近隣区から見るとかなり特殊です。ニューヨーク州の他の都市から見ればなおさらです。日本人を含めニューヨークシティに住んでいる人は、アメリカの他の土地へ出て行かない傾向がありますから、文化が中で発酵しているのかもしれません。それを魅力というのでしょうけど。
ニューヨークシティの特殊性+高いプレゼンテーション能力は、日本人のアメリカ観に大いに影響していると思います。興味深いです。
投稿: emi | 2011年1月27日 02:32
emi さん:
>特にマンハッタンは『島国』ですから、市内でも近隣区から見るとかなり特殊です。
そうなんでしょうね。
「ニューヨークをアメリカと思ったら間違い」と言われますが、まさに、ニューヨークを基準に見たら、シカゴでさえ田舎ですものね。
それにしても、「ニューヨーク流ブラインド・デイト」は、確かに生々しいですね。同じことを東京でやっても、もう少しビミョーな薄味になりそう。
投稿: tak | 2011年1月27日 09:13
こんにちは!
なでしこジャパン優勝おめでとうございます。
と言ってから・・
実は、私は今、いろんな人をブラインド・デイトさせようと考えています。
まあ、お見合いですが・・
最近、ある母親から頼まれまして。でも、たった一人の女性でさえ、
なかなか相手が見つかりません。
特に、30を越えると
いませんね。相手の男性。
女性も学歴が高いと
周りに相手になる男性が、いないんですよね。
私も自信を持っておすすめしたいと思うから
探しつづけていますが、
なかなか丁度良いひとがいないんです。
う~~~む。
ニューヨークのドラマにもありました。
ブラインド・デイトで失敗のお話。
う~~~む。
投稿: tokiko68 | 2011年7月18日 13:43
tokiko68 さん:
世話焼きのおばさんがいないと、日本の未婚率はものすごく高くなっちゃうのかもしれないと思いました。
健闘を祈ります。
投稿: tak | 2011年7月18日 15:15
うーん。私の周りは、ブラインドデートで結婚した友達が沢山いますよ。
一概に、ブラインドデートがダメだとは言えないのでは?
あと、アジア人を蔑視っと言うより、どこにいても人種差別はあります。
ある意味、日本人こそが島国の単一民族で特殊なのではと感じます。
アジア人だから、差別されると感じるなら、それを上回るぐらいの実力や魅力を自分勝ち取るしかないでしょう。
投稿: Ririko | 2013年11月22日 02:08
Ririko さん:
>うーん。私の周りは、ブラインドデートで結婚した友達が沢山いますよ。
そうでなかったら、ブラインドデートというスタイルはとっくに消滅していたでしょうから、成功例もあるということは十分頷けます。
>一概に、ブラインドデートがダメだとは言えないのでは?
上記の理由で、それは当然ですね。
>あと、アジア人を蔑視っと言うより、どこにいても人種差別はあります。
これは言うまでもありません。
>ある意味、日本人こそが島国の単一民族で特殊なのではと感じます。
これも、よく指摘されることです。
わからないのは、次のセンテンスです。
>アジア人だから、差別されると感じるなら、それを上回るぐらいの実力や魅力を自分勝ち取るしかないでしょう。
「それを上回るぐらいの実力や魅力」の 「それ」って何でしょうか?
そして、実力や魅力って「勝ち取る」ものですか?
投稿: tak | 2013年11月23日 00:53